1997/11 西伊豆・石部湾のルアー五目


 いよいよ手漕ぎボート通いの忙しい季節がやってきたぞ。静かな湾内の手漕ぎフィールドにも、青物などの回遊魚が姿を見せ始めた。これからはサイズも大きくなるので、手軽に楽しめるルアーフィールドで、ライトタックルのルアー五目を楽しもう!

データ
  • 今回のターゲット
  • エリア
  • 予想シーズン
  • 他に狙えそうなターゲット
ルアー五目
西伊豆 石部湾内
夏から晩秋
小型回遊魚、マゴチ、ヒラメと何でもござれ!


 夏から秋に掛けての手漕ぎボートは、何があるか分からない。青物の回遊も始まるし、トップからボトムまで狙えるターゲットはたくさんいるから面白い。
 今回のフィールドも、何でも釣れちゃう手軽な手漕ぎボートのライトタックルをやりたくて、小田原からわざわざ西伊豆までやってきてしまったんだ。


 まずは数日前の天気予報とにらめっこしながら、西伊豆名物の風が吹かなそうな日を予想してみた。結局最終的には風に吹かれたが、まあこの時期にしては午前中は持ってくれたので良しとしよう。
 さて、釣行日も決まっていよいよボート屋探しだ。K哲編集長に相談してみたが、あまり西伊豆方面の手漕ぎボートは経験がないらしい。暫く調べてもらって隣の岩地に、やってるかどうか分からないけど1軒のボート屋さんの存在を確認。
 しかし、せっかく調べてもらったのに、確か夏の海水浴シーズンの岩地はなんとかコーストとか言って、ものすごく混雑するのを思い出したのだ。結局自分で一生懸命調べた石部に場所を決定して、3軒のボート屋さんを発見した。
 まあ、この時期に海水浴場でボート釣りをする人は少ないだろうと思い電話をしてみたが、3軒のうち2軒が電話に出ない。
 最後の1軒に望みを掛けて電話をすると、すぐに感じのいい声で電話に応対してくれた。手短にボートを借りたいことを伝え、時間や駐車場などの確認をした。
 駐車場は付近に有料があるのでまずは安心。出船出来る時間は、他の地域の感覚で7時くらいですかと聞いてみたら、思いのほか帰ってきた返事は「何時でもいいですよ」という事だった。
 しかも、朝早くてもいいなら、終了もその分だけ早いのかと思ったらそうでもない。またまた「何時でもいいですよ」という優しい返事が返ってきたんだ。
 信じられない。そんなボート屋さんがあるなんて。アングラーとしては最も魅力的な、朝夕のマヅメ時にルアーをキャストすることができるんだ。手漕ぎボートで!


 当日の現地はちょっとモヤがかかった感じで、決していい天気とは言えない。でも、朝から元気がいい若いボート屋さんのご夫婦に迎えられて、お構いなしにボートを漕ぎだしていったんだ。
 今回はマゴチも混じればいいなと思っていたのだが、ボートを漕ぎだして10mほどの場所にある海水浴場用のブイに何かが見えた。
 早速水面を2人でジグをキャストし始めて、すぐにその正体が判明したのだった。その魚はワカシ。小型だが、辺り一面にポシャポシャとライズリングが出ている。
 どうやら何か、小さなベイトフィッシュを追っているようだ。あとで分かったのだが、そのベイトフィッシュの正体は3〜4cmほどのトビウオの子供だった。
 写真を撮ってから、風が出る前にと、一気に湾入口の定置網を目指して漕ぎ始めた。目標は定置網手前にあるブイだ。これだけ岸近くにワカシがいたから、ここにもたくさんいるだろうとの甘い考えで。
 ところが世の中そんなに簡単にはうまくいかないようで、ワカシやショゴの姿をここで見ることは出来なかった。
 しかし、その代役を立派に務めてくれたのが、なんと小さなシイラくんたちだった。全長でせいぜい30cmほどの超小型サイズだ。なんだか嬉しくなってしまう。


 暫くすると周りはコサバのナブラが全面に出始めて、20cm級の小型がワンキャスト・ワンヒット状態になってきた。少し沈めてみると、サバのサイズも30〜40cm級が多い。こんなに簡単に釣れてもいいのだろうかという勢いなんだ。
 すると突然ボクを呼ぶ声がしたのに気が付いて顔を上げると、同行の近藤さんだ。なんと80cm級のシイラとファイトしていると思ったら、ボクが見たときは既にラインブレイクしたルアーを喰わえてジャンプしながら逃げて行く所だった。
 どうやらサバのナブラを突き上げている魚がいたので、狙ってみたらヨーヅリのタイニーティップにヒットしたそうだ。ムムッ、なかなかヤルじゃないか!
 その後もコンスタントに釣れ続いたが、どうやら午後の風が吹き始めてきた。そろそろアンカーを打ってボトム狙いにと切り替えた途端にヒットしてきたのは、写真に写っているシロギスだ。
 ヨーヅリのメタリックサーディン30gにフォールでバイトしてきたんだ。しっかり口の中にフッキングしていて、滅多にない経験をすることが出来た。しかもその後はカワハギのオマケつき。
 最後はブランカの12gでマルイカの連続ヒットまで味わうことができ、本当に楽しい手軽な手漕ぎボートのルアーフィッシングを思う存分楽しむことが出来た。やっぱりボートはいいですねぇ!


ポイント

湾入口付近の深場がポイントだ

 西伊豆の中でも石部は波の静かなことで定評がある。エサ釣りでもあまり攻めるアングラーが少ないが、カワハギの魚影の濃いことでは有名なフィールドだ。
 ルアーで回遊魚を狙うなら、湾入口の定置網周りに実績がある。ボトムを中心にマルイカなどを狙うのであれば、同じく湾入口付近のまん中あたりが釣りやすい。


石部・くろしお荘 0558-45-0446


チェア

専用のチェアでゆったりと

 今回は同行者が面白い物を持ってきた。写真を見てもお分かりのように、手漕ぎボートへ簡単に取り付けられる専用のチェアだ。
 クッション効果も抜群で、柔らかすぎず硬すぎないのが魅力のお薦め品なのだ。
 簡単な留め具でボート本体を挟み込むように取り付け、座った状態でクルクルと向きを変えることも出来るので、狭いボートの上でも動きやすいのが特徴だ。