2004.04.07 早川でイワナが!

Report by Fumio Noji

林道を走っていけば20分

 久々に友人からの声がかかり、箱根の宮城野にある早川マス釣り場の周辺でルアーを投げようという話しになった。毎年マス釣り場で放流しての大会があるので、そのこぼれを下流中心に攻めてあやかろうというもの。声をかけてくれた友人は、arcadia.cup.com 管理者でもあり、ライターとしても活躍中の近藤さん。かねてからの予定していた通り、午後からのノンビリ出発での釣行だ。小田原のボクの自宅からは、林道を走っていけば20分ほどで宮城野まで到着する。最近はキレイに舗装されているので、かなり安心して楽に走ることができる。

 現地に到着すると、近藤さんは既にウエーダーまで履いて準備万端。ボクも駐車場へ車を入れて、花見の観光客の中で身支度を整える。準備ができたら駐車場の隣にある事務所で、日釣り900円の早川河川入漁券を購入した。さっそく近藤さんの案内で、花見客の列に混じりながら川へと向かう。川を覗いてみた印象としては、とにかく水が白っぽく濁っていること。温泉が流れ出しているので水温が安定しているのだけれど、その成分による濁りが出てしまっているとのこと。そういえば昔から白濁していたことを思い出す。まあ昼間でも警戒心が薄れてくれるから、そういった面では気楽に釣りができるのかもしれない。


バラシの連続・・・

 最初に降りた場所は、川にかかった小さな橋の下流だ。ダウンクロスでキャストして、手前に引いてくるようなポジションだ。右岸の上流にポジションを構えて、左岸の方へとミノーをキャストした。最初は反応なし。次に流芯から右岸にかけてを引いてくると、どうやら底が深くなっているようで、さっそくの反応があった。フッキングさせると、ちょっとブラウンのような色をした魚体。まあブラウンはいないだろうと思っていたら、あっさりと首を振られてバラシてしまった。続けざまにヒットしたけれど、ちょっと小型のニジマスで同じようにバラシ。

 そして次に狙ったポイントは、その橋の上流側にある堰堤の下だ。雨の影響なのか、水量は十分なほどある。増水気味だと近藤さんは話していた。まずはヘチのタルミを狙うと、あっさり小型のニジマスがヒット。ところがこれもバラシ。次に流芯の深場を狙うと、またもやあっさりとヒット。これはかなりの手応えだった。50cm近くありそうなファイトを見せてくれた。徐々に寄せてくると、何とこれまたスポッと抜けてしまった。なんかおかしな手応えだったのでルアーを回収してみると、ルアーのフックにはヤマメ針のついたハリスが絡まっていた。どうやらエサ師がブレイクした仕掛けにルアーが絡んだようだ。どうも今日はバラシづいてしまっている。


いないはずのイワナがヒット!

 次はさらに下流へ移動して、水の流れがほとんどないプールを攻めることにした。水深が極端に浅く流れもないため、スレるのがかなり早い場所らしい。ここではあっさりとサイトフィッシングで、追ってくる小型のニジマス2尾をキャッチできた。小さな魚もかなり見えており、近藤さんに聞くとハヤらしい。ところが群れで追ってくる魚を見ると、ちょっと雰囲気が違う。何度か狙ってヒットさせると、10cm以上あるボッテリとして大型のアブラハヤだった。その後も反応が面白く狙い続け、アブラハヤを堪能してしまった(^^;

 その後はマス釣り場の下流にある、900円の入漁券で釣りができる堰堤を順番に探っていった。すると次にヒットしたのは、どうも魚体がスリムで首を振っている。キャッチしてみると、水溜りに横たわった魚はなんとイワナだった。ここにはイワナは放流してないらしい。近藤さんも驚いていた。まあ管理釣り場にはよくある話で、ニジマスに混じっていたのが、そのまま下流に流れ落ちてきたのだろう。しかしイワナという魚は、養殖モノでもヒレがピ〜ンとしていて、いつ見てもホントにキレイだ。岩に隠れている天然物は尾ビレの上側が削れるけれど、ここの魚は身を潜めることをしないようで、ヒレはすべてキレイに伸びきっている。

待ってくれ〜

 徐々に調子付いてきて、その後はいくつかの堰堤で、ニジマスのキャッチ&リリースを繰り返した。大型は出なかったけれど、ほとんどが30cm前後のキレイな魚体だった。最後に下流へ再び戻り、取り入れ口の流れ出し周辺を狙ってみた。近藤さんは河原へ降りて釣っていたけれど、ボクは護岸の上で見学。水面までは5mほどだろうか。何度か近藤さんのルアーに反応しているニジマスの姿が見えるけれど、どうもフッキングまでは至らない。こちらで「アッ!」と声を出してから、ロッドにアタリが出るようなタイミングだったらしい。そこで一部始終が目で見えている護岸の上から、ロングビルミノーをキャストしてみた。するとジャークにあっさりと40cm級がヒット。足場が高いのでどうしようかと考えていたら、すぐに外れてしまった。そして再び別のニジマスがバイトしたけれど、完全なフッキングまでには至らなかった。

 しばらく近藤さんの釣りを見学してから、再びキャストしてみた。すると今度はあっさりとフッキングして、下にいる近藤さんに向かって「任せた!」と叫ぶ。近藤さんはネットを持って水際へ移動してくれたけど、流れに乗ってしまい、流れ出しへと魚が引き込まれてしまった。「待ってくれ〜」と叫びリトルトゥイッチのパワーを信じてためると、何とかそこで止まってくれた。強引に浮かせると、今度は上流へ向かって泳ぎだしてくれた。チャンスとばかりに護岸を駆け下りて、本来の水際でのファイトに切り替えた。一気に寄せてランディングしたのは、やっぱりヒレのキレイなニジマスだった。そっとリリースして、この日の釣りを終了した。そこそこににじますの数釣りも楽しめたし、キレイなイワナにも出会うことができた。誘ってくれた近藤さんに感謝しつつ、宮城野の早川を後にした。