このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2000/12/14号 に掲載された記事です

船からアオリイカを狙うとこうなる
 とどまる所を知らない盛り上がりを見せるアオリイカ。エギングの人気は、ついに陸っぱりだけでなく、オフショアの方にまで広まりを見せ始めている。乗合船、仕立船、そして手漕ぎボートにまで、その人気は浸透しつつある。

 最近の陸っぱりでは、かなりのアングラーがフィールドへ繰り出していて、思ったようなポイントで釣りができないほどの状況だね。ところがお気に出てしまえば、ポイントはたっぷりある。しかも手漕ぎボートなどでも、ボートの数が決まっているから、釣りができないほどの混雑は考えられない。

 そんな海の状況で釣りをするんだから、陸っぱりより船からの方が大漁になるケースが多い。もちろん昼間だってチャンスは多い。最近は昼間のエギングも話題になっているけど、昼間の場合は他の釣りとのバッティングによるトラブルも多い。

 そんな状況で釣れるからと言って無理してポイントへ入っても、他の釣り方をしているアングラーとケンカになる可能性がある。夜だと目的を同じくして集まるアングラーが多いので、そのあたりは考えて行動したいと思う。釣りでトラブルを起こしたらつまらないから…。

 さて、ちょっと横道にそれちゃったけど、現実に船や手漕ぎボートで釣りができるのは、昼間だけと相場が決まっている。昼間エギングをやるんだったら、ボクは船からの釣りをお薦めしたい。最低限のルールさえ守れば、大海原で気持ち良く釣りをする事ができるんだ!

 それじゃあ船からの釣り方の紹介を始めるよ。基本的にはキャスティングしない。船の真下を攻める釣り方になる。まれにマヅメ時には曳き釣りをする事もあるんだけど、夜は漁師さんに任せておこう。ボク達アングラーは、昼間の釣りだけだ。

 オモリを付けた仕掛けを沈めて、海底の方でシャクリ続ける。そんなイメージの釣り方が、船からのエギングなんだ。ひとつだけ違うのは、陸っぱりと違っていても釣れるとは限らないこと。そのあたりをちょっと話しておこう。

 陸っぱりで釣っているエリアのアオリイカっていうのは、ほとんどが捕食などの目的があって接岸している。つまり射程距離にいる場合だったら、ほとんどがエギをキャストすれば釣れてしまう。色や誘い方を試していれば、その気のあるアオリイカの多い陸っぱりでは、それほど難しさを感じない。

 ところが沖の深場に潜んでいるアオリイカは、ちょっとばかり様子が違うんだ。必ずしもエサを食べたがっているアオリイカではないのに、そこを昼間直撃して釣ろうとするのだから、そこにいても乗ってこないことは多いんだ。

 そんな状況だから、1ヶ所で釣れるアオリイカは、1パイもしくは2ハイ程度のケースが多い。魚探に反応があるからといって頑張って攻めても、何も釣れない事だってあるんだ。ところが、妙にやる気のある群れを見つけちゃうと、信じられないほど入れ乗りになる可能性もあるんだよ。

 さ〜て、そんな楽しさとギャンブル性を兼ね備えた船のエギングを、アナタはチャレンジしてみる気分になったかな。もちろん陸っぱりで釣れるから、手軽にやってればいいやって人も多いだろうね。でも、一度は沖に出て釣ってみるのも楽しいかもよ。色々な好奇心が、明日のアナタを進歩させるんですぞ!

 タックルだけど、これは一般的なルアーロッドで大丈夫。あんまり長いと扱いにくいけど、67ftくらいのバスロッドが一番使いやすいんじゃないかな。昔からの専用の竿だと先調子に感じるものが多いけど、乗せた後に手で手繰る漁師さんには、それで何も問題無いのだろう。

 ボク達アングラーは、リールを使っての釣り方が一般的だから、エギに乗せた後のやり取りも考えたい。だからあまりバットの硬いバスロッドよりは、ちょっと胴に乗ってくるようなアクションのロッドが扱いやすいと思うよ。

 できればベイトタックルの方が、シャクリの操作はやりやすい。もちろんスピニングだって問題無いんだけど、シャクリでラインが弛んだ時に、ラインがベールアームに絡むかもしれない。それを承知の上で使うんだったら、どっちを選んでもいいかもね。そう言った面では、インターラインのロッドのほうが、竿先への糸絡みもなくていいね。

 リールに巻くラインは、PEラインを使いたい。一般的には1020ポンドを100mほど巻いておく。先端にはフロロカーボンの20ポンドを先糸に結んでおこう。これは12mもあれば十分だ。

 その先には、専用の中オモリを結んでおく。オモリの両端にサルカンを鋳込んだような形状だ。ただ慣れないと、仕掛けを沈める時に絡んでしまうことが多い。こんな人は、マゴチ用の鋳込み天秤を使ってみるといいだろう。これなら天秤のアームがある分だけ、仕掛けが絡む確率はかなり低くなる。せっかく探っているのに、仕掛けが絡んだら釣りにならないからね。

 先オモリの下には、ハリスを長く結ぶ。目安はおよそ4〜5ヒロ。フロロカーボンだと、糸さばきも腰があって問題無い。あまりハリスが短すぎると、エギが自然な動きをしないのか、思ったほどの釣果を出しにくい。

 エギは陸っぱりと同じで良いんだけど、あまり小さなものよりも、アピールと強度を重視して4号以上の大きめを使おう。カラーは季節にもよるけど、ボクは赤と緑がわりと気に入ってる。特にDUELのカラーNo.271は、いつも船に持ち込むパイロットカラーだ。

 釣り方は簡単。仕掛けを海底まで沈めて、ハリスの長さ+1m巻き上げる。そこを基準にして、大きくロッドをあおってシャクリを繰り返すだけだ。簡単だから、是非皆さんもやってみて下さいな!

戻る