疲れを知らぬイナダのライトジギング |
秋も深まると、ワカシから大きく育ったイナダたちの様子が気になり始めてくる。ワカシサイズの頃には15m程度の水深を攻める事が多かったけど、この頃になると浅くても30m以上の水深の場所を釣る。深い時には90mくらいを釣る事もあるんだ。 ワカシと同様に、イナダ級のサイズでも群れで行動する。ワカシの頃ほどの多さではないけど、それにしても狙って釣るには十分と言えるだろうね。ただ、彼らは大きく育つにつれて、小さな時ほど興奮してルアーを追い回すような事をしなくなってくるんだ。 そうは言っても、活性の高い群れに出会えれば、水深に関係無く、1回目のジギングからあっさりとヒットしてくれる事もある。もちろん、それ相応の条件が揃っているからこそ、そのような結果が出る。 シーズンが後半になってくると、カッタクリでは爆釣になる事が減ってきて、それが徐々にコマセを使ったオキアミエサの釣りに変わってくる。そうなると、それまでベイトフィッシュを追っていたイナダも、突如としてコマセやオキアミに狂ってしまう。 余談だけど、コマセを使っている船団の中に混じってジギングをやると、世間一般にはルアーに反応しないと言われている。ところが、ボクの知る限りの現実は、必ずしもそうではない。つまり、コマセの中で釣っていても、ルアーにちゃんとヒットしてくれるんだ。 後で食べるための持ちかえったイナダのお腹を見てみると、そこにはコマセなど何も入っておらず、イワシが数尾消化されかかって残っていただけだった。これは、コマセとベイトフィッシュをえさにしているイナダとは、異なる群れではないかと想像できるよね。 でも、このコマセにオキアミを混ぜ始める場所と時期があるんだけれども、通常のアミコマセだけなら全然気にもならなかったのに、オキアミが撒かれ始めた途端に、イナダたちはルアーへの反応が極端に渋くなる。全く釣れなくなる事もしばしばだ。どうやら、アミコマセは平気だけど、オキアミにかかったらルアー組では勝負にならないんじゃないかってのが、ボクのここ数年の実績から感じている事なんだ。 さて、いずれにしても沖に出るならイナダを釣って帰りたい。そのためにどんな事を頭に入れて、且つ実行すれば良いのかを考えよう。とにかくしっかりとジグをアクションさせるのが基本である事は言うまでもない。だから、ちゃんと動かす事ができるための、扱いやすいタックルバランスを考える事が必要だね。 イナダのジギングは、ボク達の仲間ではライトジギングって呼んでいる。本格的なヘビータックルを使わず、2OZ程度までのジグを手軽にジギングする事からのイメージだ。ヘビーなバスタックルを使ったり、ちょっと硬めで短いベイエリア用シーバスロッドを流用する事もある。キビキビとキッチリジャークさせるには、ヘビータックルだと体力的にしんどいんだよね。 ボクはDUELのバスロッドを使っているけど、ちょっと硬めのバットパワーがあるロッドだから、これで十分だね。ワラサ級が来ちゃったらちょっとだけ大変だろうけど、縦横無尽に走り回る魚じゃないから、ボクにしてみればこれで十分。でも、あまり慣れてない人は無理しないでね。シイラ用のボートロッドや、専用のライトジギングロッドを選んだ方がいいかも知れないね。 リールは高速リーリングタイプが巷では要求されているけど、ジャレつくショゴと違って、イナダは追ってきてバイトするみたいなんだ。だからキッチリとしたジャーク&ジャークを必要とする時は、やっぱり速く巻けるリールの方が楽だよ。 水深の深い場所では、スピードを上げずにスパイラルさせたりヒラ打ちさせるのも効果的だけど、20m程度の浅場では、綺麗にキッチリとジャーク&ジャークさせた方が反応は良くなるね。但し、ジグが水面から飛び出してくる危険もあるから、何も考えないでジギングしてるとかなり危険だよ。リーダーを長めにとって、そこが見えたらジギングの手を止めるのもひとつの方法だね。 ショゴはほとんどがボトム付近でヒットするけど、イナダに関しては水面近くまで追ってきてからバイトするケースも多いんだ。だから、このリーダーを長めにとって目印にする方法は、ベテランアングラーも使っているんだよ。みんなも是非試したみたらどう? ちょっと話しが横にそれちゃったかな。まあとにかく、本格的なタックルでやっても構わないんだけど、軽量なタックルでやった方が疲れも少ないって事だよ。 もちろん1OZのジグでジギングしても、折れたりしないようなロッドを選んで使ってね。但し、ワンピース以外のロッドを使う人は、ジョイントのガタツキに注意しよう。使っているうちにジョイントが緩んでくることがあって、気づかないでジギングを続けているとあっけなく折れちゃうから。できることならワンピースのロッドを使った方が安心だと思うよ。 ジギングのテクニックは前の方でも書いたけど、ボクは水深によって2通りのシャクリ方を使い分けている。20m以下の浅場では、キッチリとストロークを取った、ジャーク&ジャークのオーソドックスなジギング。そして、それ以上に深い場所では、スピードよりアピール重視で、リール1回転につきロッドを1回しゃくるパターン。この2通りのジギングで、良い結果を出している。 魚探の反応を見た船長の指示ダナを確認したら、その一番上の棚を聞く。通常はボトムまで沈めてからジギングを開始して、一番上の棚より最低でも10mは上までしゃくり続けよう。途中でリーリングスピードを速くしたり、一瞬のポーズを取るのもヒットを多くするコツだよ。 |