冬の手漕ぎボートで絶対に忘れられないのが、今回狙ってみたホウボウだ。ここ数年で専門に狙うリグやテクニックを開拓し、とうとう相模湾のかなりの船宿がルアーで釣らせてくれるまでになってきた。
昔は何かのゲストに出合い頭で釣れる程度だと思われていたようだけど、今では立派な冬のオフショアルアーターゲットになっている。
特に今シーズンはホウボウの魚影がメチャクチャ濃くて、ルアーでも半日で2ケタ釣果は当たり前になっていた。そこで今回も例に漏れず、手漕ぎボートで釣っちゃおうと言うことになったんだ。
時期的には11月くらいから始まって、この取材をした時には終盤に近かった。それでもそこそこに楽しめちゃう所が、ホウボウが流行ってきた理由だと思う。
今回お邪魔したのは川奈にある小川ボートさんだ。ボクが調べた限りでは、川奈で冬のこの時期にボートを貸し出しているのはここだけ。本当に貴重な存在だと思うよ。だってこんなに楽しませてくれる場所なんだもん。冬に手漕ぎボートが出せなかったら悲しいよ。
当日は天気はいいけど朝からわずかに風が吹いていたので、朝のウチが勝負だと読んでの出船だ。この季節はどうしても風の日が多くなるから、当然天気図とニラメッコの日が多くなる。みんなも風や潮の流れをバカにしちゃいけないよ!
今回の同行者は、クラブ仲間の白井さんだ。昨年のホウボウ取材の時も付き合ってくれた、ホウボウ大好き少年?なんだ。
まずは写真を色々と撮りながら、ゆっくりとボートを漕ぎだした。既に沖へ出ていった白井さんには、事前にポイントを説明済みだ。先にキャストを始める白井さんを眺めながら、こちらものんびり準備にとりかかる事にした。
堤防に投げ釣りの人が居たら、オモリが飛んできそうなくらいの近場だよ。こんな近くで楽にホウボウが釣れるんだから、手漕ぎボートってやっぱり便利だよね。ちなみに堤防からもホウボウは釣れるよ。
白井さんは一生懸命ボートを流しながら狙っているが、なかなか苦戦している様子だ。早朝はまだ光が弱いので、グローカラーのダウンショットリグで(ボクの場合は以前にも紹介したドロッパーリグだよ)攻めることにした。活性チェックのいつものやり方なんだ。
まずは第1投。緊張の一瞬だ。
「オッ、ヒットォー。白井さ〜ん、釣れたよ〜!」
「えっ、もうきたの?」
「写真撮りに来てぇー!」
早速同行者をカメラマンにしてしまうボクの得意技だい。たしか以前も仲間の近藤さんをカメラマンにしちゃったのを思い出した。
「あっ、またヒットだよ〜。打率10割だ〜。まだ2投目だけど!」
そんな調子で既にお役ごめんといった雰囲気だ。こうなってくると白井さんも気合いが入ってくる。とにかく群れているケースが多いので、ボクの近くでやって貰う事に。しばらくして本命ホウボウのヒットに白井さんも笑顔が。
「ソフトで捕食のレンジが分かったし反応が渋くなってきたから、そろそろ本職?のメタルジグでやってみるよ」
今シーズンは例年に比べて潮が暗かったので、ブルーや金/オレンジでは光量が足らないように感じていた。そこで最近使い始めたのがパールカラーだ。全くパール1色というのはあまり世間にないので、今回は特注品で試してみた。
実は福浦港のまるせ丸でタコ用のパール玉にホウボウが結構釣れてきたことから、仲間内ではMGクラフトのスキルジグをパール1色に塗って貰っていい結果を出していた。
ボクもDUELの試作中のメタルジグ(社内では"野ジグ"と呼ばれているらしい)を無理矢理パールカラーに塗ってのチャレンジだ。
結果はここでも予想通りに好調だった。サーベルジグのような、ハイパブライトカラーでも釣れるほどの状況には驚きだ。今度のDUELのジグには、暗い潮用パールカラーがラインナップされるかもね!
昨シーズンのメタルジグの操作方法は、リフト&フォールでのフォールのアタリでフッキングさせていたけど、今シーズンあまり高く浮かせても反応が良くない。
最近主流となっているのは、ジグをボトムでスイッスイッとスイミングさせるテクニックだ。これは極細のPEラインとの組み合わせで、初めて成り立つテクニックなんだ。
あまりルアーを追わない状況のホウボウには、リフト&フォールやダウンショットでスローに釣るより、積極的にホウボウの目の前を通過させる方が勝負は早い。そしてスイムを止めた瞬間にバイトがある。
最終的に10時頃には風向きが変わり、低気圧の影響のウネリも出てきた。残念だけどそこで終了となった。でも、やっぱりホウボウのルアーって楽しいよ。みんなもどう?