エギング用ロッド

 せっかくアオリイカのエギングをやるんだったら、おもいっきり楽しめるタックルが嬉しいですよね。どんなロッドを使ってもエギングは可能ですが、気持ちよくエギングをこなしたい。そんなアングラーの皆さんには、是非とも頭に入れておいてもらいたいものです。そんなエギングロッドについて、ちょっとだけヒントをお話してみましょう。

●餌木ング用ロッドの条件とは・・・
・1oz以上のルアーが背負えること
  →4.5号の餌木までキャスト可能にするためです。
・ソフトでスローなアクション
  →アオリイカのあの強力なジェット噴射をかわし、バラシを少なくするためと、
   ノジングをより効果的に演出するため。
・軽いこと
  →シャクリにメリハリをつけやすい。
   それに当然のことながら長時間のシャクリに耐えられる。

 加えて言うならば、乗せてためた直後に、アオリイカを素早くポイントから引き離すためのバットトルクが欲しい。そうでないと折角の群れが散ってしまいます。バットトルクとバットパワーは別のもので、バットパワー=バット部の反発力の強さ、と解釈されることが多いのですが、これは魚の走りを強引に止めてこちらを向かせ、アングラーに主導権を力になります。ところが、相手がアオリイカであるパワーは身切れの原因になってしまいます。

 一方、バットトルク=粘りと解釈してください。これはロッド全体で引きを吸収するように受け止めながら、無理しないでアオリイカを浮かせる力になります。つまり、完全なパラボリックアクション(胴調子)のロッドが、このバットトルクを備えていることが多いのです。ただし、ペナペナロッドと混同しないでください。

 それともうひとつ、ロッドを季節により使い分けると、確実により楽しくアオリイカと遊ぶことができます。なぜなら季節によって、アオリイカが居着く場所は変わるからです。その場所によって適切なロッドの長さがあるのです。具体的に言うと、シーズン初期である秋口は、港内での釣りが中心になります。従って、この時期はロングロッドを使う必要はありません。遠投もいらないし、港内は足下に障害物があることも少ないですね。しかし、ショートロッドと言っても、あまりにも短いのは考えものです。9ft前後のロッドが無難です。あまりにも短いロッドは、バラシも多くなります。

 次に春〜夏にかけてですが、この時期は産卵を控えた大型が、浅場で海草の生い茂る根に集まります。港口から外を狙うことが多くなるので、遠投性能が要求され、更に手前の根をかわせる長さがあると安心です。そのため、11ftクラスをお薦めします。世の中にはショートなエギングロッドが流行る傾向もありますが、こういった面を考えると短いよりは長いロッドです。但し、これ以上長くなると、ロッドの重量があまりにも重くなりすぎるし、シャクリに必要な力もかなりのものになります。シャクリを中心とした釣りには適しませんし、棒引きでも重くてイヤになるでしょう。体力に自信のある人はいいですが・・・。
 まれに13ftを使う事もありますが、足場の高い磯などでどうしても根をかわさなければならないような状況以外は出番はありません。11ftを上限と考えた方が良いと思います。

 上記の条件をすべて高いレベルで備えているロッドが、デュエルのカトル・クラッチだと思います。
しゃくって良し、乗せて良し、キャストはスローテーパーロッド特有の癖がありますが、慣れてしまえばぜんぜん苦にならないどころか、ロッドが勝手にキャストしてくれる感じで疲れません。だから長時間のキャスト&しゃくりに耐えることができます。

 しかし、既に絶版モデルになっており、現状では手に入れることができないのです。そこでボクが考えたのは、無いのなら作っちゃおうという発想です。ロッドを作るのは並大抵の事ではありません。それを実現させるのには苦労もたくさんありました。でも、いつまでもカトルクラッチに頼るわけにはいきません。
 詳しくは Online Lure Shop F のページを覗いていただきたいのですが、ナイトスクィッドというロッドを作りました。これはカトルクラッチが持っていたいくつかの欠点を克服し、更に昨日を追加して進化させたものです。カトルクラッチが絶版となった今、自信を持って皆さんにお薦め致します。

 また、昨年くらいから餌木ング用と称する安価なロッドが数社から発売になっているようですが、
安いに越したことはないが、安ければいい時代ではないですね。どうせ買うなら少々高くても、実釣テストを重ねに重ね、完成された良い物、本物が欲しいですね。対象魚それぞれに専用ロッドが用意されている昨今、餌木ング専用ロッドだけないのはおかしいです。それだけに、名前だけエギングロッドではなく、釣り方やフィールド事情にマッチしたロッドの開発を各社に望みます。


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