このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/10/05号 に掲載された記事です

ジギングでカツオを釣りまくれ
 ようやく相模湾でもカツオの姿が見れるようになってきた。駿河湾では、既にたくさん釣ったアングラーも多いみたいだね。相模湾では、これからがカツオやメジが本格化する季節だ。

 この頃になると、カッタクリで専門に狙っている船も多くなって、カツオ達は沈みがち。ナブラを探しながら船を進めても、その先にはいつもカッタクリでコマセを撒いている船に出くわしてしまう。そんな時はキャスティングだと、カツオに出会うことは難しい。

 そんな時に是非とも試して欲しいのが、今回お話するジギングだ。ナブラが仮に出ていたとしても、すぐに沈んでしまうことが多い。だからこそ、水面に見えているからと言って、水面だけしか狙わないのはもったいない。ジギング専門に狙っている時でなくたって、メタルジグを沈める使い方を知っておきたい。

 ジギングは2パターンだ。ひとつは前記のように、反応の渋いナブラや、すぐに沈んでしまうナブラを狙う時だ。そしてもうひとつは、魚探の反応を見ながら、それより深めのタナからしゃくりあげてくるジギングだ。

 いずれもキャストする事が目的ではなく、下へ沈んでいるカツオを誘い上げながら釣る方法だ。今回は、魚探を使って指示ダナを釣る、本格的な本来のジギングで話しを進めることにしよう。

 まずはタックル。これはバスタックルでも何とかなるんだけど、慣れない人にはやって欲しくない。カツオの突っ込みは予想以上に強くて、時には信じられない大型メジがヒットすることもある。もしカツオを口切れなんかでバラシたとすると、群れを連れて逃げていってしまう。だからバラシは厳禁だよ。

 そんな訳でそれなりの気構えで、ライトジギングロッドクラスを使ってもらいたいものだ。ひとりのワガママでカツオを逃がしちゃったら、自分自身だけじゃなくって、同船者のみんなに迷惑を掛けることになるからなんだ。その辺は船釣りのマナーとして、各自が自覚しよう。

 キャスティングを考えないんだったら、長さは67ftあれば十分に足りる。ただあまり短すぎると、ファイトの最中にカツオが船の反対側に動こうとしたら、船底にラインがこすれてブレイクしてしまう。自分の体力に自信があるんだったら、ちょっと長めのロッドを使った方が安心と言えるかもしれない。

 リールは通常より1サイズ大きめのものを使った方が楽だ。スピニングタックルでもベイトタックルでも同じ事が言えるけど、スプール径が大きいほど、リールを1回巻いた時の巻上げ量は長くなるのだ。時として高速リーリングが必要となったとき、それだけ有利にゲームを展開できるんだ。

 補足だけど、ジギングだからといってベイトタックルにこだわる必要は全く無い。僕はむしろどちらの場合でもスピニングタックルを薦めている。その方が巻き上げは速いし、リールがロッドの下側についているため、ファイト中のバランスもいいし、ドラグ性能もスピニングリールの方が上だ。

 ベイトリールは強度的に有利と言われるのだが、実際にはドラグも重要な役割を持っているので、スピニングリールの方が有利なのだ。その辺りの特徴を知ったうえ、自分の好みで選べばいいだろう。

 ラインはPEが使いやすい。カツオは口切れしやすいからとナイロンを薦める人もいるが、ボクは勝負の早さからPEラインしか使っていない。素早く沈める意味でも、同じ強度で比較して細いPEの方が、絶対的に有利なのだ。

 使うメタルジグは、2840gを準備しておこう。素早く沈めるのが目的の状況では、ストレート系のメタルジグを使う。それほど沈めないのだったら、スイミング系のメタルジグを使ってみたい。一般的には後者の方が多く使われている。

 さて、タックルの準備が整ったら実釣が待っている。情報を収集してみよう。カツオの回遊があり、そこそこに釣果が上がっているようだったら、迷わず船を予約してカツオのジギングに出かけよう。

 沖に出て魚探の反応によって、カツオの群れを探し当てる。ジギングと言っても、船は潮流や風の影響で流れている。できることならジギングする時は、ラインがロッドの真下へ伸びるようにしたい。そのためには、最初にジグを海中へ投入する位置が重要になる。

 基本的には潮上に投入して、ラインを張らず緩めずの状態で沈めていく。時にはこのフォールの最中にジグを咥えることもあるので、張り気味で沈めながらアタリを見逃さないように注意しよう。この時にアタリを感じ取ったら、とにかくアワセてみよう。フォール中のためラインはタルミ気味なので、リールを巻きながら大きくアワセてやろう。

 通常は指示ダナの少し下まで沈めて、ジャーク&ジャークでシャクリ上げてくる。最近流行のハイピッチショーストロークジャークでもいいのだけど、ボクの感覚としてカツオに関してはあまり速くシャクル必要は感じない。

 むしろジャークの間に起きてしまうフォールの最中に、しっかりとジグを吸い込んでくれるので、ジャーク&ジャークの方が有利だ。これは自然なアワセにもなるので、後から特別アワセを行なう必要は無い。

 最後は最も重要な取り込みだ。口ギレの多いとされているカツオは、必ずしもタックルだけが原因ではない。引っ張りっこをすれば、口が切れやすくなるのはアタリマエ。フッキングさせたら、カツオに反対側を向かせないことが重要なんだ。カツオの頭が上を向いている時、一気にリーリングを始めよう。

 あとは水面で暴れさせないようにして、スッとさりげなくネットですくおう。持ちかえるなら、カツオの血抜きを忘れずにね!

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