コトヒキをフッキングさせられる? |
コトヒキって知ってるかな。ヤカタイサキって言った方が分かりやすい人がいるかもしれないね。立派なイサキの種類で、基本的には海の魚なんだけど、河口域では汽水域にも入り込んでいる。 銀色の身体に黒い縞模様で、そのまま熱帯魚として鑑賞にもできそうな、とっても綺麗な魚なんだ。シマイサキと勘違いしている人もいるみたいだけど、これは違うよ。 ところでちょっと話しはそれるけど、写真のコトヒキの縞を見て、これって縦縞なのか横縞なのか分かるかな。顔から尾に向かって黒い線が入っているけど、実はこれが魚の縦縞なんだよね。頭を上にして立てて見ると、縦縞だって理解できるでしょ。これがホントの見方だよ。 さて、脱線はこれくらいにしておこう。このコトヒキって魚は、漁港でも河口でも釣れる。伊豆半島なんかだと、西伊豆は小さな流れ込みに小型が集まっている。その周りでルアーをキャストしていると、大群が追ってくるからすぐに分かるよ。何も追ってこなかったら、そこにはコトヒキがいないと思っても間違い無い。それくらいルアーへの反応が良い魚なんだ。 千葉の外房へ行くと、このコトヒキが更に大きく育っている。河口でも釣りになるんだけど、ちょっと大きめのコトヒキを釣るのなら、港内にある船揚場のスロープを狙う。これ以上岸に寄ったら、スロープの上にルアーが乗ってしまいそうなほどに、岸ギリギリを狙うのがコツ。 皆さんのエリアを考えると、どちらかと言うと西伊豆や南伊豆の河口や流れ込みがメインフィールドになりそうだね。誰もルアーをキャストしてないような場所でもチャンスはあるから、この秋はルアーをどんどんキャストしてみようよ。ひょっとしたら、想像もしなかったような、面白い出会いが待っているかも知れないよ。 使うタックルは、もちろんウルトラライトだ。管理釣り場でトラウトを釣るような、ペニャンペニャンのロッドが適している。ラインは慣れた人だったら2〜3ポンドで十分だよ。使うルアーがコトヒキに合わせて小さいから、軽いルアーでもそこそこに飛距離を出せるように、細いラインを使った方が楽に釣りができるのは間違いないよね。 ボクは5cmくらいのマイクロミノーを使うことが多いけど、2インチくらいの小さなワームを使ったジグヘッドリグでも、同じように釣る事ができる。人によっては、2〜3gのスプーンを使っている。とにかく小さくても目立たせやすいルアーだったら、どんなのでも釣れるんだ。 但し、フックが小さくないと、コトヒキの口にはなかなかフッキングしない。コトヒキのルアーフィッシングで一番難しいのは、追ってきてバイトするコトヒキのフッキングテクニックにあるんだよ。ルアーへゴツンゴツンとアタックしてくるくらいに活性が高くても、口を大きくあけてくれないみたい。 実際にフィールドで釣ってみると分かるんだけど、ルアーを引いてきても付いてくるだけで、足下まで追ってきたらターンしちゃう。これで悔しい思いをして、このコトヒキにはまってしまった人も多いんだ。これはやってみた人にしか分からない面白さなんだよね。 それじゃあ、テクニックを紹介してみようか。まずは群れを引きつけること。何度も何度もキャスト&リトリーブを繰り返していると、そのうち追ってくる距離が短くなってくる。最初は足下まで追ってきているのに、徐々に途中で引き返してしまうようになる。 そうなってからヒットさせるのって難しいから、そうなる前に何とかヒットさせたい。そのためのテクニックは、追ってきたその群れがターンする時にあるんだ。いわゆるリアクションバイトを狙った方法なんだけど、ターンしそうになったら、一気にルアーを回収しちゃう。そこから再び群れの向こう側へ着水させるんだよ。 この時に、遠くへキャストしすぎると意味が無い。ターンした群れが方向転換して編隊を整えた時に、ちょうど群れの脇を通過するような位置にコントロールしてやる。不思議と、直線的に追ってきている時はあとちょっとの追いを見せないんだけど、この時だけは慌ててルアーへアタックして来る個体が多い。特殊な狙い方かも知れないけど、これがツボにはまると面白い。 但し、そのバイトの特色として、どうしてもフックが口の外側から刺さってしまうことも多い。できることならフックはバーブレスにして、リリースを前提として楽しんでみてほしい。真っ直ぐ追っている時に食わせられれば、勝負は手っ取り早いんだけどね。 さて、それじゃあ後ろから追わせて食わせるアクションも少しだけ紹介しておこう。それはチョコマカトゥイッチングだ。基本的には水中にほとんど潜らせないで行なう。潜らせちゃうと、コトヒキの反応は極端に悪くなるからだ。 ロッドを立て気味にして、手首をふるわせる程度で、細かく素早い動きで連続的に行なう。1回のストロークが1cm程度のつもりで、小刻みに動かしてみよう。リールは巻き続けるんだけど、あくまでもリーリングが目的ではなくって、トゥイッチで弛んだ分を巻き取る程度でやるのが重要なコツだ。 そしてなるべく浅瀬に引き出してくる。水深のある場所から一気に浅い場所へ来ると、コトヒキは焦ってしまうのか、慌ててルアーにアタックしてから戻ろうとする。この時にタイミングが合っていれば、上手い具合にフッキングしてくれるって訳なんだ。 メッキのシーズンに重なっているから、あんまり専門的に狙っている人はいない。だけど、たまには気分を一新してコトヒキと遊んでみるのもいいんじゃないかな。色々とターゲットがいるから面白いね! |