このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/02/10号 に掲載された記事です

寒さに負けずイイダコと戯れよう!!
 前号で紹介したカサゴの他にも、冬にノンビリと楽しめるターゲットがいる。イイダコってタコを知ってるかな?

 イイダコは、ホントに小さな種類のタコで、それこそ手のひらに乗ってしまう小さなタコだ。おでんに丸ごと入っている小さなタコが、このイイダコなんだ。本格的なタコと違って、貼り付かれて取り込めなくなるようなこともない。だから手軽なライトタックルで楽しむには、それこそもってこいのターゲットと言えるだろうね。

 この小さなイイダコを釣るのに、本格的なタコテンヤだとかエギは必要ない。そんな大きな仕掛けを使ったって、小さなイイダコは簡単に乗ってこない。小さなターゲットには小さな仕掛け、それがやっぱり重要なことなんだよ。

 さて、簡単にタックルを紹介しちゃっておこう。さっきも話したように、あれだけ小さなイイダコなのだから、乗った感じもかなり微妙な感触だ。ちょっとでもヘビーなタックルを使っていたら、おそらく何も感じ取る事が出来ないかも。それだけに重要なのは、小さなイイダコのわずかなモタレを感じ取れるだけの、非常に繊細なロッドティップが欲しくなってくる。

 硬いバスロッドでも釣れるんだけど、いつの間にか掛かっているよりも、タイミングを見計らって意識的にフッキングさせる方が、釣りとしては面白いよね。だからボクがお薦めしたいのは、管理釣り場でトラウトを狙うような、とっても柔らかいトラウトロッドだ。2〜4ポンドのラインを中心に、1〜2gのルアーをキャストするような、ペニャペニャのロッドが最も使いやすいし面白いと思う。

 長さは5〜6ftで十分。アクションは、先調子よりも胴に乗ってくる調子の方が乗せやすい。イイダコといえども、硬いロッドの違和感を感じたら、あっさりルアーを離してしまうんだ。だから、極力違和感を与えないロッドを選びたい。

 リールはそれにあった小型リールでよく、4ポンドを100m巻いてあれば大丈夫だ。ドラグ性能なども関係無いし、取り敢えずラインを収納できるレベルの物でいい。但し、細いラインを使っての釣りなので、糸ヨレしにくい機構のあるリールの方が楽かもしれない。

 気になるルアーだけど、これは超簡単なイイダコ専用のリグを準備しよう。イイダコは体重が極端に軽いから、針先が甘いと掛かってくれない。アワセても、そのまま一緒に浮き上がってしまう。抱きついたまま上がってきて、水面でそのままサヨ〜ナラ〜ってな事もあるよ。

 これに対応するためには、ちょっとだけ工夫が必要だ。詳しくはイラストを見てもらえば分かると思うけど、見た目はごく普通のジグヘッドリグだ。ちょっとだけ違うのは、ジグヘッドのフックに、タンデムフックをセットしてある事だ。色々なフックを試してみたんだけど、最終的に落ち着いたのはアユの友釣りで使われている3本イカリだ。

 糸付きのものを購入して、そのままジグヘッドに結んでやる。この糸って結構強い材質を使ってるから、海底に擦れてブレイクするなんてこともまずない。オマケに針先はこれでもかと言うほどに鋭い。ソフトルアーのピラピラ動くテールに絡まない程度(1cmほど)に離した位置になるよう結んでやろう。

 水深は、沼津周辺だと1〜4mが標準的なポイントだ。それにマッチするジグヘッドは、ラインが4ポンドだったら1/16ozくらいがちょうどいい。ジグヘッド自体のフックに刺さってくる事はあまりないから、取り敢えずジグヘッドの形になっている安価なもので十分だよ。ヘッドの形状は、ラウンドタイプが根掛かりしにくいし、姿勢も安定する。

 ソフトルアーをジグヘッドにセットしてから、前記のタンデムフックをセットする訳なんだけど、大切なのはどんなソフトルアーをジグヘッドにセットするかなんだ。よく使われているスイミングタイプやストレート系よりも、アピール重視でセレクトしてやるのがベストだ。具体的に言うと、カーリーテールタイプで1〜2インチくらい。カラーはグローかチャートリュースがいい。

 このカラーセレクトなんだけど、ボクの実績ではチャートリュースの1.5インチカーリーテールグラブがベストだ。スゥイールテールワームを使っている。一般的に白っぽいものがイイダコに適していると言われてるんだけど、ボクが沼津周辺で釣っている限りでは、白よりもチャートリュース系の勝ち!

 次に釣り方を説明しようね。まずはポイント選定。イイダコは海底が砂地の場所に多い。近くに岩が転がっているような場所だったら、かなり群れている事もある。沼津では、久料の岸壁や足保の港内に実績が高い。この2ヶ所はボクの最も好きな場所だ。しかも昼間でも釣れちゃうんだよ。

 潮が澄んでいると海底が見えるから、転がっている岩の周りにキャストして、砂底を広く探ってみる。海底まで沈めたら、まずは待ってみよう。しばらくしてから、ロッドを動かしてゆっくりサビクように誘ってみる。この時ゆっくり動かすのがコツで、1cm1秒くらいのイメージがベスト。

 イイダコが乗っていれば、微妙にクイックイッと生命反応が伝わってくる。それを感じたらちょっとポーズをとって待つ。再びラインを張ってみてまだ反応を感じたら、そのままロッドを大きくあおってフッキングさせる。あわてて早アワセしちゃうと、まだイイダコが上に乗ってないかもしれない。完全に乗ったタイミングを見計らってアワセてやるのが、この釣りの難しく面白い部分なんだよね。

 はまってくると、「乗ったー!」「逃げられたー!」なんて声が自然と出てくるから面白いよね。みんなも遊びに行ってみてはいかが?

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