このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
1999/08/26号 に掲載された記事です

サバはライトで楽しもう!
 前号ではシイラを紹介したけど、いつでも必ずシイラに出会えるとは限らないんだ。時には1日中沖を走り回って、とうとう姿を見る事も無かったなんて話もよく聞くよね。シイラだけにこだわっているルアーマンはそれでもいいだろうけど、最近は何らかの釣果を求めている人が増えているようだね。

 シイラがダメな時でも、沖ではトリヤマに出会う事は多いでしょ。そんな時って、そのトリヤマの下にいるのはサバだったりする。シイラを狙っている時だから、案外みんな真面目に釣らないし、ヒットしてもヘビーなシイラ用のタックルだから、引かなくて面白くないって人も結構居るのは事実だね。

 でも、大きなトリヤマやナブラに遭遇した時って、それがサバだと分かっていても夢中に釣っている人って多いんだ。口ではシイラだけなんてカッコイイこと言ってても、終わって見ればクーラーにサバをたんまりと入れてあるなんてのも、信じられないほど多く目にするね。

 そう、結局は釣れれば何でもいいってルアーマンが、現実にはかなりのウエイトを占めているって事だよね。それだったら、シイラを狙う時だって、サバを最初から楽しめるタックルを船に持ちこめばいいんじゃない。やっぱり釣れないよりは釣れた方が楽しいだろうし、船長だって楽しんでもらえるならサバを狙おうって言ってくれる事もあるよ。

 これからの時期に沖で釣れるサバは、思っている以上に脂がのっていて美味しいよ。煮付けなんて最高だから、家に持ちかえれば家族にも喜ばれること請け合いだよ。キャッチ&リリースもいいけど、たまにはお土産を持ち帰る釣りもいいと思うんだけどねぇ!

 さて、サバのアベレージサイズは3545cmくらいだから、大型がヒットすればシイラ用のオフショアロッドだって結構楽しめる。でも、どうせ楽しむんだったら、バスロッドや硬めのトラウトロッドを使ったほうが面白い。多少無理したって、群れに当たればどんどんヒットしてくるから、バラシたってそんなに惜しくないよ。

 力づくで勝負する事もあるし、メタルジグを遠投する事も多いから、ラインはPEラインを使おう。10ポンドのPEに、ショックリーダーは20ポンドで十分足りる。但し、群れの中でラインが擦れまくる事もあるから、時々ラインのキズチェックを忘れずにね!

 メタルジグは、活性の高い時ならどんなものでもバイトしてくる。ストレート系でもフォール系でも、とにかくジグという名の付く物だったら、そんなに気にする事はない。ところが、それも通常の釣りやすい時の話しだよ。非常にセレクティブな時は、ルアーのサイズはもちろんの事、フォールする時の姿勢までもシビアに選んでくる。

 例えば、最近のDUELのジグで比較すると、ブランカは一気に沈むストレート系だからバイトが少なく、アイルメタルの小さいサイズはフォールを基本に作っているからバイトが多いといった具合に差が出るんだよ。つまり、一気に沈んでしまうバーチカルタイプのジグよりも、フォールの姿勢でアピールできる形状のジグが、どんな状況でもサバに対しては有効だって事だね。

 サイズは28gを中心に考えて、カラーは澄み潮基準なのでブルーを選ぼう。濁り潮の時でもナブラは出るんだけど、そんな時にはピンクやパールホワイトなんかが、予想もしないような連続ヒットを味合わせてくれる事もあったなぁ!

 タックルは、だいたい分かってもらえたかな。特に、ルアーのセレクトは渋い時の事も頭に入れて準備しようね。次に、上手な釣り方を紹介してみよう。

 まずは魚探を見ながら真下へ沈める、バーチカルジギングだけど、これは群れの濃い場所で沈めるから、それほど難しくない。フォールの途中でラインが止まったら、そのまま巻き始めれば掛かっている事がほとんどなんだ。指示ダナまで沈めても反応が無かったら、軽くシャクリながら巻き上げてくればいい。

 さて、問題なのはトリヤマやナブラを狙う時の釣り方だ。群れが見えるからと、群れの中をめがけてジグを着水させるのは愚の骨頂。そんな事をしたら、せっかくまとまっている群れを散らしてしまう。イワシたちが集まっているから、そこにはナブラができているんだよ。

 そんな時は、できるだけイワシを散らさないように攻めるのが、そのポイントを長続きさせるコツなんだよ。だから、ナブラの両脇をトレースするように、ナブラの向こう側へ着水させるんだ。間違ってもナブラの中に着水させたらダメだよ。

 うまくナブラより先へ着水させる事ができたなら、取り敢えずベールを戻してカーブフォールさせてみよう。サバは水平姿勢でのフォールに目が無くて、ユラユラと漂うようなアピールに、たまらなくなってガンガンとアタックしてくるはずだ。

 フォール中のラインの出が止まったり、突然横へ走り出したりするから、そのままリールを巻き始めてみよう。

 また、着水と同時にリトリーブをはじめちゃう人がよくいる。決してそれも間違いじゃないんだけど、大抵の状況では少しジグを沈めてやった方が、サバはスムーズにジグへバイトしてくれるはずだよ。もちろんリトリーブの最中に軽いジャークなんかを加えると効果がある。でも、それ以上にジグを数m潜らせるのって、群れが見えてるのになかなかヒットしない時には絶対に欠かせない事なんだ。

 群れが見えてるから早くリトリーブを始めたい気持ちは分かるんだけど、ちょっと待って沈めてから巻き始めれば、その分だけヒット率は高くなるって事を覚えておいてね。着水と同じにリトリーブを始めちゃったら、一瞬にして水面を引いてくるのと同時になっちゃうんだよ。

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