Let's ノジング!

 刺身で食べて美味しいのは500g位までですが、やはり釣って楽しいのは大物ですね。味の小物、釣り味の大物といったところでしょうか。

●キャストのコツ
 皆さんがエギングのために、カトルクラッチのようなパラボリック(スロー)アクションのロッドを選んでいただいた場合ですが、通常のシーバスロッドでキャストする時のような鋭いキャストはダメです。

・垂らしを長くしてゆっくりと振り被る

・エギの重さを十分にバットに乗せる

・バットの反発力でキャスト!

 この方法だと飛距離も伸びるし、ブランクに無理な負担が掛かりません。ロッドを傷める可能性も少なくなります。また、スローテーパー・ロッドにありがちなうら返り現象(キャスト時にラインが一番下のガイドの後ろに回り込み、ガイドに絡む現象)も防止できます。

●サミングからフォールまで

・キャスト後は余計なラインを出さないように、ラインを指先でセーブしましょう。

・着水寸前にラインを止めましょう。

・ロッドを前に送り出すように止めましょう

 そうするとエギの顔が自分の方を向いた状態で着水するため、着水音も静かになり、またメ
タルジグでいうテーリング現象も防止できます。特に風の強い時は、サミングはしっかりしておきましょう。ラインが出過ぎていると、余分なラインをリールで回収している間にも、ラインが風にどんどん流されてしまいます。思ったラインにエギをトレースすることができなくなります。

 ここで勘違いしないで欲しいのは、エギがフォールしている最中もラインテンションを保てと言っているのではありません。フォールはフリー・フォールで行ないます。その理由は、

・カーブフォールだと、着水点よりも大きく手前にフォールしながら着底します。
 ピンポイント攻撃で目標を大きく外してしまいます。

・ほとんどの場合ボトムで乗ってくるので、フォール中のアタリを取る必要も無い。
 ラインテンションが掛かっていると、アオリイカが違和感を感じてエギをすぐに放します。
 触腕2本だけに掛かって身切れによるバラシが多発する。

 その証拠に棒引き(ズル引き)で乗せたアオリイカは、触腕だけに掛かっていることが多いです。これはラインテンションを掛けてアタリを積極的に取っていく、従来のシャクリでも同様のことが言えます。それに較べノジングだと、ほとんどの場合エギをしっかり抱いていて、まず逃げられることはありません。それが従来のメソッドとノジングとの大きな違いのひとつですね。

●シャクリ方
 エギが着底したら、いよいよシャクリに入ります。まず、1回目のシャクリを入れる前にラインスラッグ軽く取って下さい。但し、エギが動いてしまうほどの巻き取りは必要ありません。そしてシャクリます。その基本的なプロセスを時系列的に説明しましょう。

・ラインスラッグを少し取る。

・左手はリールのハンドルに添える。

・ロッドを9時の位置から一気に11時、最大でも12時まで跳ね上げる。

・ロッドを一気に元の位置に戻す。
 ※ここまで時間にして1秒以内を目安に行ないます。

・5〜10秒ほどポーズさせます。

・ハンドルを1〜2回転ほど巻きラインスラッグをとる。

・以後、これの繰り返し。


※注意点
・シャクリの時、脇はしっかり締めて、肘から先だけで動かします。
 これができないとシャープなシャクリはできませんし、疲労度も増えます。

・シャクリの時、エギの重みがロッドに乗ったらすぐにシャクリを止めて戻します。
 (現実には、エギの重みが乗る寸前にシャクリを止めるのが正解です。)
 もし、シャクリ始めてすぐにエギの重みが乗るようでしたら、ラインスラッグが少なすぎます。
 次回のシャクリ前のライン巻取り量を減らして下さい。

・シャクリの直後にラインスラッグを取らないで下さい。
 ここが一般的なシャクリとの最大の相違点であり、ノジングにおける重要なポイントです。
 風でラインが大きく流される場合や、足元にテトラなどが入っていて、
 放っておくとラインが引っかかるような場合はその限りではありません。
 いずれにしても、シャクリ直後にラインスラッグを取る動作は最小限にして下さい。
繰り返しますが、ラインスラッグを取るのはシャクリの直前です。

・鋭く操作するコツは、シャクリ上げる時はロッドのグリップを強く握り締めます。
降ろす時は小指と薬指以外は広げるつもりで、スッと楽にします。
 力を抜くと同時に親指の付け根でロッドが跳ね上がろうとする力を受け止めます。

・ポーズの間、必要以上にラインが海中に沈まないよう、ロッドを少し立てておきます。

 ボクのトーナメントZは、わずか1年あまりでリールの脚が曲がってしまいました。それほどの鋭いシャクリ、それがノジングと言ったらお分かり頂けるでしょうか。鋭いシャクリと適度なラインスラッグ、それがノジングのキモです。この2つの絶妙なバランスが、ノジングのエギでボトムを叩くアクションにつながるのです。バランス、こればかりはどんな言葉を使っても、皆さんにお伝えすることはできません。それぞれ場数を踏んで、身体で覚えて下さいね。上達の度合いは必ず釣果の差になって現れますよ。

●アタリの取り方
 まずアタリの取り方ですが、ノジングはシャクリとシャクリの間は、適度なラインスラッグを出しているので、基本的に次のシャクリを入れるまで、アオリイカがエギに乗っているか分かりません。シャクリを入れた時に、ドスッ!っと瞬間的にロッドを引き止められるような感触があったら、そのままの状態で(ラインテンションを掛けた状態で)少し待って下さい。アオリイカなら、その後すぐにグイグイとロッドを絞り込んでいきます。動く様子が無ければ残念ながら根掛りです。シャクリがそのままアワセになっていますから、改めてアワセる必要はありません。アオリイカが乗った時の「ドスッ!グイグイ」が、ノジングの醍醐味です。

 活性の高い時はエギを抱いたまま走り出すことがありますので、キャスト後のカウントダウンや、シャクリとシャクリの間も気を抜かないで下さい。もしラインが急に走り出したり変な動きをしたら、すう〜っとゆっくりロッドを立てて下さい。あとはアオリイカが勝手にバックして自分から針掛かりしてくれます。

●ファイトのコツ
 アオリイカは、乗ると必ずと言っていいほど、ジェット噴射でバックして逃げようとします。この時はリールを巻かずにロッドで耐えて下さい。この時、強引にロッドを立てたりリールで巻き上げたりすると、身切れによりばらしてしまいます。
 バットトルクのあるロッドならば良いのですが、途中から急激にバットパワーを発生するタイプのロッドをお使いの方は、ロッドだけに頼らず、ドラグをうまく活用してこのノシをかわして下さい。それとダイレクトにグイグイ引き込む場合は、エギ餌木をしっかり抱いていることが多く安心です。しかし、何となく弱々しいクッションの入ったような感触がある場合は要注意です。触腕だけに掛かっている可能性大です。

 ひと通り抵抗すると、一度抵抗が止まります。この時がチャンスです。リールをゆっくり巻き上げながら、ロッドを立てて一気に浮かせて下さい。 これは、海中で不必要に墨を吐かれて、アオリイカの群れを散らしてしまうことを防ぐためにも大切なことです。

 水面に浮いたら、吹管を水面から出したまま、海面を滑らせるように寄せてしまいます。アオリイカの足まで海面に出さないようにして下さい。ラインがタルミやすくなり、バラシの原因になります。それからポンピングせず、リールによる巻上げだけで寄せましょう。ポンピングもバラシの原因になります。もし途中で再び引きが強くなったら、、リールの巻き上げを止め、ロッドでやり過ごします。

 足下まで寄せたら、吹管だけを海面に出した状態で浮かせ、掛かり具合などの様子を見ます。吹管が使えなければジェット噴射による抵抗はできませんが、大物だと浮かせきれず、最後のひとあがきに苦労することも多いので注意しましょう。この時、眼球まで海面に出さないことと、あまりライトで照らさないことです。どちらも暴れ出す原因になります。

●ランディングのコツ
 まず、吹管ギリギリまで浮かせた状態で、カンナの掛かり具合を確認してください。カンナが足の付け根にガッチリと掛かって、エギが見えないくらい抱いている場合は安全です。わたしなら1キロくらいのサイズまでなら抜き上げてしまいますが、やはりランディングネットを使った方が安全です。抜き上げ方が悪いとロッド折損の原因になりますからね。1キロを超える場合や、触腕だけに掛かっている場合もランディングネットを使用するのが安全です。

 アオリイカの胴体側(取り込み中の後ろの方)にそっとネットを回し、ネットの中にアオリイカの胴が入ったと同時にラインを緩めて下さい。あとはアオリイカの方から勝手にネットインです。なぜ後ろからすくうのか分かりますよね。アオリイカは逃げる時、後ろに向かって泳ぎます。間違っても前には行きません。これでめでたくランディングです。リリースするも良し、食卓を豪華に飾るも良しです。

 それでは皆さん、明日も良い釣りを。合言葉は『Let's ノジング!』


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