2003.12.27 何なんだ、この入れ食いは!

Report by Fumio Noji

H君の初チャレンジ

 かねてからH君にライトルアーに連れて行って欲しいと頼まれていた。先日たまたまその話が本決まりになり、12/27の夜に伊豆半島へ出かけることに・・・。小田原を出発したのが夜の9時頃で、明け方に降っていた雪の影響がちょっと心配。それでもタイヤをスタッドレスに履き替えておいたので、それなりに安心して出発した。この時点で小田原の外気温は6℃ほど。そして箱根の頂上付近では、すでにマイナス3℃まで下がっている。西伊豆に到着した頃には、海沿いの平地まで1℃ほどになっている。とにかく寒さを強烈に感じさせられる夜だった。

 今回の狙いは、マアジ、メバル、カサゴの3魚種だ。いずれも同じ場所で狙えるので、何ヶ所かを車で移動しながら釣り歩く予定だ。しかし潮がすでにかなり下げているので、実際の釣果はかなり不安が残っていた。あえて可能性があるとすれば、急激な外気温や水温の低下で、群れが接岸している場所を探り当てることができるかどうか。実際にルアーをキャストするまでは、あるていど釣れない覚悟は決めての釣行だった。そう、ルアーをキャストするまでは・・・。


イワシの近くを探ってみると・・・

 まず最初に向かった場所は、潮が完全に下げきる前に、最も可能性の高そうな場所を攻める作戦だ。ここでの釣り方をH君に説明して、とにかくキャストしてみることにした。タックルはライトロッドに3ポンドのナイロンライン、1gのジグヘッドに、パワーシラス2インチのグローをセットした。すでにこの組み合わせは、ボクのこのエリアでのパイロットになっている。これでチェックをしながら、ほぼ最後までこれだけで通している。逆に言うと、これだけ持っていれば、今回のターゲット3魚種は全てこなすことができる。

 2人で岸壁に立ち、まずはキャスト〜リーリングを繰り返すが、どうも水温低下の影響なのか反応はない。目の前を見ると、小さなイワシの群れが回遊している。今度はそのエリアを探ってみることにした。ひょっとしたらそのイワシに、何らかの魚が寄っているのではないかと期待して・・・。とりあえず遠投してそのイワシの下を通過させると、いきなりロッドが絞り込まれた。海中で銀色に光り輝きながら寄ってきた魚は、紛れもないマアジだった。サイズは20cmほど。どうやらアジの回遊はあるようで、次々とヒットしてくる。H君もボクと同様に、入れ食いを楽しんでいる。同じくらいの数は釣っているのではないだろうか。ちょっと違うのは、彼の場合やたらとカサゴが多い。きっとルアーが沈みすぎているのだろう。カサゴだけしか釣れてないようだ。


ポイントをローテーション


 しばらく釣っていると反応がなくなり、更に沈めて探ってみる。今度はメバルがヒットしてきた。やはりサイズは20cmほどだ。メバルもどんどん釣れて、また反応が悪くなる。更にレンジを下げてボトムをトレースすると、今度はカサゴだらけになってきた。とにかくよく釣れる。信じられないほど釣れ続けた。場所をスレさせない程度に移動して、再びそこへ戻ってくるといいみたい。どの場所でもバリバリと釣れ続けるようになってきた。どうやら魚たちは、この狭いエリアだけを回遊しているようだ。バッチリとツボにはまった釣れっぷりだ。こういった場所では長時間同じ場所でキャストするよりも、反応が悪くなる前にポイントをローテーションすることが効果的だ。

 さすがに干潮の潮止まりになったら、この入れ食いも落ち着いてきた。まだ反応があったけれど、サイズが落ちてきたのでこの場所は終了した。車で近くの別の場所へ移動。そしてここでの攻め方を、再びH君に説明した。ここではヘチに良型のメバルが居ついているはずだけど、さすがに潮が下げて浅くなりすぎている。水深は50cmほどだろうか。仕方なくキャストしてみると、カケ上がりのエッジでルアーをひったくっていく影が見えた。キュンキュンとロッドを絞り込みながら上がってきたのは、なかなかのサイズのメバルだった。H君は相変わらずカサゴを釣っている。そしてついにメバルもヒットした。あとはマアジだけだ。その後はボクもヘチを探り、良型のカサゴをキャッチした。


ライトルアー信者誕生!

 次のポイントは、一気に南伊豆までの大移動だ。ここではアジをH君に釣ってもらいたくて、常夜灯の下を探ってみることにした。ここは風が吹き抜けていて、とにかく寒かった。外気温が1℃なんだけど、体感温度はかなり寒く感じた。しかし頑張ってみたもののアジの反応はなく、H君がちょっとルアーを沈めてみたら、ここでも再びあっさりとカサゴをキャッチした。もう彼は完全にライトルアーの虜になってしまったようだ。ちょっと我慢していると、ようやくH君にマアジがヒット。これで彼も3魚種を全てキャッチだ。ライズが見えたので、表層を狙ったらヒットしたとのこと。ボクも様子を見ていると、水面直下でキラメキが見えた。すぐにキャストしてリーリングすると、すぐにマアジがヒットしてきた。徐々にライズのパシャパシャという音が聞こえてきたのだけど、とにかく寒くてやってられない。

 結局はすぐにすぐに移動して、ちょっとばかり北上した風除けのできる場所へ寄ってみた。ここでもH君はカサゴを釣っている。ここでヒットしたカサゴは24cm。なかなかのサイズに彼も大満足だ。この後も別の場所に寄ってみたけれど、とにかく寒くなってきた。とてもじゃないけど、すでにこれだけ釣っているので、無理して釣りを続けなくてもいいだろうということになり、楽しかったナイトゲームを終わりにした。とにかくライトルアー始めての彼にとって、繊細さと強烈な引き、そして夜の寒さ(帰りの箱根頂上付近はマイナス7℃にまで下がっていた)など、様々な体験ができたようだ。ここまでヒットが続くのも珍しく、彼もいたく感激していた。これでまた1人、ライトルアー信者が誕生した!(^^)