このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/01/03号 に掲載された記事です

今期のヤマトカマスはどうかな?
 寒くなると、毎年のようにボク達をホットに楽しませてくれるカマスがいる。以前ここで紹介したアカカマスの時にも話したけど、ヤマトカマスってのがいるんだよね。前にも詳しく話したから、ここでは前置きは少なくしておくよ。

 とにかく、食味の面ではアカカマスよりも落ちると、ボクは個人的に思っている。でもね、ルアーに反応してくる動きは、やっぱりカマスの獰猛さを見せてくれるんだ。ほとんどがマヅメのひと時に集中するんだけど、ルアーが作り出すキラメキや波紋につられて浮上してくる。ボクはそんなヤマトカマスを、小さなフローティングミノーで釣るのが大好きなんだ。

 伊豆半島の各漁港で釣る事ができるんだけど、ボクが知る限りで最も安定して釣れるのが、西伊豆の戸田港という場所だ。ここは駐車するスペースもそこそこにあり、そのすぐ横でカマスが釣れ盛る。だからマヅメのひと時を狙っての、お手軽な通り掛かりのお駄賃的な釣りが可能なのが魅力なんだよね。

 あとは沼津周辺の漁港では明かりの下で釣る夜のカマス釣りかな。ただ、年によって数にムラがあるから難しいのは事実。それに、いつでもアングラーのプレッシャーが高くなっている場所だけに、慣れない人には辛いかもしれない。そう言った面から考えると、マヅメにあまり人の多くない西伊豆の方が、初めてでも簡単と言えちゃうかも!

 さて、前にも書いたけど、カマスって魚はマヅメに急激な活性の上がり方をする魚だ。通常は朝の暗いうちから釣れ始め、日の出からしばらくすると釣れなくなる。それから夕闇が訪れると共に小さなベイトフィッシュを追い上げ始めて、そのまま闇と共に静まり返るというパターンが最も多い。

 ただ、必ずしもこれが全てではなく、昼間でも係留してある船の下の方でじっとしていたり、夜間でもベイトフィッシュの豊富な場所では、一晩中ライズする姿に出会える事もある。だからシーズン中は、できるだけ多くのポイントでルアーをキャストした方が得と言えるね。

 さあ、それじゃあタックルを紹介しちゃおう。もう皆さんもご存知の通り、カマスにはマイクロルアーが重宝する。ちっちゃなルアーのことだよ。だから、そんなちっちゃなルアーをストレス無く使いこなせるタックルが欲しくなってくる。

 カマスって過激に迫ってくるんだけど、今ひとつフッキングが悪いでしょ。フッキングさせやすくするためには、ただ単純に柔らかいだけのロッドだとばれやすくなる。つまりフックがちゃんと口を貫通してくれないからなんだね。多少は張りの強いロッドの方が、カマスの口って貫通させやすいみたい。そうかと言って、ファーストテーパーのロッドだと、小さなミノーはアクションが激しくなりすぎちゃう。それを見越してロッドを選ぶのがコツなんだ。

 リールはもちろん小さいの。4ポンドを100mも巻ければ十分だ。ずっとアクションを付けて誘う可能性もあるから、できるだけタックルバランス的に持ち重りしないように、ロッドとリールとの重量バランスがとれるといいね。

 実際に使用するラインは、4ポンドを標準と考えておけばいい。人によっては2〜3ポンドを使っているけど、よほど飛距離を必要とする時以外は、4ポンドで十分だね。むしろ細くし過ぎると、頭側にバイトされた時のラインブレイクが困る。どうしても細いラインを使いたいときは、先端に30cmでいいからリーダーを付けた方がいい。大きな魚を釣る訳じゃないから、特殊なラインシステムはいらない。ブラッドノットで十分に事は足りる。

 また、4ポンドを使う時でも、スプーンやメタルジグを使うならばリーダーが必要だ。アクションさせていると、よほど慣れてない限りルアーの頭が下がってしまう。この下がった部分をカマスは集中して狙ってくる事が多いからだ。最も全く浮上してこないような状況や、早朝に船道狙いで大型のアカカマスを狙う時以外には、メタルジグを使う必要はないだろう。ただ、ジグヘッドリグでソフトルアーを使うときには、無いよりも有った方が安心だ。

 ルアーは4〜5cm程度の、ボク達がマイクロミノーと呼んでいるサイズが結果を出しやすい。細身の方が反応はよく、ファットなボディだと追ってきてもバイトしないケースが多いようだ。カラーは明るい時ならブルーを中心に考える。活性の高い日にはホログラム系、反応が渋かったらアルミ貼りのボディがいい。状況によって、これらを使い分けてみればいい。

 夜でも明かりの下で狙うなら、ブルーで大丈夫。但し、真っ暗闇の中で狙うんだったら、パール系か金オレンジに分がある。まあ、そこまでしてしつこく釣ろうって人は少ないだろうけどね。

 アクションだけど、マヅメにライズリングを出しながらベイトフィッシュを追いかけていたら、あまり深く考えないでスローリトリーブしてみよう。クネクネ泳がない程度の超スローで大丈夫だ。反応が無かったら、時々小さくヒラを打たせる程度にトゥイッチしてみよう。

 タナが深い時は、水面でチョコチョコと波紋を作ってやる。注意したいのは、ルアーのアクションを止めない事だ。ミノーの位置が変わらないように意識して、その場でチョコチョコ波紋を出すように操作するのがコツだ。これが出きれば、かなり反応が渋い時でも、ヤマトカマスは浮いてきてくれるはずだ。

 あとは、パシャっと出た時のアワセ。これはもう場数を踏んだ経験に勝るものは無い。多くの魚がそうであるように、ヤマトカマスも硬い口に対するアワセが必要だ。そのまま飛び出した時にアワセると、あっさりすっぽ抜けたり抜き上げでバラスケースが多くなる。反転した瞬間の鋭いアワセを心掛けよう!

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