このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
1999/04/22号 に掲載された記事です

早春のサーフでソゲと戯れよう!!

 皆さ〜ん、こんにちは〜。いよいよ本誌にも、ボクの連載記事を掲載する事になったんだよ。色々なメディアでボクの記事を読んでいるアングラーもいると思うけど、始めての方のために、簡単な自己紹介をしておきますね。

 ボクは、神奈川県の小田原というところに住んでるんだ。海のライトタックルルアーを提唱し続けて、今ではたくさんのルアーマンが、お手軽ライトタックルを片手にフィールドを飛びまわってるよね。

 ボクが始めた頃は、「そんなチマチマした釣りなんて流行らないよ!」な〜んて言われたけれど、今となっては空前の大ブームと言えるんじゃないかな。数年前に某誌で特集した、西伊豆メッキロードを読んで、ライトルアーを始めた人も多いと聞いて、個人的にはうんと喜んでいるんです。

 ボクにはもうひとつ顔があって、DUELというメーカーのプロスタッフもやってます。アイルマグネットというルアーを知っているかな。そういった最近のDUELブランドのルアー開発などを手掛けてきてるんですよ。チャンスがあったら、そんな裏話でもできればなぁと思っています。

 さ〜て、前置きが長くなっちゃったけど、早速連載第1回目の話しを始めようか。これから毎号、本誌の発売されるタイミングに合わせて、ちょうどピッタリの内容を紹介していくよ。ボクの一番得意な場所は伊豆半島だから、その方面で釣りをする人にとって、釣りのジャンルにかかわらず参考になると思うよ。だって、季節を合わせて原稿を書くんだから、ルアーでもエサでも釣れる魚は同じなんだよね。

 さて、記念すべき最初のテーマは「早春のサーフでソゲと戯れよう!」だ。ボク達は一般的に、40cmくらいまでのヒラメのことをソゲと呼んでいる。大きなヒラメが釣れるに越した事はないんだけど、なかなか一発大物だけを求めてルアーをキャストし続けるってのは、ホントに根気のいる釣りだと思う。条件を知っていれば、そこそこに良い結果を出せるんだけどね。

 まあ、あんまり堅苦しく考えないで、釣れる魚は積極的に釣ってみようってつもりでフィールドへ出掛けて見ようよ。ルアーをキャストしなけりゃ、魚は絶対にヒットしてくれないんだから。

 でも、できる事ならリリースを前提で楽しんでね。小さな魚を釣るなとは言わないけど、気分転換に友達と遊ぶような感覚でやってみて欲しい。だから、釣れても魚体には触れないで、プライヤでフックを優しく外してあげてね。きっと大きくなって、キミに再び会いに来てくれるよ!

 さて、ポイントの見極め方を簡単に話しておこう。最も見つけやすいのは、小河川の流れ込み。伊豆半島にはたくさんの小河川が、波の静かなサーフに流れ込んでいる。こういった場所にはベイトフィッシュが集まる要素を持っていて、ソゲは捕食目的で集まってくる。

 波打ち際のすぐ裏側にできる、ブレイクラインも狙い目だ。遠浅のサーフでも、波裏には適度なカケ上がりができているもの。そのカケ上がりの向こう側に、エサを待って潜んでいるんだ。だから、むやみにウェーディングすると、せっかくのチャンスを捨ててしまう事にも成りかねない。満潮時は特に注意して、干潮時にはウェーディングでチャンスを増やすのが正解だろう。

 それから、みんなに攻め続けられたポイントでは、いわゆる人的プレッシャーが高くなる。そうなると一般的なポイントでは反応しないだろう。海が荒れかけている時も同じような現象が起きる。

 そんな時に狙ってみたいのが、普段狙っているポイントの近くにある岩礁帯だ。海底に大きな根が沈んでいるだけでも良い。身を潜める行動を取るのは、ソゲも人間も同じと言う事だね。魚の立場になって考えれば、ポイントって簡単に見つけられるものなんだよ。

 タックルは、本格的なサーフを攻めるのでなければ、バスロッドやトラウトロッドでも十分通用する。でも、40cm以上のヒラメサイズが混じる場所では、それなりにシーバスタックルを準備した方が良いね。ここで紹介しているようなポイントだったら、前記のライトタックルで十分なんだよ。

 さて、狙いは定まった。あとは釣ってみるだけだ。時間帯は朝マヅメがダントツに飛びぬけている。空が白み始める頃に、潮が下げ始めていれば最高の条件だ。ソゲはすぐ目の前にいるはずだ。まとまって釣れる場所はだいたい決まっているから、その日に反応のあった場所を集中的に狙って見ると効率的だ。

 そして、ポイントを見つけたら、許される限り斜めにキャストしてみる事だ。つまり、群れは同じカケ上がりに沿って動いている可能性が高いから、少しでも長い時間を見せておく必要があるからなんだ。ごく標準的なサーフでは、波打ち際で引き波を利用して泳がせるテクニックが使われるでしょ。波のほとんど無いサーフだと、それが上手く使えないんだよね。だからリトリーブコースを斜めに取る事で、アピール度を増すように配慮するんだよ。

 ルアーの動かし方は、それほど難しく考える必要は無い。ただ、遠浅のサーフでは、下から浮き上がってバイトすると言うよりも、通過したルアーを慌てて追いかけて、後方からパクリとやるケースが多いみたいだね。だから、ミノーではテール側のフックにフッキングする事が多いのが特徴だね。

 とにかく大切なのは、食わせる間を与えてやる事なんだ。トゥイッチングで目立たせてリトリーブでミノーを逃がしたら、一瞬だけフッと止めてやることが、ソゲにとっての食わせの間になる事を覚えてね。それが上手くできるようになったら、ソゲを卒業してヒラメを狙おうね!


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