このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/03/09号 に掲載された記事です

夜はのんびりメバルを釣ろう!
 そろそろ春告魚メバルのシーズンだ。シーズン関係無く釣れている場所もあるんだけど、やっぱりメバルは近づく春を感じながら釣りたいものだ。そう思っている読者の方も多いんじゃないかな。木枯らし吹く中での釣りじゃなく、春の穏やかな海でメバルを楽しみたい。

 さて、メバルと言っても色々な釣り方があって、対象となるメバルのサイズもまちまちだ。一発大型といえるほどのサイズがたくさん釣れれば最高だけど、現実には小型から中型がほとんどのアングラーの対象となっている。特に釣れ始めの時期でのメバルは本当に小さい場所が多くて、小型の数釣りを楽しまざるを得ない傾向もある。

 まあ、いつでもどこでも満足のいく事はないかもしれないけど、そこそこの釣果に恵まれるのがメバルの嬉しいところだ。いくつか釣れた中で、大きめのメバルだけを持ちかえって食べるのもいいだろう。でも、小さなメバルは魚体に触れず、できるだけやさしくリリースしてあげようね。いい加減なリリースは、結果として捨てているのと同じ事なんだからね。

 さぁ、ここではなかなかフッキングが難しいと言われがちな、中小型メバルのフッキングを中心に話しを進めてみよう。

 まずはメバルの捕食を考えてみようね。メバルって魚は、ガツガツとかじるような捕食はしない。どちらかと言うと、スッと吸い込むような捕食の仕方が一般的なんだ。だから吸い込めるようなサイズのルアーを使う事が前提となる。ここでは最も多く使われているソフトルアーを例にとって話すね。

 もっと具体的に言うと、メバルのサイズが15cmだとすれば、使うワームはグラスミノーだとSサイズ以下になる。それ以上大きいと、口からはみ出しちゃってフッキングしにくい。自分が釣ろうとしているメバルのサイズを知っておく事も重要だね。それがわからない初めての場所では、取り敢えずSサイズを使ってみよう。アタリがあるのにフッキングできない時は、SSサイズに付け替えてみるのも手だね。

 また、メバルっていつも斜め上を見ながらエサを待っている。岸壁から覗き込んでみると、斜め上に傾いたメバルを見る事が出来る。捕食したい時は、この姿勢をとっているから、そうなっていればしめたものと思っていい。

 さて、そこから先が大切だ。上を見ているのだから、メバルの目よりも上を通過させる事が重要になるんだ。つまり、あまり重いショットを使っちゃうと、自分の意思以上に深く沈めてしまう可能性もある。だから、極力軽めのショットを使って潜り過ぎないようにしておこう。

 そこで考えるのが、どんなリグが有効かという事だ。一般的なジグヘッドリグでは、その時の状況によって重さを変えるのが大変だ。それこそフックサイズ別に様々な重さの物をそろえる必要がでてくる。コスト的にもそれではもったいない。

 ボクがお薦めしたいのは、スプリットショットリグだ。これなら重さの異なるショットだけ準備しておけばいいから、高価なジグヘッドを何種類も買わなくてすむ。ところが通常のスプリットショットリグのままだと、ショットとフックの距離がありすぎて、アタリを感じ取りにくいというデメリットが生じる。そのために、ショートスプリットリグと呼ばれている方式が必要になってくるんだ。

 これはフックとショットの距離を1cm程度にする事で、ある程度は解決する。通常はこれだけで十分過ぎる結果を出してくれる。更にこのリグにはメリットがあり、最初にお話したようなメバルの捕食に対応している。吸い込むように捕食するメバルにとって、ショットとフックが一体化したジグヘッドは、思っている以上にフッキングしにくい。ところがわずかにフックとショットとの距離が離れる事によって、メバルがワームを吸い込みやすくなるんだ。

 なかなかメバルをフッキングさせられないアングラーは、一度試して見る事をお薦めします。それまでフッキングに困っていた人なら、予想以上の効果に驚くと思いますよ。ただ、やっぱりそれなりのアワセのテクニックは知っておく必要があるんだよね。いくらフッキングさせやすいと言ったって、最終的にアワセるのはアングラーであるアナタの役割なんですよ。

 ついでだからお話しちゃうと、吸い込むように捕食する魚って、アタリと同じに思いっきりアワセたってフッキングしないよ。上手い具合にその瞬間を捕らえられれば良いんだけど、即アワセしちゃうクセのある人はすっぽ抜けが多いみたい。

 ボクは聞きアワセとか誘いアワセなんて表現をしてるんだけど、アタリがあってもすぐにはアワセず、リーリングを続けて重みを感じてからスッとロッドを動かしてアワセにしている。吸い込ませてフックを口の中に置いてくるようなイメージで、なお且つ針先が口の中に刺さり始めている重みを感じてから、スッと針先を貫通させるような操作だ。

 このようなアワセをしてやれば、それまでフッキングできずに悩んでいた人も満足できるはず。せっかくのアタリを逃すまいと思って一気にアワセるのって、自分が思っているほど効果無い事が多いんだよ。魚の生態を知る事で、よりいっそう釣りやすい条件を探すのも楽しいね。

 もうひとつついでに話しちゃおうかな。それは潮に関係する、メバルが定位しやすいポイントの見分け方だよ。通常は潮が上げている時って岸壁沿いの上層を狙うんだけど、潮が下げた時ってみんなはどうしてるかな。そのままヘチの深い場所を探っているだけじゃない?

 そんな時には手前じゃなくて沖を攻めるんだ。係留してある船の下や沈み根の周りに、それまでヘチにいたメバル達は移動している。釣れなくなったら目先を変えようね!

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