このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
1999/07/13号 に掲載された記事です

オフショアでカマスに挑戦だ!!
 前号に引き続き、今回も楽しいオフショアのルアーを紹介しちゃおうね。初夏が近づいてくると、沖の方が徐々に気になってくるでしょ。もちろんシイラやカツオたちが接岸する季節だから。でも、その前に釣っておかなきゃいけないターゲットがいるんだよ。

 陸っぱりのルアーで良く知られているカマスが、今回のターゲットだよ。カマスって魚は、関東近辺で釣れるのは3種類ほどいるんだ。みんなは全部知ってるかな?

 みんなに馴染みの深いカマスは、アカカマスとヤマトカマスの2種類で、年によってはオニカマス(バラクーダ)が混じって釣れるんだ。オニカマスは横に置いといて、アカカマスとヤマトカマスについて話しておこうね。

 まずはアカカマスだけど、今頃の時期に釣れるエンピツサイズの種類がアカカマスなんだ。これが徐々に大きくなって、船で釣る対象になるんだよ。もちろん釣っているとヤマトカマスも混じるけど、ヤマトカマスが多くなるのは、秋から冬に掛けてだって思っていれば良いよ。

 初夏から船で釣れている2530cm級のがアカカマスで、別名は油カマスとも呼ばれている。食べて美味しいのはこっちだね。ヤマトカマスは、伊豆半島の場合、秋から冬にかけて多くなってくる。

 アカカマスよりも大きくならないんだけど、それでも30cmくらいのは釣れるんだ。どっちかって言うと、美味しさの面ではヤマトカマスは落ちると言うのがボクの感想なんだ。ちなみにヤマトカマスは水カマスとも呼ばれているよ。名前を見ても、油カマスと水カマスじゃあ、油カマスの方が美味しそうだよね。

 前回カサゴで紹介した福浦港だけど、この地域では古くからタグリと呼ばれるバケを使ったカマス漁(釣り)が行なわれているんだ。まるせ丸では、カマス狙いでもルアー船を出してくれているんだ。水深15mくらいを中心に、魚探の反応を見ながら釣っていく。

 群れの活性が高まると、時には水面が辺り一面カマスのライズになる事だってある。通常はメタルジグを使って釣るんだけど、水面に浮いてきたらマイクロミノーでも釣れちゃう。カマスと一緒に、アングラーの方も活性が高くなっちゃうんだ。

 タックルは、これまた手軽なトラウトタックルが使いやすいんだよ。バーチカルシェイキングって呼んでるボクの得意なテクニックがあるんだけど、これをやるならロッドがジグの重さにちょっと負けてるくらいがちょうど良い。管理釣り場で使っているような、渓流用のトラウトロッドがあればOKなんだよ。

 リールには、感度重視のPEラインを奮発して使っちゃおう。よく言われる「ノー感じ」のナイロンラインだと、自分でも気付かないうちにカマスの歯で切られている事もあるんだ。特にフォールでジグの頭が下がりすぎちゃうと、あっけなくブレイクしちゃうから注意しよう。そのためにも感度の良いPEラインが必要になるんだ。

 たまに感度だけならフロロで良いって言う人もいるけど、それは間違ってるんだよ。バーチカルの釣りってのは、多かれ少なかれ潮流の影響を受けるでしょ。船は潮に乗せて流しながら釣るんだから、少しでもラインの抵抗は少ない方が良いんだよ。だから同じ強さでも強度で比較して細くできるPEラインが、現状では絶対的に有利なのは間違いない事実なんだ。

 ちなみに、ボクたちが使っているPE5ポンド。一般的には10ポンドまでしか扱ってないけど、輸入品でスパイダーワイヤーなどに細いのが揃っているよ。強度や耐久性、それに糸サバキといった扱いやすさの面でも、かなりの高水準ラインなんだ。

 あと忘れてならないのがリーダーだよ。いかにカマスと言えども、PE直結だと極端にバイトが減っちゃうんだ。それにPEはキズには弱いからね。だからリーダーにはフロロの12ポンドを使っている。フロロなら多少傷付いても、ナイロンみたいに一気に切れる事は少ないからね。これは、自分で使ってみれば本当に良く分かるよ。

 メタルジグは7〜12gが標準で、重いジグは向いてないんだ。ジグが重いと、それだけラインに掛かるテンションは高くなるでしょ。だからカマスの歯が触れただけでもスパッと切れちゃうんだよ。軽ければ、それなりにキズが付くだけで助かる事もあるって覚えておこうね。

 カラーは基本的にブルーだけでOKだよ。特に、ホログラムやレーザーシートなんかで、キラキラ反射で光って見えるヤツがベストだね。カマスってカラスみたいなヤツで、光モノには目がないみたいだよね。潮が濁っている日はあまり口を使わないから、まずはこのカラーを持ってればそこそこは釣れるんだ。

 ちなみに、濁り気味の潮でも釣らなきゃならない時は、パールやグローを使うと効果的だから、念のためルアーBOXに入れておくと良いかもね。でも、自分だけ…な〜んて思ってたら、そんな時に限って潮が澄んでるかも…。

 テクニックは、イラストを参考にしてね。リールを巻きながら小刻みなシェイクのできる人はバーチカルシェイキングだ。ギクシャクして上手く操作することができない人は、フォールタイプのジグを使って、メリハリのあるリフト&フォールで攻略してみよう。但し、フォールでラインを弛ませすぎると、カマスの歯であっさりとラインを切られちゃうからね!

 それから、カマスの口って意外と硬いんだよ。だから、ちゃんとフッキングさせたつもりでも、抜き上げるときに外れちゃったりすることもあるから、フックは細軸のものをお薦めするね。カマス自身が軽い魚だから、アワセても一緒に動いてきちゃって、ちゃんとフックが貫通してくれない事があるんだよ。

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