このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/11/30号 に掲載された記事です

マダコもエギングで釣れるんだよ
 今年もアオリイカのエギングが流行ってるけど、そろそろエギで別のターゲットを狙ってみようよ。エギで釣れるのって、アオリイカだけとは限らないんだよ。もちろん魚って訳じゃないけど、タコだってエギで釣れるんだよ。

 今回紹介するのは、アオリイカと同じ、軟体系のマダコだよ。タコっていうと、タコテンヤを使った釣り方が有名だよね。テンヤには、カニやサンマなんかを縛り付けて、それで海底をズルズルと引きずってくるんだよね。時には止めてみたりしながら、乗ったところで大きくアワセてハリに掛ける。

 手釣りと竿釣りの両方がやられているけど、今回のお話はもちろん竿釣りだ。アオリイカのエギングタックルそのままで、マダコも十分に楽しむことができるんだ。話のタネに試してみない?

 今のところの情報だと、今シーズンは少ないような話を聞く。だけどベストシーズンはお正月の頃なんだから、ボチボチと楽しめる程度に釣れればいいよね。お正月の料理用に使うため、暮れになるとマダコを釣りに出掛けるアングラーって多いんだよね。

 さて、マダコのポイントだけど、砂地、砂泥地、泥底や岩場など、およそほとんどのシチュエーションで釣ることができる。最も釣りやすいのは、砂泥地に岩場が点在しているような場所だと思う。単純な砂底だけだと小型が多くなるし、なによりマダコがバラケているから数釣りしにくい。

 そうかと言って岩場を狙うと、根掛かりばかりで仕掛けの回収がとっても大変だ。まあ周囲の情報を仕入れてみれば、マダコの実績ポイントは自然と分かってくるよ。大抵の漁港では釣ることができるから、まずは港口付近で釣ってみるのが近道かもしれないね。ひょっとしたら、驚くほどの穴場を見つけられちゃうかもしれない。

 それじゃあタックルについて話してみよう。まずはロッドについてだよ。アオリイカのエギングと同じでいいと言っても、実際にマダコは貼り付きという強力なワザを持っている。だから万一のことを考えると、余裕で引きを楽しむなんて事は絶対にできない。そんな事になったら、まず間違い無くキャッチできないだろうね。

 だからロッドはかなり硬いものを選んだ方がいい。とにかくエギに掛かったら、一気に浮かせてガンガンとリールを巻いて取りこもう。それができるだけのパワーが、マダコのエギングに重要な事だ。

 リールのサイズは、それほどこだわらなくてもいい。だけどそれに巻くラインはちゃんと選ぼう。普段のエギングで12ポンドラインを使っているとしたら、マダコの時には16ポンドを使うくらいの気構えでいいだろう。根の荒れている場所で狙うのだったら、先端に3050ポンドのショックリーダーをつけておけば安心だ。ザラツキが気になるようだったら、ブレイク対策のためにフロロカーボンを使おう。

 力と力の勝負で早く決着をつけたいのなら、PEラインを使って一気に剥がすように釣り上げるのもひとつの方法だね。自分のスタイルに合わせて、好きなようにタックルを選べばいいだろう。

 それではエギの話をしよう。今までの説明で分かったと思うけど、多かれ少なかれマダコは海底などに貼りついている。だから突然のハリ掛かりで驚かされたら、即座に貼りついてしまう。そうなったら、ラインより先にエギのカンナが曲がっちゃうだろう。それを少しでも防ぐために、軸の太いカンナを選びたい。

 カンナの形状も、半傘よりは全傘が強度的に有利なものが多い。根掛かりうんぬんよりも、強度を優先した方が結果は出しやすい。

 次にサイズとカラーの話だよ。マダコの場合、大は小を兼ねる。前記のような理由から、エギのカンナは太くて大きめが有利。だからサイズは小さくても4号だね。貼りつかれて無理やり剥がそうとした時に、身切れで逃げられるなんて残念でしょうがないよね。

 カラーはあんまり考えなくても大丈夫。色々なカラーのエギがあるけど、どんなカラーでもそれなりに釣ることはできる。とは言っても、基本的なセレクトはアオリイカと同じような感じでやってみよう。昼間は青や緑、マヅメはピンクや赤を主体、夜中や月明かりの少ない日はオレンジ系統が無難だね。

 同じ条件でも、そのカラーがマダコのサイズに影響することもあるんだ。例えばボクの経験だと、一般的な晴れた夜空には偏りがある。緑はサイズがいいけど数が出ないとか、ピンクは数やサイズがばらつくけど釣果が安定するなど、適度な応用も覚えておこう。

 それじゃあ、最後に釣り方だ。まあ話してもやっぱりねと思われるかもしれないけど、予想通りだよ。基本的には、とにかくゆっくりリールを巻いてくるだけで釣れる。ロッドでさびいてもいいんだけど、やっぱりリールを巻いた方が雰囲気は出ると思う。

 もし特別なアクションを加えたいと思ったら、時々リールを巻く手を止めて、小刻みに竿先を振るわせてみよう。エギは海底で微妙にユラユラと動いて誘うはずだ。再び動かし始める時は、竿先を小さくあおるようにノリを確認してみよう。わずかでも生命反応を感じたら、少し待ってから大きく竿をあおってみる。海底に貼りついたマダコを剥がして浮かせるようなイメージで、大きくスムーズにあおるのがコツだ。

 ハリに掛かったら、とにかく海底へ戻られないように一気に浮かせよう。マダコの引きは予想外に強く、大型になるとちょっとやそっとじゃ浮き上がらない。それでもカンナが伸びない程度に、力で勝負を決めてみたい。海底に貼りつかれたら、もう勝負は負けになるのだから。まあ気楽に楽しんでみてよね。

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