このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/05/18号 に掲載された記事です

オフショアのメバルは大きいぞ
 本格的に春が近づいてくると、伊豆半島を中心に、メバルは一気に盛り上がってくる。専門に狙っている船は少ないけど、大型が釣れる可能性も高いから、ボクはこの釣りが大好きさ。しかも、伊豆半島では手漕ぎボートで狙う事も出来るから、驚くほどの穴場に巡り会える可能性だってある。

 ボクの場合、乗合船では真鶴半島の付け根にある福浦港のまるせ丸、手漕ぎボートでは東伊豆を中心に探っている。港近くや湾内がポイントで、波の静かな日を選ぶから、船に弱い人でも安心だよね。

 ポイントは港からちょっと離れた場所にある高根の周辺や、岩礁帯の沖に密集している藻場の中、そして釣りが許されているブイやイケスの近くが有望だ。狙っている水深は、この時期だと深くても20mほど。通常は7〜15mくらいだね。

 覚えておきたいのは、最初に上から落ちてきたルアーへは反応が良いってこと。数人で船に乗っていたら、ほぼ間違い無く最初にルアーをタナまで沈めた人にヒットしてくる。だから乗合船などでは、船が減速したらいつでも投入できるように準備しておこう。

 面白い事に、メバルは上の方に大型が集まっている傾向があるから、とにかく1尾目はデカイ。30cm級のメバルに出会う事だって、決して夢じゃないんだよね。だから何尾か釣っているうちに、少しずつ型が小さくなってきて、最後にはリリースサイズになってしまう。

 もし最初に釣れるのが小型だったとしたら、自分の沈めている場所が根の場所から少しずれていると思って良い。もしくは一気に沈めた時、大型メバルのタナを通り越して、小型が多い下の層へルアーが行ってしまったと考えてみよう。もしそうなったら、まずは少し上の棚を探ってみることだ。下過ぎるよりも、上の方がチャンスは多い。

 さて、タックルと釣り方を紹介してみようね。まずはロッド。ボクは6〜7ftくらいで柔らかめのバスロッドかトラウトロッドを使っているんだ。胴調子のロッドの方が、口切れを防ぎやすい。ティップアクションのロッドだと、ルアーの操作はやりやすいけど、取り込みがやりにくくなっちゃうんだよね。

 リールはそれにマッチしたサイズを選べばいい。ダイワだったら2500番クラスの大きさになるかな。ドラグ性能は良いに越した事は無いんだけど、そこそこの物で大丈夫。普段から自分が使い慣れているリールで良いと思うよ。ただ、ベイトタックルよりは、スピニングタックルの方が何かと便利だね。

 ラインは何と言ってもPE。メタルジグを使いたいから、中途半端に伸びるナイロンは使いにくい。フロロでも良いんだけど、出来る事ならPEを使った方が小さいアタリも確実にキャッチできるよ。ボクは5ポンドを使っているけど、太くても10ポンドまでだ。それ以上太いと、やっぱりアタリを取りにくい。

 先端にはフロロカーボンのショックリーダーを、根ズレ防止のために1mほど付けておこう。PEラインに直接ルアーを付ける人がいるけど、あれはメバルの反応が極端に悪くなるからダメ。面倒でも、ちゃんとリーダーは付けようね。

 使うルアーはメタルジグが中心になる。ボクは15mの水深までだったら、12gのメタルジグを使う。重くても18gまでだ。ご存知の通り、メバルは上から落ちてくる物に興味を示すケースが多い。だから、少しでもゆっくりとフォールでアピールできるように、軽めのジグを選ぶ。ストレート系のジグよりも、水平姿勢でユラユラ沈んで行くジグに反応しやすいのはそのためなんだ。

 もちろん、乗合船で同船者が多い場合は、やっぱり一気に沈めちゃえるジグにして、フォールの時にロッドアクションでユラユラ沈むようにコントロールするという小技も使うことになるだろうね。まあ、通常は前記のような選び方で問題ないと思うよ。参考にしてね。

 カラーはブルー系が基本だ。でもちょっと春の濁り潮が入ったら、金赤を使うこともある。その濁りが底の方まで影響しているようなら、迷わずパールホワイトを選ぶ。濁りの具合は、乗合船だったら魚探の色具合で判断できるから、船長にちょっと聞いてみるのもいいね。

 また、ソフトルアーで釣る方法もある。ポイントの性格上、根掛かりしやすくなる。メバルの食い込みやすさも考えると、ダウンショットリグや、スプリットショットリグで狙うと面白いよ。ダウンショットリグは、ショットとフックの位置を極端に離してやると根掛かりしにくいから試してみて。スプリットショットリグは、ソフトルアーが自然に漂いやすい形状だから、多少食いの渋いときには強い味方になってくれるはずだ。色々と試してみよう。

 テクニックは意外と簡単で、沈んで行く最中に掛かってくる場合もあるし、リフト&フォールでリフトの時にフッキングする事もある。但しそれはアタリを感じ取れてない人の話で、慣れたアングラーはちゃんとアタリでアワセている。いずれもフォールしている最中のアタリを感じ取り、メバルの反転タイミングを見計らってアワセている。

 前にも書いたけど、とにかくルアーを沈め過ぎないのが大型を選んで釣るコツだ。慣れてきたら船長に水深を確認して、タナは上から取ると更にいい。特にワームを使う人は、いつまでも下の方に沈めていると、フグやベラの猛攻でソフトルアーはボロボロになってしまう。

 メバルをフッキングさせたら、最初の引き込みを我慢して、こっちを向いたら一気に浮かせてやる。口切れを気にして時間をかけ過ぎると、せっかくの群れを散らしちゃう。それにハリの穴も広がってきて、余計にバラシやすくなっちゃう。繊細且つ大胆にファイトするのが、メバルを確実にキャッチするコツと言っても良いんだよ。

戻る