2024.11.17  ずぶ濡れエギング

Report by  T-Ya


満月のサーフへ

 秋も終わりに近づき、そろそろいいサイズのアオリイカが釣れる頃。満月の週末なので四国南東部のサーフへエギングに行くことにした。土曜日は雨だったのでやむなく日曜日の釣行。天候は曇りで風も問題なし。ウネリが少し残っているのが気になるところだが、現地に行ってみないと分からないので何とかなるだろうと前向きに(都合良く?)考えて出発した。

 日没前に現地について山を降りて行くと、波の音がとても大きく聞こえる。ドキドキしながらサーフが見える所まで降りてくると、ラッキー、打ち寄せる波はそれほど大きくなくて十分にエギングが出来そうだ。

第二の関門で

 そこからサーフにたどり着くには2つの関門がある。1つ目はロープを使って降りる急斜面。以前から誰かが設置したロープがあるが、古くて信用できないので自前のロープを持参している。ロープを木に巻き付けてそろそろと下る。前日の雨で土が湿っていたので降りやすかった。

 続いては2つ目の関門、水際の崖だ。潮が引いている時には崖下を普通に歩けるのだが、満潮時には平らなところが殆ど水没する。水面近くのわずかな岩の出っ張りに足を掛け、崖にしがみつくようにして横に移動する。足元を波が洗うが、ヒップウェーダーを履いていれば問題ない。

 しかしこの日は少し波が高かった。左足を少し低い岩に乗せた時に運悪く大きな波が来て左足が水没。なんとか関門を通り抜けてサーフに到着したものの、ウェーダーに海水がタップリ入ってズボンも靴下もグチョグチョに(泣)。久しぶりにやってしまった。

 釣り開始前にすっかり意気消沈したが、防寒用のズボンを持ってきていたので履き替え、靴下も水滴が出なくなるまで絞る。これで何とか快適とまでは行かないものの、濡れているのが気にならない程度にはなった。

釣りを開始するも

 暗くなってエギング開始。分厚い雲があって月明かりは期待できそうにない。しばらくしゃくっていると小雨が降ってきた。これぐらいなら大丈夫と思っていたらだんだん強くなってきて本降りに。慌ててレインウェアを取り出す。雨は降らないはずなのに変だな~と思いつつ、そのうち止むだろうとしゃくり続ける。

 雨の勢いは変わらない一方、安物のレインウェアなので肩のあたりが浸水して冷たくなってきた。このまま続けると全身ずぶ濡れになってしまう。ムムムこれは大ピンチ、撤収は嫌だな~と焦って色々考えていると、サーフの端にほら穴があったような気がする・・・。気がするだけかも知れないが、とりあえずサーフの端の崖下に行く。

 すると、おぉ、あった! ほら穴というほどの深さは無いが、奥行き2メートルぐらいの窪みがあって雨は全く入って来ない。お~、助かった~、ヤレヤレと岩に腰掛けて休憩。雨雲レーダーで今後の具合を調べると30分後ぐらいに一旦止んで、またすぐに少し降りそう。それをしのげば雨は上がるようだ。アタフタしたのでやや放心状態で30分を過ごし、予報通りに雨が上がったので気を取り直して釣りを再開する。
 すると押さえるようなアタリがあって、アワセるとヒット! 引きは弱いが確かにイカの引き。しかしすぐにバレてしまった。それでもイカが居ることが分かったので気合を入れて続けていると、またアタリを捉えてヒット。バレるなよ~と祈りながらリールを巻くが、なかなか水面に浮いてこない。変だと思ってライトを点けるとイカはすでに近くに寄っていて、ゲソ一本で掛かっている状態。

 アッと思った次の瞬間に外れてバラシ・・・。目の前で悪夢だと思っていたら、うまい具合に大きな波が来てイカが打ち上げられた。足でブロックして確保成功(汗)。500g弱のアオリイカだった。時合いのようなのですぐにまたキャストを開始するが、予報通りに再度の雨。またほら穴で雨宿りし、また雨が上がったところで釣りを再々開。雲が薄くなって周囲が少し明るくなり、レインウェアも脱いで快適なのだが、アタリが無い。時合いに雨で中断したのが恨めしいが、時間が来たので終了することにした。

 不運と幸運が入り混じったような釣りで、何とか一杯釣れたのは喜ぶべきなのか。ここ何回かジタバタする釣行が続いているので、もうちょっとじっくりと落ち着いてアタリを待つような釣りがしたいものだ。