たまにはオフショアのシイラでも |
みんながこれを読む頃は、シイラが爆釣な〜んて事になってるといいよねぇ。でも、ボクがこれを書いている今現在は、どうも今年のシイラくん達は出遅れているみたい。数年前にもこんな事があったけど、潮濁りがいつまでも続いていて、濁りを嫌っているシイラは、あまり上の方へは浮いてこないんだよ。 もちろん下の層にはいるんだろうけど、前に試した時にはメタルジグで60mのタナでヒットした事もあったほどなんだ。確実に釣れるかどうか分からない状況で、その深さをジギングしたって、たぶんほとんどのルアーマンが面白いと思わないだろうなぁ。やっぱりシイラは、水面を割ってルアーを追いかけてくる姿が、もっともシイラらしくって嬉しくなっちゃうんだよね! さて、そんな訳で今年のシイラは夏真っ盛り以降の勝負に期待したいと思っている。前記の年にも、秋も深まる頃にはメーターオーバーが爆釣したからね。もちろん他の船宿が沖を走り回っている午前中じゃなくて、夕マヅメの一時に勝負を賭けていたんだよ。 でも、普通の乗合船だと朝からの出船だから、シイラたちが陸に詰めてくる夕マヅメは狙えない。仕立船で狙うか、午後船のある港へ行くしかないだろうね。ボクのお薦めしたいのは、真鶴半島西側付け根にある福浦港のまるせ丸だ。ルアーマンでもある船長が、ボク達の希望を見事にかなえてくれる。 日中の暑さが残る中、ノンビリと午後船で出船する。午前船はかなり沖まで走りに行くんだけど、午後は夕マヅメが勝負だから、あまり沖には出て行かないんだ。だから、静かな湾の入口付近で釣る事が多く、船に弱くてオフショアのルアーを避けていた人でも大丈夫! この時期の夕マヅメは、風もほとんど無くなって、湖面のようなベタ凪になる事も多いよ。目標物の際を自分の信じたルアーを通過させてやれば、水面にガバッと背中を出してルアーを追うシイラがハッキリと見れるんだ。これはもう、ドキドキもんの瞬間だよね。こればっかりは、味わった人じゃないと分からない興奮なんだよ! そろそろ「よ〜し、今年はオフショアのシイラに挑戦してみるぞ」って思い始めたんじゃないかな。最近の船宿には、シイラ用のレンタルタックルも常備されているから、タックルを持っていなくたってシイラを楽しめるんだ。だから、とにかく船宿に電話してみることだね。行動力が、結果として釣果につながるんだから! じゃあ、そろそろタックルや釣り方の話しに入ろうか。まず、覚えておいて欲しいのはシイラを舐めて掛からないこと。慣れている人ならいざ知らず、バスタックルでチャレンジしたら、他の人の迷惑になる事は間違いない。シイラは疲れて黄色くなって、とてもリリースだってできっこない。 シイラをゲームとして楽しむんだったら、ちゃんとしたシイラ用のタックルを使うって肝に銘じておこうね。10kg級のシイラを5分以内でキャッチできるような人じゃないと、バスタックルで楽しもうってのは甘い考えなんだよ。 ロッドはシイラ専用のオフショアロッドがあるから、それの8ft以下を選ぼう。但し、初心者はあまり柔らかいトゥイッチング用のショートロッドは選ばない方がいいよ。これもバスロッドと同じで、慣れた人じゃないとシイラに走り回られて苦労するだけ。自分が困るだけならいいけど、乗合船では避けた方が無難だね。自分だけで釣りをしてるんじゃないって事を、船の場合は強く意識して認識しておこうね。 ラインはナイロンの16ポンド+30〜50ポンドのショックリーダーと言った組み合わせでもいいんだけど、トップでルアーを確実にきびきびアクションさせる事を考えたら、絶対的に伸びの少ないPEラインが有利なんだ。スレてきているシイラには、ダラダラしているナイロンラインでのアクションより、伸びが少ないキビキビしたアクションを付けられるPEラインに分があることは間違いの無い事実だから。 リールにはPEの20ポンドくらいを巻いておき、ショックリーダーはフロロの30〜50ポンドが一般的だね。1m級のシイラを相手にするつもりだったら、ファイト中にメインラインが尻尾に触れないように、1.5mくらいの長さをリーダーとして付けておけばいいよ。あまり長すぎると、リールにダブルラインが巻きこまれている事で、キャスト時にライントラブルが起き易くなるから注意しよう。 それから、ルアーには基本的にスイベルを使わないこと。不規則なアクションをさせるシイラ狙いには、時としてスイベルに予期せぬ方向の力が掛かる。それで壊れたスイベルに泣かされたルアーマンを、ボクは何人も知っている。交換が楽だからと言う理由でスイベルを使うんだったら、少しでも早くルアー交換ができるように練習するのがスジってもんなんだよ! ページが残り少なくなっちゃったけど、一般的なポイントの見つけ方などは、単行本などを参考にしてちょうだいね。とにかく、シイラに対する心構えをしっかりして船長の指示を守っていれば、誰にでもメーターオーバーのシイラと巡り合えるチャンスはある。 最後に簡単なアドバイスをちょっとだけしておこうね。とにかくシイラは下に沈めないように狙う事が大切なんだ。1度沈んで行くルアーを追って潜ってしまったシイラは、なかなか浮いてこない。そうなると船中みんなが釣りにくくなる。だから極力トップで活性を高めながら釣りつづける事を忘れないで欲しい。 船の上では自分だけじゃない。みんなが同じように楽しめるように配慮する事が、自分自身のテクニック向上にもつながるんだよ。さあ、今年は気合入れて船に乗ろうよ! |