このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
1999/12/23号 に掲載された記事です

テクニカルに楽しむオフショアのホウボウ
 冬だからと言って、オフショアのルアーフィッシングは休んでなんかいられない。オフショアの釣りに、シーズンオフという言葉なんて無いんだ。今回紹介するホウボウは、バスタックルで手軽に楽しめる、現在赤丸上昇中のターゲットだ。

 でも、いくら手軽だからって、突然釣りに行ってあっさり釣れるって訳でもないんだよ。もちろん簡単に釣れちゃう事だってあるんだけど、どっちかって言うと、テクニックを駆使して考えながら釣るのが楽しい釣りだね。

 冬になると浅場に集まってくるホウボウだけど、メインとなる水深は1520mくらい。もっと浅くても深くても釣れるんだけど、12月から1月に掛けて最も群れの濃いのが、これくらいの水深なんだよ。だから釣り方もそれにあった楽しめる方法を選ぶのがベスト。どうせ釣るなら、楽しく釣った方がいいよね!

 さて、一般的に知られるようになったルアーの釣り方は2種類だ。ひとつはダウンショットリグやジグヘッドリグと言った、ソフトルアーを使った方法。そしてもうひとつは、オーソドックスなメタルジグを使った方法とに分けられる。いずれも一長一短なので、状況に応じて使い分けられるようにしよう。

 簡単に言ってしまうと、ソフトルアーはホウボウの活性を確認するのに使っている。ずっと使っていればそれなりに釣れるんだけど、あえて使い続けないようにしている。それはボクが某誌で紹介したドロッパータイプのリグを使うところに意味があるんだ。

 ホウボウって魚は、その日の底潮の流れや水温の影響によって、ボトムに貼り付いて捕食をする場合と、少し上ずったタナで捕食する場合とがある。一番下にジグヘッド+グラブ、その30cmほど上部には、ダウンショット用フック+ストレートワームを付ける事で成り立っているんだ。最初は活性をチェックするために、どっちのワームにバイトしてくるかを判断する。その反応を確認してから、メタルジグにチェンジしている。

 上下のどちらにバイトしてくるかは、必ずしも釣り上げなくても感じ取る事ができる。ダウンショットリグを使った人なら分かるだろうけども、ショットを介さない部分にバイトしてきた時のアタリと言うのは、かなりのダイレクト感を与えてくれる。対してジグヘッドの場合には、オモリを引きずるような感触が伝わってくるはずだ。万一フッキングさせられなくても、この感触で大抵の状況は把握できるんだよ。

 運良く釣り上げられれば良いんだけど、このソフトルアーでフッキングできなかった時こそ、メタルジグの本当の意味での出番なんだ。ホウボウは吸い込んで捕食する魚なんだけど、活性の低い時には突っつくだけで終わってしまう。テールを口にしただけで引きずって行くアタリだってある。こうなってしまうと、ソフトルアーでフッキングさせる事が難しい。それに対応するのが、先ほど話をしたメタルジグと言うわけなんだ。

 どこかで読んだ事があるかもしれないけど、ホウボウって魚は明らかに捕食の時は目玉を狙ってくる。最初に目玉を上から押さえ込むように抱えて、足でコロコロと転がしたりもするようだ。ジグを使ってボトムをズル引きしていると、最初のアタリでアワセようとしたら、足の付け根にフッキングしてくるケースが極端に多い。

 ここで登場したのが、最近ようやくジギングなどで紹介されるようになったアシストフックなんだ。ちなみにボク達の仲間では、これをフロントフックと呼んでいる。これって実はかなり昔からやられていた事なんだよね。つまり、アイの部分にもフックを付ける事によって、足で押さえ込まれても、ワンテンポずらしてアワセる事によって、フロントフックがしっかりとホウボウの口の中にフッキングしてくれる。

話しは戻るけど、最初にボトムのジグヘッドと、少し上のダウンショット側とのバイトによって、ホウボウの捕食のレンジを確認するって話したでしょう。ここからが、テクニカルに楽しむために必要なことなんだ。よ〜く覚えておいてね。

 まずはジグヘッドにバイトしてくる場合だよ。このような時って、案外食いが渋い、いわゆるスローな状態の時だ。すると、ルアーでリアクションバイトを狙った釣り方をしたって、決して釣果は伸びない。そんな時には、メタルジグをボトムのズル引きで使う。メタルジグと言うとワームのように引きずるイメージは考えられないだろうけど、実はこれがかなりのバイトを導き出してくれる。周りは砂地だから、根掛かりの心配もほとんどない。

 そしてホウボウが少し上ずっている場合だけど、状況としては朝夕のマヅメ時に多く見られる。こんな時は、オーソドックスにキャストしてボトムをとってからの、ボトムバンピングで通用する。但し、必ずカーブフォールでアタリを取ろう。沈めきってから次のシャクリでフッキングしたんではカッコ悪いぞ。やっぱりフォール中の小さなアタリを感じとって、そこですかさずフッキングさせよう。

 また、もうひとつはボトムをスイミングさせるテクニックだ。前記のバンピングが広範囲をアピールさせて狙う釣り方なのに対して、ボトムスイミングは、ホウボウの目の前を通さないと反応しない時に効果を発揮する。ボトムから1030cm程度上をスイミングさせるイメージで、ロッドを下に向けて軽いトゥイッチで引いてくる。時々大きなストロークでアピールさせるのもいい。

 ここに紹介してきた釣り方は、繊細なライトタックルを前提としている。ラインはできる事ならPE5ポンドを準備したい。これらの全てが満たされた時、ホウボウをテクニカルに攻略するという意味が、皆さんにも分かってもらえるだろう!

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