このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2001/02/08号 に掲載された記事です

ジギングで手軽にシーバス
 シーバスと聞くと、多くのアングラーは、陸っぱりからのルアーフィッシングを思い浮かべるよね。でも既にみんな知っての通り、シーバスは船からの釣り方も十分に流行っている。中でもジギングは、シーバス初心者でも釣果は確実だ。

 今回紹介するのは、ベイエリアを中心とする、シーバスのジギングだよ。キャスティングで狙う釣り方だと、それなりにコントロールを含めて慣れてないと釣りにくい。キャストコントロールが満足にできてない場合、ポイントへ密着しているシーバスをヒットさせるのは難しい。

 特に昼間はストラクチャーへピッタリと寄り添うようにしているケースがほとんどだから、ベストシーズン以外は夜の釣りが多い。しかし、ジギングは違う。それなりに水深のある場所を狙うから、昼間だって海底付近のストラクチャーを狙えばいいんだよね。

 東京湾などを例えに話すと、潮の止まっている時間帯はなかなかヒットしてこない。ところが潮の動き始めと同時に、急激にルアーを追い始めることがある。魚探にはたくさんのシーバスが反応していても、全く釣れないことがあるけど、こういった自然現象の変化が捕食のスイッチを入れるんだ。

 やっぱり魚ってヤツは、いつでもどこでもエサを食べるって訳じゃないんだよね。人間と同じで、食べたい時もあれば、見るのもいやな時だってあるはずだ。アングラーとしては、その捕食モードのスイッチが入るのがいつかを知ることで、そのタイミングをいかに狙えるかって事じゃないかな。

 さて、タックルの話しをしてみようかな。これは意外なほど転用の効く釣りで、専用のロッドもあるんだけど、バスタックルが使えちゃうんだ。ブラックバス用のロッドは短くて硬いものも多いし、それなりに重いメタルジグを使っても大丈夫。派手にシャクリを続ける訳じゃないから、多少柔らかく感じても使えるんだよ。

 ボクが普段使っているのは、6.6ftくらいの胴調子で、ガチガチに硬いものより柔らかめだ。硬すぎると、フッキングしてから弾いて、あっさりとばらしちゃう。胴調子で柔らかめの長めってのが、魚をヒットさせてからの扱いが楽だね。

 リールは、自分の好みで決めればいいね。ボクはスピニング派なんだけど、ベイトでフォール中のアタリを取って釣る人も最近は多い。スピニングでもフォール中のアタリは取れるけど、ちょっとコツと慣れが必要だね。

 どんなアタリも確実にキャッチしたいって人は、やっぱりベイトタックルが有利かなぁ。まあ、得て不得手があるだろうから、自分の持っているタックルを利用すればいいんじゃないかな。

 但し、リールに巻いておくラインに関しては、絶対にPEラインを巻いておこう。水深のある場所で重いジグを使うんだから、伸びの少ないラインを使うのは常識と思っておこうね。せっかくアタリがあっても、ラインが伸びるとチャンスを逃しちゃうよ。

 一般的にジギングでシーバスを狙う水深は、2040mくらいまで。だからリールに巻いておくPEラインは、100mもあればいい。リールに巻いてある上側が痛んできたら、先端をカットしないで芯側と巻き替えればいい。

 ラインの先端には、PEラインを使う時のお約束として、ショックリーダーをつなげよう。材質はナイロンでもフロロでもいいんだけど、ボクはフロロを使うことが多い。その理由は、蠣殻などのようにラインを傷つける物が多い場所を釣るから。外海で普通の根周りを釣るならば、それほどこだわらなくてもいい。

 これは今までにも話しているから分かると思うけど、ナイロンリーダーは根ズレに弱い。キズが付くと、そこから一気に弾けるように切れてしまうことが多い。しかし、フロロカーボンリーダーは、多少のキズが付いたって切れない。そんな理由でフロロを使っている。

 それじゃあ、ルアーの話しに移ろうか。とにかく水深のある場所をジギングで釣るんだから、メタルジグは絶対持っていたい。PEラインを10ポンド、ショックリーダーを2030ポンドにした場合で、仮に水深を30mと仮定しよう。

 このような条件で釣ったとして、一般的な湾内だったら28g程度で十分だ。だけど、前記のように潮の動きが重要だ。潮の動かない時だったらそれでもいいけど、潮が動いている時は重いジグが必要になる。4060gが一般的な重さと覚えておこう。時には80gだって出番があるんだよ。

 どうかな。たったこれだけの道具を持っていれば、シーバスを船からジギングで手軽に釣ることができるんだ。あとはバラシにくくするために、フックを一般的なトレブルフックから、シングルフックやスゥイングフックなどのバラシにくい物に替える方法もある。

 実際の釣りでは、釣れるときは難しく考える必要はない。船長の指示ダナを目指してジグを沈めよう。活性の高い時だったら、そのままリールを巻いて誘い上げてくればいいんだよ。アクションもチョンチョンと誘う程度で十分だ。

 反応の悪い時は、激しくロッドをあおり、ストンと落とし込んだ瞬間に食わせてアタリを取る方法もあるんだ。前者ではリトリーブだけでちゃんと泳ぐスイミング系のジグを使う。後者では、ストレート系のジグを自分で操作して使うのが特徴なんだ。その時の状況に合わせて、ルアーセレクトとアクションを決めてみよう。

 大切なのは、これで絶対と言いきれるパターン化の釣りではないってことだ。リールを巻くスピード変化だけで、シーバスの反応は変わるんだよ。とにかく手軽に気軽に、シーバスのジギングを楽しもうよ!

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