「釣れるルアーと売れるルアー」

 突然だけど、みんなは釣れるけどあまり売れてないルアーと、良く売れてる
けどあまり釣れないルアーのどっちがいいかな。もちろんどれが良く釣れかっ
て言うのは、実際に使っているみんなが一番良く知っていると思うんだけね。
ほとんどの人は騒がれているほど釣れないルアーより、密かにでも良く釣れる
ルアーがいいと思っていると信じたいんだけどどうだろう。    

 ボクがDUELのフィールドテスター&アドバイザリースタッフという立場
で考えてみると、正直言ってDUELのルアーってホントに良く釣れるルアー
なんだって事をみんなに知ってもらいたい。               
     

こんな事もあるんだね!

 メディアの世界、特に釣り雑誌の中では矛盾している事が多いのを知ってい
る人も多いだろう。特定のメーカーに力を入れて宣伝する傾向に見られがちな
本もあれば、極端にメーカー色が出る事を嫌う本もある。出版社なりに雑誌の
特色が出ていて、それはそれで良いことだと思う。しかし、納得できない事が
ボクにはひとつだけあるんだ。                   

 例えば某誌で写真入りの記事が掲載されていたとしよう。立派な魚をヒット
させて、ニッコリとルアーマンが記念撮影。さて、その魚の口にぶら下がって
いるメタルジグはY社の製品だ。ところがタックル紹介の部分には、今回活躍
したルアーとか書かれていて、その中にはY社のメタルジグの名前は全く書か
れていない。そこで紹介されているルアーが別のメーカーの製品だったりする
事は、一般の読者は気づいていない人も多いかもしれないがかなりある。

 写真を見てそれが本当に何という名前のルアーなのかを知らない初心者は、
何の疑いもせずに言葉で書かれているルアーをショップで購入するだろうね。
たしかにその写真の魚だけは本当にそのルアーで釣ったのかもしれないけど、
ライターの立場として考えるとちょっと寂しいなと思う事もある。だって自分
が力を入れているメーカーのルアーを宣伝したいんだったら、メディアの世界
へ露出する時には少なくとも写真と紹介文は一致させたいと思わない?

 ボクの知っている限りでも、かなりの某メーカー著名テスターの人たち困っ
た時のY社頼み(困った時の神頼みだよね!)って言いながら、Y社のメタル
ジグやミノーで釣果を出している人も多い。誰とは言わないけど・・・。も、
だからってその人を攻める気はないし、むしろ使って釣れるという事実をそう
いった人たちが知っている事が返って嬉しいと思う。だってそれだけ凄い人た
ちだって、困った時には使ってくれるほどに良く釣れるルアーだって事しょ。
認められているんだもん。                   
     

真実を知ろう!

 いつも思うんだけど、一般の読者の人たちは雑誌とかのメディアの影響もか
なり受けているはずだよね。それだけに事実をもっと伝えていきたいと思う。
例えば単なるイメージ写真として表紙に使うとかなら問題無いと思うけど、釣
行記などのように現実にそれで釣ったというような記事では出来る限りハッキ
リと紹介していきたいとボク自信も感じている。読者のみんながどこを信じて
ルアーを買っているのか、そして誰の書いている記事を信じているのか。普通
は本に書かれていたら、全部真実だって信じるんだから。     

 ここからちょっと実名を出しちゃうけど、ハッキリ言ってY社(ヨーヅリ・
現在はDUELに社名変更した・・・)のルアーをどの雑誌でも良く見掛ける
ようになった。ボクとしてはとってもそれが嬉しいんだ。ところが他の世間で
言われるカッコいいメーカーのルアーに置き換わって表現されている事の多さ
には参る事がある。もちろん全てがそうではないし、各メーカーは仮にそのよ
うな記事を発見すれば出版社への抗議はしているようだ。     

 生産数、販売数共にDUELのルアーは物凄い数が出荷されているのに、メ
ディアでの目立ち方が少ないような気がするのはボクだけだろうか。言われて
みて、「そう言われればそうだなぁ」って思い浮かんだ人も多いんじゃないか
な。最近は特にカッコいいルアーも多く、もちろん釣れる事に重点を置いて開
発する事は何ら変わりない。「釣るためのルアー作り」、それがひとつのポリ
シーなんだ。                         
                           

売れるルアー?釣れるルアー?

 楽しむ過程が確かに大切と言われているルアーだけど、釣れなくて嘆いてい
る人の話しもよく聞くようになってきた。これはひょっとして売れるルアーと
釣れるルアーの差が顕著に出てきてしまったんではないかと心配しているだ。
つまり名前だけが先行しちゃって、そのルアーに向いている状況に応じた使い
方が説明しきれてないんじゃないかと。だから何でもかんでもそのルアーを使
えば釣れると思って、それを使っても釣れないから魚が釣れない環境になった
んじゃないかって誤解してる人も多いんじゃないかと思う。    

 ルアーというのは通常売られているモノに関しては、必ずといっていいほど
開発者の思い入れがあり、どういった状況で使われる事を想定して作ったかが
あるはずなんだ。だから、ボクたち使う側もその設計思想を知る事で、今まで
以上に釣れるようになるはず。場合によっては今まで気にもとめてなかったよ
うな小さなメーカにも、使い方さえ間違えなければ飛び向けて良く釣れるアー
を発見する事だってある。いや、むしろ小さなメーカーの方が生産性を考えず
に作っていたら、物凄いスーパースペシャルルアーが出来ている可能性だって
あるんだ。そんな事を考えながらルアーセレクトするなんてのも、これからの
時代は楽しいかも知れないね。                 

 どうだろう。ブランドやメディアの宣伝に惑わされず、あそこのルアーはダ
サイなんて言わないで、もうちょっとこの楽しいルアーの世界を見つめ直して
みては?