このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
1999/07/29号 に掲載された記事です

手漕ぎボートでジンドウイカを釣ってみよう!!
 みんなは夏のイカ釣りってやった事あるかな。夏に釣りやすいイカって言われたら、どんなイカを思い浮かべるかな?

 1年を通して最も人気のあるイカって言ったら、アオリイカがやっぱり一番かなぁ。たしかにボクもそう思うよ。でも、ルアーマンが狙って釣れるイカは、他にもたくさんの種類がいるよね。スミイカなんかも人気があるね。

 今回は、オフショアでも手軽に楽しむ事のできるイカを紹介してみようね。さてさて、手軽なオフショアって言ったら、やっぱり手漕ぎボートだ。手前船頭だから、自分の責任でポイントを探して釣る。釣れなかったからって、人のせいにはできないよね。

 でも、手漕ぎボートには、ナントも言えない開放感がある。まだまだ手漕ぎボートのアングラーは少ないし、ボートの数だって限られているでしょ。だからポイントがボートでいっぱいになるなんて事は、滅多にない。それだけに、自分の狙っているターゲットを確実にキャッチできる、可能性の高さを秘めているのが手漕ぎボートでもあるんだ。

 暑い夏の間でもボートを頑張って漕げば、必然的に結果はついてくる。暑いからって釣りに行かなけりゃ、釣れるものも釣れないよ!

 今回紹介するのは、ジンドウイカだよ。沼津方面では有名なイカで、相模湾で言うマルイカと同じ種類のイカのように思える。ちゃんと比較した事がないからハッキリとは言えないけどね。誰か正しい比較結果を知っている人が居たら、是非編集部へ教えてちょうだいね。

 このジンドウイカは、ナイトゲームで堤防などからでも釣れるし、昼間は手漕ぎボートで簡単に釣れちゃう。ルアーマンにとって、アオリイカやスミイカと並ぶ格好のターゲットって言えるんじゃないかな。特にメタルジグを使ってやれば、意外なほど勝負が早く着いてくれるのも嬉しいね。それだけ活発にルアーへ反応してくれるイカなんだよ。

 ボクのお薦めフィールドは、沼津・古宇と西伊豆・石部だ。いずれもこの時期のジンドウイカは濃く、1日ノンビリとイカ釣りを楽しむにはもってこいのフィールドと思っている。

 この2ヶ所のフィールドには独特な居付きのパターンがあるんだ。古宇はイケスのロープ周りに多く集まっている。水深は20mくらいが、ボクの実績では一番だよ。石部は湾の中央部が深くなっていて、すり鉢状の地形をしている。ここではすり鉢の中心付近に、ジンドウイカが多く集まる傾向があるみたいだね。水深は、ここでも20mくらいが一番良いみたい。

 いずれの場合も、魚探を使って海中の様子をチェックすれば、ひと目でここがポイントだって分かるはずだよ。長めのアンカーロープを準備して回遊を待ってもいいし、風の弱い日だったら、そのまま流し釣りをするのも気持ちいいよ。

 タックルはバスタックルやトラウトタックルがピッタリ。でも柔らかめのロッドを使うのを忘れないでね。ジンドウイカは比較的身切れしにくいけど、無理すれば結果は分かるよね。そのためにも胴に乗ってくれるような柔らかめのロッドが使いやすいね。

 ファイトを楽しむようなターゲットって訳じゃあないから、ちょっと硬めの管理釣り場用トラウトロッドなんかが使いやすいんじゃないかな。あとはスプリットショット用の柔らかいバスロッドでも十分に通用するよ。

 ラインは極力細くしたいから、PEラインをお薦めするよ。どんなに太くても10ポンド、できることなら5ポンドを使いたいね。フォールさせた時のラインスラッグがアタリになる事も多いから、できるだけ感度を重視したいんだよね。それにラインが細ければ、それだけ潮流の影響を受けにくいでしょ。それだけ自分が有利に釣れるって事なんだよ。

 PEラインの先端には、1mのフロロリーダーを付けておこう。メタルジグを中心に使うんだけど、スイベルは使わないで、アイにそのまま直結だよ。スイベルを使うと、それだけジグのシルエットボリュームが大きく見えちゃうから、ベイトが小さい時には不利になっちゃうよ。それにフォールの姿勢も悪くなっちゃうからね。

 メタルジグって、大きく分けると2種類あるのは知ってるよね。真っ直ぐにストンと沈んじゃうバーチカルタイプと、水平に近い姿勢でユラユラ沈む偏平タイプがあるんだ。自分が動かしたいアクションに合わせて、この2種類のジグ形状を使い分けるんだ。

 例えばストレート系のDUELブランカなら、ボトムからチョコチョコ小刻みに動かしながらバーチカルシェイクで誘い上げてくるんだ。追わせて乗せるってやり方なんだよ。

 フォールタイプのジグだったら、今は生産してないけどDUELのスピードジェムがダントツだった。ルアーが勝手に誘ってくれるような感じで、初めての人でも簡単に釣れる実績を持っているんだよ。これはチョンと誘い上げたらユラユラっと沈める。これを繰り返しているだけで、沈んでいく途中でジンドウイカが抱きついてくれる。

 慣れてくれば、ジンドウイカがジグやラインに触れるのが分かるようになって来るんだ。信じられないかもしれないけど、感度の良いバランスタックルってのは、そう言うモノなんだよね。ピシッとアワセちゃっても大丈夫だから、ラインを弛ませないで巻いてこよう。墨にも注意しようね!

 最後にちょっとオマケだよ。たぶんイカを釣りたいって人は、みんな食べるのが目的だよね。それなら釣ったイカは美味しく食べたいのはみんな共通でしょ。絶対に忘れちゃならないのは、真水に漬け込まない事と、できる事ならイカ同士が触れないように注意する事かな!

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