2003.12.22 荒れた海の置き土産

Report by Fumio Noji

ザッバ〜ン!

 南伊豆への取材釣行の後、帰り道の西伊豆が楽しみだった。行きがけにちょっと気になる港を覗いてみると、誰も釣りをしているアングラーがいない。しめしめ・・・と思い近寄ってみると、「ザッバ〜ン!」とものすごい音が・・・。堤防を見ると外海から押し寄せてくる波で、堤防がびしょ濡れになっていた。自宅を出発するときには風も無く静かだったのに、どうやらこっちは荒れていたようだ。外海を覗いてみると、かなりの強風で次々と波が押し寄せてきていた。とても後で寄れる状況には思えず、そそくさとその場を後にした。

 心配なのはこの後に予定しているエリアでの取材だ。到着してみると、こちらもやはり強風で凄いことになっていた。しかし釣りのできる場所もあり、こちらは順調に取材を終了。夕食をお店で食べながら、この後はどうするかを打ち合わせ。相変わらず風は吹いているものの、潮位はかなり下がっているはず。ひょっとしたらとう思いが頭をよぎり、とりあえず行きがけに覗いた場所をチェックしてみることにした。到着してみると、なんと岩場に人が歩いている。海を見るとかなり静かになっていて、潮位もかなり低くなっていた。ウネリが出ていたわけではなく、表層だけが荒れていたようだ。これなら釣果を出すことができるかもしれない。


メバル凪ぎ

 さっそくタックルを持ち出して、堤防先端へと向かった。足元は澄んでいて、とくに何も見えない。やはりあれだけ荒れてしまうと難しいのか。そう考えながら、念のため外海側のチェックを始めた。すると常夜灯の下に何か泳いでいる姿が見えた。時々水面の何かを捕食している。さっそくそこにジグヘッドリグを着水させて、そのままフォールさせた。50cmほどカーブフォールさせてからリーリングを開始すると、すぐに真下へ突っ込む重量感のある引き込みがきた。足場が高いので、3ポンドラインでの抜き上げがちょっとばかり不安。しかし一気に抜き上げることに成功した。堤防に横たわったその魚は、24cmのでっぷりしたメバルだった。

 メバル凪ぎという言葉があるけれど、さっきまでの荒れていた海の後に、予想外のナギがやってきていた。荒れている状況だと予想もしなかったようなことが、凪ぎの海には起きていた。続けて同じ場所をチェックすると、またもや同じようなサイズのメバルがヒットしてきた。いったいどうなっているのだろう。やっぱりこれは、荒れた後の海からの置き土産なのだろうか。あまりにもうまく行き過ぎているので、ここでの釣りをそのまま終えることにした。


ヒットが連発


 まだ時間も早かったので、そのまま西伊豆の北上をしながら、荒れても影響の出にくい場所をチェックすることにした。さきほどの状況から推察して、荒れていて外海から入り込んでいる魚が、ひょっとしたら入れ食いに・・・な〜んて甘い考えを持っての寄り道だ。釣り場へ到着すると、潮位が下がりすぎて海底まで澄んで見えている。しかしカケ上がりの向こう側は、いい感じで見えにくくなっていた。ここに集まっていればしめたもの。さっそく狙ってみることにした。

 すると予想通り・・・というか、ファーストキャストからマアジのヒットが連発、そしてメバルやカサゴも面白いようにヒットしてくる。いったいどうなってしまったのだろう・・・この海は。そこそこのサイズがビシバシとヒットしてくるので、とりあえず下げ止まりまで存分に楽しませてもらった。干潮で潮が止まってしまうと、予想通りアタリがピッタリと止まってしまった。こんなことも経験できてしまうのだから、とにかく通ってみることが一番なのだと改めて感じさせられた。他の場所も探っていこうと思っていたんだけど、十分印満足できたので終了。やっぱりライトルアーって楽しいねぇ〜!(^^)