このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/01/27号 に掲載された記事です

ナイトゲームでカサゴをゲット!
 初冬の頃から岸近くの浅場へと接岸してくるカサゴ達は、ボク達にとって嬉しい存在のターゲット。特にナイトゲームでの繊細な感覚って、緊張感もあって楽しいんだ。

 カサゴって言う魚は、根魚と呼ばれているだけあって、根の有る場所に棲息している。根の有る場所イコール岩場と考えてもらって差し支えないけど、磯でなければ釣れないかと言うとそうでもない。各地に点在している漁港の岸壁でも、カサゴを釣る事は出来るんだ。つまり、岸壁沿いに潜んでいたり、周囲の沈み根などにも居着いているってワケ。

 カサゴは磯じゃないと釣れないなんて勘違いしている人がいたら、もう一度自分の通っているフィールドを見つめ直してみよう。思いもよらなかった場所に根を見つけて、カサゴをいっぱい釣れたなんて話しもあるほどだから。

 もちろん砂地だからと言って諦めてはいけない。近くや沖の海底の状況によっては、十分に釣りやすい近場の根にいる場合もある。船でキス釣りしていてカサゴが混じって釣れてくるのを知ってるよね。それって近くに岩礁帯があって、仕掛けがそばを通った時に食いついて来るんだよね。根と根の間を移動中に釣られてしまうカサゴもいるみたい。

 さぁ、冬の夜はじっくり釣りをするのに良いチャンスだ。寒いからと言って家に閉じこもってないで、防寒対策ができたらフィールドへ飛び出して行こう。昼間は岩陰に潜んでいたカサゴ達も、夜になると警戒心が薄れてルアーを追ってくれる。それだけ釣りやすくなるのが、冬の夜のカサゴだと思っていい。

 夜だから、なるべくなら危険な場所では釣りたくない。岩場へ1人で釣行するなんてもってのほかだ。例えば沼津周辺の漁港などでも、小場所を探せばチャンスがたっぷり残っているはずだ。有名なポイントばかり狙っていても、他の人の攻めた後を釣っていたのでは難しい。俗に言われる穴場を、自分自身で探し出して釣る楽しみを感じ取ろう!

 車を横付けできるような岸壁も多いから、安近短で楽しめる場所を探すのがコツだ。そんな場所だから、タックルもバスタックルで手軽に釣る事ができる。と言う事で、手持ちのブラックバスに使うようなスピニングタックルを準備しよう。それさえあれば、ジグヘッドとワームを持って行けば何とかなるものだ。

 もし専用のタックルを揃えたいのなら、ロッドは6ftくらいで、小さなアタリを感じ取りやすいように、竿先は柔らかめがいい。リールには8ポンド程度のナイロンラインを100m巻いてあればOKだ。フロロラインは、キャスティングで使うと弊害が大きい。ライン自身の比重が大きいため、水中で弛んだラインが根に挟まったりするからだ。但し、ヘチで真下に沈めて釣る方法には、感度のよさで適している。

 PEラインも感度面で有利なのだけど、万一ライントラブルが起きてしまったら大変だ。寒さにかじかんだ指先で、絡んだラインをほどくのは容易じゃない。そういった事まで考えると、やっぱりオールマイティなナイロンラインがベストになるのではないかと思う。

 但し、ここで問題になってくるのが、使うラインの太さだ。PEなら先端にリーダーをつなぐし、フロロだったらナイロンよりは根ズレに強いと言える。でも、ナイロン自身は決して傷に強いとは言えず、ちょっとした根ズレで切れてしまうこともあり得る。

 根の粗い場所を攻めるのなら、先端に30cmほど12ポンドくらいのリーダーを付ければ安心だ。一般的に言われるラインシステムは不要で、ブラッドノットや八の字結びで十分だから、面倒がらずに付けた方が良いだろう。根ズレや根掛かりがそれほどでもない場所だったら、8ポンドの直結で十分だ。人によっては4ポンド直結でやる人もいるようなんだけど、慣れない人にはあまりお薦めできない。

 また、適度な強度のラインを使うのと同時に、使用するジグヘッドの強度特性も知っておくといい。つまり、極端に軸の強いフックを選ぶより、適度な力を加えたら伸びるフックが便利と言う事だ。弱いフックだったらフックが伸びて回収できるけど、強度の過剰なフックではラインブレイクしかない。こんな事にも気を使って、パーツ選びをするのも楽しいんだよね。

 では釣り方の紹介をしよう。基本は2通りだ。ひとつはヘチに沈めてゆっくり上下に誘う方法、そしてもうひとつはキャストして沖の根周りを探る方法だ。いずれも一般的なジグヘッドリグで十分だ。沈み根を探る時にアピール度を高めたければ、スプリットショットリグにして、ソフトルアーをユラユラ漂わせる方法も効果がある。

 最初にヘチの探り釣りを説明しようね。とにかくヘチにギリギリ沈めて探るのが特徴で、上下に誘いながら少しずつ場所を移動して行く。だから岸壁ギリギリ斜め進行方向に構えるのが釣りやすいスタイルだ。

 アタリがあったら、沖にロッドを突き出すようにアワセて、ヘチにもぐりこまれないようにする。ノンビリしていると、ケーソンのスキマなどに潜って出てこなくなる。

 沖の根周りを攻める時は、およその根の位置を明るいうちに把握しておけると有利にゲームを展開できるよ。根の中央を引いてくると根掛かりが多くなるので、根の両脇を引いてこれるような位置にキャストしよう。夜はカサゴも行動範囲が広くなっているから、少しくらい根から離れてもバイトしてくる。

 アタリがあったら一気に浮かせるつもりで、リールを巻きながらアワセるのが上手なやり方だ。ポイントを荒らさないように、遊ばせずに釣り上げたい。抜き上げたら下顎を親指と人差指でつまみ、口を開かせた状態でフックを外す。やさしく外してリリースできれば、きっと次の釣行でも遊んでくれるかも!

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