1999/01 西伊豆・戸田湾のメッキ


 美しい自然に囲まれた西伊豆。素晴らしい景色を眺めながら、この秋一番の人気ターゲットを狙ってみた。メッキは水物と言われ、釣れたり釣れなかったりする摩訶不思議な現象をボクたちに味あわせてくれる。そんなメッキを、連載の最終ターゲットに選んでみた。

データ
  • 今回のターゲット
  • エリア
  • 予想シーズン
  • 他に狙えそうなターゲット
メッキ
西伊豆・戸田湾
秋〜初冬
カマス、アオリイカ、ヒラメ、マゴチなど


 秋も深まり、何を狙っても面白いシーズンに突入したよね。実は今回でこの連載は、ひとまず終了させていただく事になったんです。
と言う訳で、最後は陸っぱりの釣りのノリで、とりあえずボクの大好きな伊豆へ出かけて、行き当たりばったりで釣ってみる事にした。
いつものように、娘がカメラマンとして同行し、ノンビリお気楽の雰囲気でスタートしたのだった。もちろん行き先は、ボクの大好きな自然の美しいシチュエーションに恵まれた西伊豆だ。
日の出と共に小田原の自宅を出発し、朝の8時頃には戸田湾に到着した。いつもの陸っぱり、お決まりのコースで様子をチェックしてみる事にした。


 この湾では、この時期にマダイの稚魚を放流していて、秋の終わり頃までは堤防からの釣りが禁止されている。だからアングラーもほとんど見かけず、暗黙の了解でOKとなっている場所に、わずかな姿が見える程度だ。
とりあえず千代ボートに最近の青物の様子を聞いてこようと、御浜崎へと降りていった。まずは自分の目で海のご機嫌を感じ取ろうと、波打ち際までノンビリと散歩。ところが、静かなはずのサーフでは、物凄い光景が繰り広げられていた。
 そこに見えたのは辺り一面のボイルだ。小さなイワシのようなベイトフィッシュを、バシャバシャと追いかけ回している。その正体は、どう見てもボクの大好物?であるメッキに間違いない!
しかし、いかんせん距離がちょっとばかり遠い。しかも、石積みの裏側にあるナブラは、攻める手だてがない。そこで思い立ったのが、いっその事、手漕ぎボートで普段攻められない場所を狙ったらどうなるんだろうと言う疑問だった。
 例えば、エリアの限定された湾内で、メッキの回遊ルートや方向は分かっている。それなら、メッキのお決まり回遊ルートを手漕ぎボートで逆走して、そのまま迎え撃ってみたらどうなるんだろう?
気がついた時には、千代ボートのおばちゃんに、「今からボートを借ります!」とお願いして、車へタックルを取りに戻っていた。この時のボートを出すまでの時間の速さと言ったら、今思い出しても笑えるような素早さだった。


 超遠浅の砂浜からボートを漕ぎ出して、ほんの数十秒でポイントへ到着。娘と2人でボートを流しながらキャストを開始した。
近くで見ていた人や、沖のボートの人達も、こっちを不思議そうに見ている。なんたって岸が目と鼻の先の場所でルアーをキャストしているんだから。たぶんボート屋さんも、こんなに岸の近くでボート釣りをする人を見るのは初めてだろうね。
 タックルは、いつも陸っぱりのメッキに使っているそのまま。ルアーは今シーズンも絶好調の、アイルSR50ホログラムブルーだ。
ラインは広範囲を探ることを想定していたので、あえてアイルトラウトの3ポンドをチョイスした。このライン、飛距離は出るしトラブルがほとんどない。
 しかも強いので、細いながらもボクみたいにキャストの回数の多いルアーマンには本当に扱いやすい。何たって、あの「さとう珠緒」ちゃんさえも使いやすいって認めてくれたラインなんだから。
この湾の回遊パターンは、基本的にサーフのブレイクラインを横へ移動しながら、プレッシャーを受けると堤防沿いへ移動しながら沖へ出ていくという単純な行動だ。
 それが20分ほどのインターバルで、再び手前に戻ってくる。陸っぱりでは、この接岸のタイミングに出会えた人が、それなりに楽しめると言う訳なんだ。


 しかし、全く見かけないことも有るのも事実だった。今回はそれを見つ けるのも課題と考えていた。当然の事ながら、メッキの群れがベイトフィッシュを追いかけているのに釣れないはずがない。20cm級のエソを交えながら、十分に楽しませて貰ったのであった。
 しばらくすると、ウソのように水面は静かになってしまった。陸っぱりで不思議に思っていたのは、ここから先の話しなんだ。沖へ払い出していけば、いつかはボートのエサ釣りに釣られてもおかしくない。
そこで想定していたのが、岸からもボートからも普通の人が狙わない場所の存在だ。これを限定するのは簡単だ。一般のアングラーが狙っている対象魚のいない場所で、岸から釣りにくい場所だ。
 答えは簡単。石積みの裏側の、一気に落ち込むドロップオフだ。水深はおよそ7mくらいだけど、ためらいもなく下から浮き上がってきたのだった。
 こんな感じで、ボクの手漕ぎボート釣行記は幕を閉じた。大物指向でもいいけど、それより誰にでも気楽に楽しめるターゲットを選んだ。やっぱり、ライトターゲットが好きなんだよなぁ!


ポイント

岸から届かない場所が・・・

 戸田湾は広さ、水深共に目を見張るほどだ。一見すると岸壁沿いの雰囲気は西伊豆らしくないが、湾入口の御浜崎へ行くと、そこには素晴らしいロケーションがある。
波の静かな遠浅の砂浜からボートを出すが、ここでのボートの揚げ降ろしはセルフサービス。浜だけは極端な遠浅なので、少し沖までボートを押していく必要がある。


戸田・千代ボート 0558-94-3003


アクション

ダーティングで引きずり出す

 今シーズン、伊豆のメッキは連続的なダートアクションに弱い。従来のようなファースト・トゥイッチやストップ&ゴーでは、追ってきてもバイトしないケースが多い。
ズバリ、チョコマカトゥイッチの水中バージョン風テクニックで攻めれば、面白いほどにヒットさせることができる。綺麗に操作するよりも、イレギュラーが肝心なのだ。