このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
1999/10/21号 に掲載された記事です

エギングでアオリイカにアタック
 今年もアオリイカのシーズンがやってきた。春の一発大型狙いに対して、秋は数釣りのできるチャンスなんだ。春から夏にかけての産卵で生まれたアオリイカは、ちょうど秋になるとコロッケからメンチほどのサイズに育っている。この頃からが、秋のエギングシーズン突入と言っていいだろう。

 この頃の小さなアオリイカは、群れで行動する事が多いんだ。だから釣れ始めると、パタパタッと立て続けにのってくる。春の大型は単独もしくはペアで行動している事が多いから数釣りは難しいけど、今だったら群れの場所を見つければバッチリって訳なんだ。

 更に嬉しいのは、専門で狙っているような堤防の先端や潮通しのいい足場の高いような場所だけじゃなくって、静かな港の中にも群れが入り込んでくるって事だね。港の入口などで高〜い足場の場所は怖いけど、港の中で車を横付けして釣りができるんだから、初心者はもちろんのこと、釣りをやった事の無い女性や子供にだって楽しめる手軽さがあると言えるよ。

 釣り方は、もちろんエギング。アオリイカを釣るために考えられた和製ルアーで、古くから日本に存在している優秀なルアーだ。様々な種類があり、目移りするほどのカラーが存在する。エギを集める事が目的となっている、エギコレクターなる存在があるのも面白い。たしかに芸術的でカラフルなエギを眺めると、片っ端から集めてみたくなる気持ちが分からなくもない。

 それじゃあ、タックルを紹介してみよう。まずはロッド。ここでは本格的な港口などの釣りじゃなく、手軽な港内に的を絞ろう。本格的なタックルでの釣りは、春先の大型狙いの時に紹介するね。

 まず港内ってのは、ほとんどの場合がそれほどの遠投を必要としない場所が多い。だから本格的なロッドでなくても、十分に通用する。とは言っても、この時期に使うエギのサイズは小さくても3.5号だから、20g程度の重さはあるんだよね。だからそれなりにバットのしっかりしたロッドを選ばないと、ストレスの溜まる釣りになっちゃうかも。まあ9ftくらいで胴に乗る柔らかめのシーバスロッドが無難かな。

 リールは、ロッドとの重量バランスを考えて選べばいいね。12ポンドがちょうど150m巻けるサイズがバランス良さそうだね。ラインは12ポンド直結でOK。港内に根ズレの多い場所は滅多に無いから、通常はショックリーダーを付ける必要は無いと思う。ただ、藻の多い場所を狙う時には、1m程度の2030ポンドリーダーを付けた方が安心かもしれないね。

 エギの種類だけど、この近辺だと基本的に大分型のみで、いや、大分型が最も使いやすい。この大分型のシャクリタイプを選ぼう。サイズは3.5号を中心にする。3号だと、もし大きめのアオリイカが釣れちゃったら、カンナ(ハリ)が伸びちゃう可能性もある。4号だと、時期的にまだちょっと早いかな?って気もするけど、なるべく大きめのアオリイカを狙おうと思うんだったら、4号がベストマッチかも。

 さて、エギの顔の下に注目してみよう。そこには鉛が取り付けられているはずだ。この鉛がエギの動きを握っていると言っても過言ではないんだけど、これがボトムの海藻を引っ掛けて持ってきちゃうから始末が悪い。これを防ぐために最近採用されているのが、スナッグレスシンカーと呼ばれている形状の鉛だ。ちなみに、スナッグレスとは障害や引っ掛かりが無いと言う意味。つまり根掛かりしにくいって事だね。

 あとはカンナ(ハリ)の形状だけど、全傘(1周全部にハリが付いている)と半傘(上半分にだけハリが付いている)の2種類がある。これはどっちでもいいけど、海藻を拾ってくる確率を考えたら半傘が無難かな。アオリイカは上から被さるように乗ってくるから、ボトムを探っている時のエギには、下側のハリは無くてもあまり影響しないね。

 さて、肝心の釣り方だけど、棒引きとかシャクリってのを聞いた事があると思う。秋の小型狙いっていうのは、基本的にズル引きで狙う。一般的に言われている大きなシャクリは、慣れないとエギが水面から飛び出してしまうから危険なんだ。水深の浅い場所では、特に注意しなければいけない事だね。

 ノジングって呼ばれているボク独特のシャクリ方も、小型相手にはあまりメリットが無い。静かな港内でノリを感じながら楽しむのは、やっぱりボトムを感じ取りながらの、スローな棒引きがベターと言えるだろうね。手軽なやり方だから、是非基本的な所からマスターしてね。

 まずはポイントと思われる場所の5m以上向こう側へキャストしてみよう。エギをボトムまで沈めて、そこで10秒以上そのままにして待ってみる。沈め方はわずかにテンションを加えた状態でのフリーフォールだよ。カーブフォールにならないように注意しよう。手前にエギが来ちゃうと、せっかく遠投した意味が無くなっちゃうから。

 しばらく待ったら、最初は大きくしゃくってエギの存在をアピールする。再び10秒以上待って、そこからスローリトリーブを始めよう。目安はハンドルを1回転させるのに5〜6秒くらいでいいよ。大抵はこの時に重さを感じる事が多いね。あとは足元まで来たエギが、ロッドの真下から上方向へ動きを変えた瞬間かな。重みを感じても、そのままスピードを変えずに巻き続けよう。

 アオリイカが乗っていれば、グゥイ〜ンと生命反応を感じる。それが感じられなければ根掛かりだから、すぐにラインを弛ませて、ロッドを突き出すようにあおると外れる。アオリイカだったら、ラインを弛ませないように、ゆっくりと一定のスピードで巻いてこよう。最後は大切に玉網ですくおうね。そうそう、墨の噴射には十分注意してね!

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