ようやく長かった梅雨も明けて(と言っても、この取材の日にはまだ関東地方の梅雨明け宣言はされてなかった)、カンカン照りの真夏の陽射しが痛いように肌を刺す。
この所、毎週のように沖へ出て、ライトルアーを満喫していた。そんな事を繰り返しているウチに、いつしか真っ黒に日焼けして、いつも偏光のオーバーグラスをかけているモノだから、ボクの顔はパンダのようにクッキリと跡が残っている。まるで天才バカボンに出てくるオマワリさんのように・・・。
まあそんな事はどうでも良いんだけど、久々にベタナギで波の無い静かな湾内でのノンビリしたルアーフィッシングを楽しむことができたのだった。今回ボクが選んだフィールドは、西伊豆の岩地だ。
昨年のこの時期には隣の石部を狙い、小型のシイラやワカシ、サバ、マルイカといった初夏の五目釣りを達成できた。その時に、実は南側の岸壁付近を回遊している小型カンパチの群れに遭遇したんだ。
その時の事が忘れられず、次の年には西伊豆のパターンを確認しようと思っていた。つまり、相模湾側では秋口からが狙い目となるカンパチが、水温の高い西伊豆ではもっと早い時期からルアーの対象になるんじゃないかと考えたからだ。
そうは言っても、去年と全く同じ場所という訳にもいかないので、同じようなシチュエーションのある隣の岩地を今回のフィールドに選んだのですよ。
特にシーズン初期の磯場へはベイトフィッシュが接岸するので、深場よりも磯際のベイトフィッシュに集まる、初期のカンパチの行動も確認してみたかったんだ。
ところで大切な事を先にお話ししておこう。ここ石部では手漕ぎボートを貸し出しているボート屋さんが非常に少ない。そして夏の間しか営業していないのも特徴だ。それだけに場荒れしてないから、他のターゲットをこの時期に狙うのも今後の魅力と言えるだろう。
今回お世話になったのは、公丸ボートさんで、前日の夕方の予約電話にもかかわらず、快く受け入れて下さった。海の家をやりながら、貸しボートをやっているんだ。
2人ともとっても気のいいご夫婦で、来年の夏も是非にと思ってしまうほどだ。できれば風や波の無い日であれば、シーズンを通して営業していただけると面白いと思う。
もうひとつ嬉しくなる事をお話ししておきたい。今回は6時のボート出しと言うことで、早めの5時に現地へ到着した。
そこで、地元の人達が海岸の掃除をしているのを目撃したんだ。聞いてみると、毎朝みんなが交代で海岸を掃除しているとのこと。これには本当に頭が下がる。いつも綺麗な西伊豆の海は、このような地元の人達の努力によって維持されている事実を改めて認識させられた。
さて、話しが長くなったけど、そろそろ当日の様子を!
ボクたち(カメラマンの娘と一緒です)があまりにも早く到着してしまったものだから、結局はちょっとばかり早めにボートを出させて貰っちゃいました。
小学校2年の娘が喜ぶようにと船尾に結びつけた、子供用の浮輪をボートで引きずりながら、とにかく狙っていた岩場を目指してみた。
海は素晴らしく澄んでいて、これで魚が釣れるのかな?と思ってしまうほどだ。これがボクの西伊豆通いの原動力となっているんだ。
波も風も全く無く、岩場から30mほどの場所へも安心して近寄れるのが嬉しい。今回の目的とするカンパチを、この浅い海から見つけだすのも容易な海の状況だ。
すると海面が突然ザワザワと騒々しくなり、ガボッ、バシャッと何かがボイルを始めた。まだ誰もいない海の上で、娘と2人でキャストの前にジックリと観察してみた。
良く見ると水面を逃げているのは7〜8cmのキビナゴで、それを追い回しているのは15〜30cm級のカンパチだ。狙っていた通りの状況が目の前で繰り広げられているではないか。これには本当に感激だ。
しばらくするとボイルがボートのすぐ近くまで寄ってきたので、チョイとブランカ12gをキャスト。
水深が5〜7mほどなので、ボトムまで沈めてから一気にバーチカルシェイキングをやってみた。浅場では物凄く効果のあるテクニックとして、徹底的に使いまくっているボクのお得意テクニックだ。
ブランカを追って小さなショゴサイズがどんどんヒットする。バラシても途中でシェイクすれば他のがヒットしてくる。群れを見るとかなり広範囲に広がっていて、ざっと数えた感じでは50尾はいそうだ。
しばらくそんな事を繰り返していると、突然PE5ポンドタックルを一気に絞り込む引き込みが来た。慎重にランディングしたのは30cm強の、この時期にしては立派なサイズのカンパチだった。
目標達成! さ〜て、次回は何を狙って釣ろうかなぁ。