2010.12.10〜11  東北の底力(ボツ直前からの大逆転編)


Report by  KO


狙いはズバリ40cmオーバー

 前回のレポートのスタッドレスタイヤという言葉で勘のいい人はピンと来たかもしれませんね。そう、前回のスタッドレスタイヤは今回のための布石だったんです。兄がもう1度東北に行きたいということで金・土曜日で行くことにし、寒いのは分かっていますがこの時期に行ってみました。でも、水温は12〜14℃台。前半戦のピークといっても良さそうな感じです。狙いはズバリ40cmオーバーのアイナメ。最低でも30cm台後半が釣れなければ今回のレポートはボツです。と、いうことは・・・まぁ、読んでみて下さい(^^;

 9日の22時半頃に出発。九戸I.Cまで高速だけで600kmを走り、その後久慈まで40kmほど。7時間半ぐらいかけて海に着いた時には6時を過ぎており、だいぶ明るくなっていた。そのまま南下して実績ポイントへ向かう。が、ポイントへ向かう途中、海を見るとかなり波が高いのが分かる。私達の実績ポイントは外海向きばかりなので、これでポイントに入れるだろうかと不安がよぎる。

 波予報では3mのち2.5mだったので気にはなっていたのだが、ポイントに着くと波が高く、とても入れる雰囲気ではない。最初のポイントは諦め次に行く。次のポイントは比較的波が入りにくいポイントなのだがやはり波は高め。とりあえずやってみたが、シャローなのでうねりがあると厳しい。すぐに退散。前回見つけたポイントもこれでは無理。仕方なく宮古方面に向かう。

 実のところここまでに40cmが1本、30cmが2本ぐらいは獲れてるんじゃないかと思ってました。とんだ皮算用ですが、東北はそれだけの可能性がある所なんです。しかも水温的にもベストに近いというわけでかなり期待していたんですが・・・がっかりでした。

 途中、鵜ノ巣断崖という絶壁の景勝地に寄ってみる。展望台に立つと足がすくむほどの高さだが、やはり気になるのはうねりの状況。やはりどこもうねりが当たっていて外海向きは釣りになりそうもない。内側のポイントを探す。

やばい、寝過ごした!

 次に行ったのは河口を利用して造られた港。ここは外海向きだが港口からは距離があるので、できないことはない。とりあえずやってみる。それでもうねりは入ってくるし、流れは強いしで厳しいと思っていると兄が29cmのカジカを釣った。この魚は真夏の港内奥で釣れるかと思えば初冬の波打ち際で釣れたリと、いまいちパターンの分からない魚だ。もちろんメインは冬だろうけど。その後は出なかったので14時にアラームをセットして仮眠をとることにした。

 ふと起きてまだアラームは鳴らないのかなと時計を見ると15時前。やばい、寝過ごした! ここから先のポイントまでは1時間ちょっとかかるので、釣りをするにしても暗くなるまであまり時間が無い。急いで支度して内湾の港に向かう。

 ポイントに着くとだいぶ暗くなっていてちょっと厳しいか? 一応やってみるが、やはり結構うねりも入っていて、私の方はアタリも無く終了してしまった。でも、兄には1度アタリがあり、結構良さそうなサイズをバラシたとのことだった。本来ならもう1カ所やるのだが暗くてもう無理。うねりでできる所が限られているのにこのミスは痛い。仕方なくクロソイのポイントに向かう。

夕食は定番のラーメン

 ここは良型のクロソイとオウゴンムラソイが釣れる所だ。まず岸壁脇のサーフを狙うとすぐ20cmほどのクロソイが来た。続いて岸壁のヘチをスイミングで狙うとググンと引き込む。結構いい引きをしたのでちょっと期待したが、釣れたのは27cmのクロソイ。ちょっと残念だがこのサイズならよしとしよう。兄が同じ場所をやると3匹釣れたがいずれも小型だった。その後もチェイスしたりと反応はあったが、少しスレているようなので次へ。

 次のポイントは常夜灯が全部消えていたのでパス。次は夜はあまりやってない港。堤防の付け根に常夜灯があるのでやってみる。まず表層付近をスイミングで狙うが反応なし。次はヘチの底をリフト&フォールで狙うとおチビさんがよく相手をしてくれたが、サイズは出そうもないので移動。

 次に向かったのは常夜灯は無いが、岸壁から先にある岩を狙うと良型が出そうなポイント。しかし、そこには先行者が。諦めて引き返し、途中にあった親水公園で22cmを1匹追加。次は常夜灯下で隠れ根を狙う港に向かったが、こちらも常夜灯下には先行者が。諦めて宮古近郊の以前実績のあるポイントに向かったが、こちらは濁りがあって反応なし。一旦終了して夕食を食べに市街に向かう。

 夕食は定番のラーメンを食べて時間を見ると21時過ぎ。ここで終了しても良かったが、一応イカポイントを見ておくことにして行ってみる。ヤリイカは今シーズン全然情報が入っていないので期待はしていなかったが、到着すると5個の常夜灯下はがら空き状態。それでも先端の常夜灯下には3人ほど人がいてイカ狙いのようだ。下にも少しスミ跡があるのでやってみる。

 カウントダウン5〜10で中層を探っていると開始して10分ほどで私にアタリ。が、のらず。少しして表層付近で兄にヒット。釣れたのは青森の方ではテクビイカといわれる・・・つまりヒイカ。先週ベイエリアでほとんど釣る間も無く終わってしまったからって、こんなところで釣れなくても・・・(^^; でも、釣れないよりははるかにまし。ヒイカなら底でいいのでは?と底を狙うと私にも1杯。続いて兄にも1杯。この後は兄がヒイカサイズのミニスミイカを3杯釣って終了。23時半ぐらいになっていたので道の駅に移動して就寝。

ここのアイナメはスレてない

 翌日は6時半ぐらいに起き最初の港の脇にある地磯へ。しかし、先行者が。手前で少しやってから半島を横断して良さそうな所へ行ってみる。そこはサーフで両側が岩場で面白そうだが相変わらず波が高く釣りにならない。今日の予報は2mのち1.5mのはずじゃ・・・。仕方なくまた移動。

 次は国道脇の駐車スペースから降りていける地磯。ここは広大な磯で穏やかな磯が続いている。が、やはり波が高く、その分波が這いあがって来てしまうので遠くからしかできず、結局反応なし。波が無ければかなり期待ができそうなポイントだ。次は前回キツネメバルを釣った釜石周辺の港へ。

 港に着くと南風が結構強くなっていて肌寒いが、この時期にしては暖かい方だ。まず、港外のヘチを探るが反応なし。港内のヘチにはカキ殻周辺にアナハゼがたくさんいたのでこれと遊ぶ。すると数は多くはないがたまに小型のアイナメが出て来て楽しませてくれた。サイズは18〜20cmながらここのアイナメはスレてないようですぐ食って来る。ま、岩手でこのサイズを狙う人はいないのかな(^^;

 一応小物達に癒してもらったが、やはり狙いは大型アイナメなので満足できない。次は島を堤防でつないだポイントでやってみるが反応なし。この先に予定していたポイントもおそらくうねりでダメ・・・。予定を変更して前回サバが釣れた港へ行ってみるが、サバ狙いの人はいない。ではイカはどうかとスミ跡を見てみるが、多少は釣れているようだが、それほどいいという感じでもない。

 実は昨日の夜あまり寝つけず、結局2時間半ほどしか寝られなかったので気力が出ない。もはや万策尽きたという感じでこのまま終了とする事にし、昼食にまたラーメンを食べて14時頃に釜石を後にする。途中給油と洗車を済まし、まだ運転できるという兄に任せてまずは下道で帰ることにし、私は静かに眠りに落ちていった。頭の中で1つの言葉がリフレインする。「今回のレポートはボツだぁぁぁ・・・」

ドアの外に・・・

 「ホラ!」「ふ、ん・・・?」突然の声に起こされる。と、ドアの外に兄が立っていた。手には大きいアイナメをぶら下げて! これは夢? 状況が飲み込めず、兄に話を聞くと、帰る途中、看板にあった地名が気になってふとハンドルを切ったらここに到着し、道路脇の岩場が良さそうだからダメもとでやってみたら岩場周辺の岩棚から出たそうだ。測ると43cmあった。

 寝ぼけ眼でよく見てみると道路脇に岩場があり、すぐ先には港がある。まあ、なんてお手軽な!「車を降りたら5分でアイナメ」みたいなポイントだ。兄が釣った岩場の隣にも岩場があり、岩棚が続いていてそこならまだ出そうだからやってみたらとのことだった。もう16時近くなっていたので、とりあえず急いで支度して岩場に降りる。

 岩場の先端に立って兄が釣った岩場に向かって岩棚をトレース。底を取ってからボトムバンピングして来ると途中でコ、コ、コ、コとアイナメ特有のアタリ。少し待って重みがのってからアワセる! スカ。これでのらないか〜。気を取り直して次のアタリを待つが追って来るアタリは出ず。その後は全くアタらなかった。

 ここでは大型狙いでバグアンツ3インチのブラッディーレッド・ブラックフレークを使っていたが、別の色のワームを使っている兄と場所を替わり私は手前の岩周りを探る。が、反応なし。ふと足元を見るとエラコの殻がたくさん落ちている。エラコは東北ではアイナメの特効エサといわれている。ということは、エサ釣り師はここから正面を狙っているようだ。とりあえず正面に投げて隠れ根を探ってみる

自己記録更新!

 第1投目。底を取ってからボトムバンプして来る。が、根はあまりないようだ。手前まで来て岩場のブレイクに差しかかった辺りでまたコ、コ、コ、コ、とアイナメ特有のアタリ。今度は食い込むまでしばらく待つ。と、一旦放してしまった。ダメか・・・と思った時、今度はカン、カン、カンと竿先が叩かれるアタリが出た。ここできいてみると重みがのっているのでそのままアワセる。今度はのった!それほど重くはないが結構いい引き。タモは用意していたものの、それほど大きくはなかったのでそのまま抜き上げる。測ってみると36cmあった。

 兄に比べると地味だが一応自己記録更新だ(^^; 次のキャストでも同じ場所で同じようにアタリ。今度も食い込むまで待ったが食い込む前に放してしまった。その後またアタったものの、待たずにアワセるとのらず。その後はアタらなくなってしまった。やっぱり場所が場所だけに結構スレてるのかな? 間もなく暗くなってきたのでアイナメは終了。その先の港で少しクロソイと遊んでから今回の釣りを終了とした。

 今回は南風が吹いたために東北のこの時期としては暖かくて過ごしやすかったのですが、最初、波で実績ポイントで釣りができない時はどうしようかと思いました。これでは開拓も難しそうでしたし。最後のポイントは、なぜ、こんな一級ポイントが土曜の夕方にあいていたのかは分かりませんが、南風が強く夕方だったからでしょうか・・・。それでも初めての場所で良型が2本獲れたので、だいぶアイナメの狙い方が分かって来た気もします。来年行ったら、もっと皮算用して行っちゃうでしょうね〜(^^;