このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2001/01/11号 に掲載された記事です

アイナメの捕食場所を狙い撃ち
 冬になると釣りたくなるのが、根周りで楽しめるアイナメだ。真冬の間だけは釣りにくくなっちゃうんだけど、春になれば大型の渡りアイナメも楽しませてくれる。

 これからしばらくの間は、テトラや岸壁の周りなどが中心で、暖かい春には砂地も含めて広範囲を回遊する。アイナメが砂地?と思う人もいると思うけど、春の大型渡りアイナメと呼ばれているものは、大移動する時に、途中の砂地でもエサを活発に捕食するんだ。

 今回はまだ冬だから、取り敢えずは一般的な根周りやヘチの話しをしておこう。基本的にはワームを使った手軽な釣り方になる。但し、底を取る感覚が甘いと、とんでもなく根掛かりが多くなるので注意したいものだ。

 さて、ボクの狙い方は2通り。最初は堤防のヘチを攻める。そんな時は、比較的柔らかめで胴調子のロッドを使って、ヘチ釣りの要領で静かに攻める。基本的にはスプリットショットリグを使い、できるだけ自然にユラユラと沈められるようにしている。

 この時に重要なのは、自分が底を感じ取ることのできる、最も軽いショットでやるということ。軽ければ軽いほど、アイナメは釣りやすくなるとボクは思っている。

 但し、自分が底を感じ取れないほどに軽くすると、肝心な部分を探っているかどうかが分からなくなっちゃう。あくまでも自分のできる範囲でやってみよう。上手い人との差というのは、これができるかどうかではないかな。

 ラインを細くして、先端には根ズレ対策としてのリーダーを少し結んでおく。ボクがヘチを狙う時は、ナイロンの4ポンドに、リーダーはフロロの3号を使うことが多い。最もこれは水深が3mくらいまでのヘチで、それ以上の水深を釣るなら、メインラインにPEの5ポンドを使っている。

 この釣り方の特徴は、とにかく自然に静かなフォールをすることなんだ。ヘチは最も手軽に狙える場所だから、そこで捕食するアイナメも神経質になっているからだ。それを釣るには、アングラーも集中する事が大切だね。

 アイナメって面白いもので、一度釣れた場所だったら、再び同じ場所で釣れる。捕食する場所が決まってるって事なんだよ。だから一度釣れたら、その場所を覚えておこう。かなりのピンポイントで捕食するのだから、10cm刻みでポイントを覚えておきたいものだ。

 誘い方は簡単で、底まで沈めたらゆっくり上下するだけで良い。たまには数cm単位でチョンチョン動かして誘ってみるのも効果がある。そのときの反応を見ながら色々と試してみてね。

 後は最初の沈め方なんだけど、ちょっと最近感じていることがあるんだ。一般的にヘチを攻めるときのフォールの方法なんだけど、普通はそのまま真下へスルスルって沈めるよね。でも前打ちの要領で、少し向こう側からのカーブフォールで、沈みながら徐々に手前へ来るようにした方が、着底直後の誘いで当たることが多いような気がしている。

 あとはアタリがあってからのアワセだけど、それほど慌てることはないと思う。軽く送りこんで吸い込ませてから、大きく抜き上げるようにロッドをあおればいい。ビシッとあおるとすっぽ抜けるような気がするよ。あくまでも吸い込む捕食の魚って事を忘れずにね。

 では、もうひとつの狙い方を簡単に紹介しよう。それはちょっと先の根周りを攻める方法だ。堤防の近くってのは、どこでも捨石やエグレなどがあるものだ。完全な砂地で釣れるのは、最初に話した春の移動の時だけど、それ以外の時期は根周りだけを狙う。

 根掛かりも多いのだけど、その岩穴の奥深くや、エグレの裏側などに潜んでいることが多い。何となく感じているのは、その隠れ家へ潮の動きによって入ってくるエサを、その中で食べているように思える。

 だから隠れ家の入口が、沖に向かっているような場所に分があるように思う。同じ場所を狙っても、岸から釣るより船からの方が釣りやすいのには、こんな理由もあるのではないかと思う。

 だから重要なのは、いかにして底を感じ取りつつ隠れ家の中を直撃できるかだ。岸からの場合は、とにかくそれらしい場所を見つけることから始まる。当然根掛かりも多くなってしまう。

 そこで一般的に使われるのが、キャロライナリグなどのように、針先をワームの中へ隠して使う仕掛けが有利になる。根の中を狙うため、針先が露出してしまうジグヘッドリグは、こういった釣り方には向いてない。根掛かりを少なくすることは、アングラーのマナーでもある。

 このリグをキャストして、隠れ家を見つけたら作戦決行だ。リグを引いていて、何となく深くなったような気がする場所があるはずだ。そこはおそらく穴になっていて、その奥深くにアイナメが潜んでいることが考えられるよね。

 それを見つけられればラッキーなんだよ。そのまますぐにベールを返してラインを送り出してみよう。時には1mも出ていくケースもあるんだよ。大抵は、この沈め直したときにアタリが出るはずだ。あとはアワセと同時に、一気に引きずりだしちゃおう。もたもたしてると、その場所から出てこなくなる。根ズレでラインブレイクの危険もある。

 話しが前後しちゃったけど、キャストして探る釣り方の場合、ヘチを攻めるような柔らかい胴調子だと扱いにくい。アタリを感じ取りやすい繊細なティップと、一気に引き抜くバットのトルクが重要になってくるはずだ。

 アイナメには様々な釣り方があるけど、一般的にはこの2通りがやりやすいのではないかな。釣り場に合わせて選んでみてね!

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