「エギングってもっと流行るかな?」

 寒い冬の極寒期になると、やっぱりアオリイカは釣りにくいですね。これを書いているのが1月下旬だけど、狙って釣ろうと思ったら春までお預けですね。1〜3月は、どんなに頑張ってもたかが知れてます。寒い冬の夜に何時間も粘ってエギングやるのもいいけど、机(パソコン)に向かって春に備えてのデータ整理も必要ですよね。真冬に夜通しロッドを振っているのは、いかじじいさんとシーバスアングラーに任せちゃいましょう。

エギングってホントに人気あるのかな?

 さて、今回このコラムを書き始めたのには、ちょっとばかり訳があるんです。以前どこかでも話題にしたんだけど、アオリイカのエギングってホントに人気が有るんだろうか? ルアー雑誌を見る限りは、エギングを掲載しているページって極端に少ないですよね。エギングの方が釣り場で見かけるアングラーの数が多いにもかかわらず、メディアでの反応は良くないんですよね。読者からの反響がほとんど無いってのが取り上げにくい理由らしいんだけど、実際の釣り場を見ると、たくさんのアングラーで埋まっちゃってるから、とても人気が無いとは思えないよね。

 それで色々とボクなりに考えているんだけど、決定的な理由が見当たらない。実際にお店で売れているエギの量も半端じゃないし、地域によってはシーバス用のルアーとは比較にならないほど商売になっているって話しも聞くんだよね。少なくとも、アオリイカは真冬の極寒期を除けば、一年中そこそこに安定して釣れてくれるターゲットだ。それに対してシーバスはどうだろう。シチュエーションを替えながら釣れる事は釣れるけど、ヒットポイントが限定されたり、条件が分からなかったら結果を出せなかったりと、複雑極まりないターゲットと言えるんじゃないかな。それでも釣れるからいいんだけどね。


楽しみ方の違いが分かるかな?

 
シーバスフリークに言わせると、その厳しさの中で釣った1尾に価値を見出しているんだと言う話しを未だに耳にする。たしかにシーバスしか追い求めてないアングラーはそうなのかもしれない。ところが、エギングでアオリイカを狙っているアングラーにとっては、とにかく釣れる事が優先されている。つまり、釣れてこそ釣りなんだと言う認識みたいだね。逆にいかじじいさんみんたいな人は滅多におらず、エギ専門なのに釣りにくい時期にもアオリイカを追い求めて楽しんでいる。これもまた楽しみ方のひとつなんだろうけど、ほとんどはの人はルアーとエギをシーズンによって使い分け、より多くのターゲットと遊んでいる。釣れてる旬のターゲットを追い求めてるって事ですね。

 このコラムを読んでいるアナタはいかがですか? 食べるために釣る、釣ることだけが楽しみなど、人によって考え方は違いますね。でもボクが最近強く感じているのは、ひと頃ほどリリース前提で釣りをするアングラーが多くないってこと。逆の言い方をすれば、自分が食べない魚は釣りに行かないって意見の人が多いように感じてる。ルアー雑誌での、料理のページって人気があるんですよね。排水口周りの汚れた場所で釣っている人を見かけなくなったし、仮に釣っていても必ずリリースしている。もちろん食べる分だけ釣ったら、満足して帰る人も多いよね。食べるという食文化が、何となくアングラーの気持ちを豊かにさせ、そして無駄な殺生をしないアングラーを育てているような気もしてる。

自分なりの楽しみ方を持とう!

 世の中には「リリースが絶対」だとか、「ランカー以外は狙ったらいけない」なんて言いきる人もいるけど、ボクは自然と周りのアングラーもそういった雰囲気を肌で感じ取って行けるような、そんな環境を作っていきたいと思ってます。だから、初心者のアングラーを捕まえてリリースしなけりゃダメなんて言わないし、むしろ極端に小さくなければ「食べてごらんよっ」て声をかける。大抵のアングラーは、長く釣れるように先々無駄な(悲惨な)釣り方をしないように感じてくれてると思います。

 色々と話題が横道にそれちゃったけど、ボクが言いたかったのは食べるための釣りってもっと流行っても良いんじゃないかな?ってこと。希少価値だから夢を追い求めるのも当然面白いと思う。でも、まだシーバスしかやった事の無いアングラーの皆さんは、是非ともアオリイカのエギングを試してもらいたいんだよね。食べる楽しみを知って、リリースの必要性も学ぶ。人から言われたからやるんじゃなく、自分の意思で経験する事によって、より多くの事実を体で覚えてもらえると嬉しいな。いつの日かアオリイカのエギングも、シーバス並みにメディアで取り上げられる事を願って。