2003.05.25 福浦沖のカサゴと大サバ

Report by Fumio Noji

カジメの林・・・

 数日前から、定置網にイワシがたくさん入っているとの噂。船長の話によると、潜っていてカサゴやメバルの姿も多く見られるようになってきたらしい。ところが海の状況はウネリが続いていて、この日も朝から風も吹いて船は大きく揺れていた。今日の狙いは浅場のカサゴだ。それに鳥山が出たら、押さえにサバを釣りましょうって予定だった。しかしあいにくのウネリで、軽い仕掛けを使ってのカサゴのキャスティングは、思ったように操作できないのが悩みのタネ。

 朝の4時半出船で、まるせ丸は福浦港を出船した。最初は港のテトラ外側に船を向けたけど、ここではウネリの影響だけでなく、カジメの林になっているようで釣りづらい。早々に見切りをつけて、次の狙いは10m付近のラインにいるはずの、メバルとカサゴだ。本当は港の入口付近を攻めたいのだけど、まだ早朝は船の出入りが多くて釣りができない。そういう訳で、各々ジグヘッドリグやメタルジグで釣り始めた。

 しかし潮が変な動きをしていて、最初は底潮が速くてやりにくさを感じていたのに、いつの間にか中層が速い潮に入れ替わったりしていた。アタリの無いまま少し時間をかけてみたけど、結局は反応が無かった。ボクはブランカの12gに付け替えて、ボトム近辺を叩くように誘い上げてみた。しかし掛かってくるのは、ムツっ子やキタマクラ、ベラなどばかり。そのうちちょっとばかり違うアタリで上がってきたのは、ちょっと小型のカサゴだった。この頃から港からの船はほぼ出払ったので、港口へとまるせ丸は移動した。


29cmのカサゴがヒット!

 潮の流れで港口から舟付の方向へ岸と平行に移動しながら探っていく。水深はかなり浅いので、潮が澄んでいれば海底の様子も分かるのだけど、今日は濁りが入っていて状況がつかめない。大きめの岩の場所さえ分かれば、そこを直撃で攻略できるんだけどね。ここでメタルジグに反応してくるのは、結局アナハゼやキタマクラ、ベラばかりだった。しばらくすると娘のロッドが大きく曲がっていて、抜き上げたのはちょっとばかり良いサイズのカサゴだ。根掛かり回避のためにスプリットショットリグで針先を隠して使わせていたんだけど、今日はこの方法で広範囲を探るのが正解のようだ。

 ボクもメタルジグを取り外し、同様のスプリットショットリグに付け替えて探ってみることにした。ウネリが大きいので、岸に向いているミヨシが必ずしも良いポジションとは限らない。ボク達は胴の間から足元を探るように、じっくりと船の移動でしらみつぶしに釣りながら移動して逝った。そのうちアタリが徐々に多くなってきて、カサゴはポツポツと姿を見せ始めた。やはりウネリの影響なのか、極端な大物は姿を見せない。

 ところが、そんなうっぷんを吹き飛ばすかのように、娘のロッドが大きく絞り込まれた。のされ方から判断すると、なかなかの大物の様子。大きな姿が見えてきたので、ボクが玉網でサッとネットイン。後で測定してみたら、29cmもある立派なカサゴだった。初めてのまるせ丸カサゴ挑戦だったので、釣った本人はかなり驚いたようだ。その後は船中も気合が入り探り続けたが、そこそこのサイズがたまに釣れる程度。それでもこのウネリの状況でヒットできること自体、なかなか凄いことだと思う。


いよいよサバを探しに・・・


 アタリが途絶えてきたので、今度は気分転換に沖の様子を見に行ってみた。朝のうちは鳥山がたくさん出ていたんだけど、今日はカサゴがメインの出船。たくさんの鳥山が見えていたので、ちょっとばかり期待しての大移動だった。ところがちょっと沖に向けても、先ほどまでいたような鳥山が無い。鳥は大きく広範囲を旋回しているだけで、何かがいることは予想できるんだけど、鳥山の形を作るまでには至らなかった。

 その後は鳥山を諦めて、船長は魚探とにらめっこ。これが正解で、水深70mくらいの場所で、中層からボトムにかけての反応が出始めた。最初はアイルメタル28gを使って沈め始めたけど、潮が速くてボトムを取るのが大変。30m程度のレンジでラインが止まり、ヒットしてきたのは30cmほどの小さなサバ。取り込んでから、急いでメタルジグを40gにチェンジした。今度は何とか沈んでいき、着底を確認することができた。シャクリを開始するとすぐにズシンと手応えがあり、70mの海底から上がってきたのは40cmオーバーの立派なサバだった。

やっぱりライト五目は楽しい

 こんな調子で群れを魚探で探しながら、一気に沈めてガンガン釣り上げる。しばし大サバの強烈なファイトを堪能して、お土産は十分に確保できた。娘は70mのジギングなどは初めてだったけど、ヒットさせては一生懸命リールを巻いている。それでも何尾か釣り上げるとかなり疲れるらしく、休みながら釣り続けていた。小さかったのは最初の1尾だけで、タイミングを見て底の方でヒットさせることができれば、大サバとのファイトを堪能することができた。

 ひと段落して再び岸近くへ戻り、改めてカサゴを狙ってみた。ところが上げ潮も影響して、朝よりもウネリと濁りは強くなっている。テトラや岩場にぶつかっている波は白く砕け散り、とてもカサゴを軽い仕掛けで釣る雰囲気じゃない。それでもいくつか姿を見たけどね。ちょっと時間は早かったけど、カサゴの喰いも濁りの影響が手伝って渋くなっていたから、そのまま沖上がりとした。久々だった初夏のオフショアは、これからのシーズンを期待させてくれた。既に近くまでシイラやカツオも来ているようなので、ライト五目を楽しみながら、本格的な青物の回遊を待ちながら腕を暖めておきたいものだ。