このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2001/02/20号 に掲載された記事です

冬のサーフはヒラメが熱い!
 そろそろ一年のうちで、最も寒い時期になるね。でも春はすぐそこまで来ている。長い冬を乗り切るためには、やっぱり釣り場へどんどん出かけるのが一番だよね。

 今年は、この寒い日の早朝を狙って、ヒラメちゃんでも狙ってみたらどうかな。ソゲでもヒラメでもいいから、俗に言うフラットフィッシュと呼ばれている魚に、ルアーを使ってチャレンジしてみない?

 ヒラメって聞くと、あんまり釣りなれてない人にとっては、高嶺の花的な存在じゃないかな。でも、大きささえ気にしなければ、意外とヒット率のいい魚だってことも覚えておこう。それなりに釣りやすい時期を選んで、釣りやすい時間帯を釣ることが重要だけどね。

 寒いからと言って、暖かい昼間を狙ったって、それほど確率は良くない。夕マヅメでもいいんだけど、やっぱり確率のいいのは、実績から言うと朝マヅメなんだよね。空が白み始めるくらいから、日が昇りきるまでが、この冬のヒラメ達のゴールデンタイムだと思う。

 最も釣りやすい場所は、やっぱりサーフじゃないかな。砂浜って、一見するとポイントを見つけにくいんだけど、実は波の侵食でできたデコボコなんかが、こういったフィッシュイーターの集まる絶好のレストランになっているんだ。

 まあ、実績のあるサーフだったらアングラーも多いし、釣り新聞や雑誌、インターネットなんかの情報を調べれば、すぐにイチ押しの釣り場は見つかるよ。実績のある場所で、早朝のマヅメ時を狙うってパターンを試そうよ。とにかく行かなきゃ、釣りは結果がでないから。

 さて、サーフで釣るからには、それなりのタックルが欲しくなる。波もあるから、適度な長さがないと、波の影響を受けて釣りにならくなっちゃう。いくらチェストハイのウェーダーを履いたって、やっぱり専用のタックルが欲しくなる。

 一般的には、10ftくらいのシーバスロッドが欲しいね。個人的には、シーバスロッドの中でも、ちょっと硬めのロッドをおすすめ。ヒラメは時として張りつくような行動を取るから、ロッドのバットに強さがないと、波口で引き寄せるのが大変になっちゃうからだ。

 リールも、それに見合った大型のちょっと手前くらいのサイズがいいかな。いわゆる大型リールだと、投げ続けていて疲れやすい。小さすぎるとリールが軽いから、その分だけ竿先が重いようなバランスに感じちゃう。それだと先重りのするタックルになるから、やっぱり使い勝手が悪くなる。

 ラインはナイロンでもPEでも、それぞれの好みでいいと思う。ちなみにボクの場合、岸からミノーを使う釣りではナイロンを好んで使っている。PEって感度が良すぎるから、大きなミノーとかを使い続けていると、意外なほど疲れるんだ。それにナイロンの方が、魚を掛けてからイージーに操作できると思ってる。

 最近ではミノー以外にも、メタルジグやワームを使った仕掛けが好まれている傾向がある。でも、そこにヒラメが確実にいるんだったら、やっぱりミノーが一番勝負は早いと信じている。遠くの方にもヒラメはいるけど、真っ先にその時間帯に狙いたいのは、波の裏に潜んでいるヤツだから。

 やる気のあるヒラメを先に釣ったほうが効率的だから、最初からメタルジグを使うなんてことはやらないよ。ワームを使うのだって、ボトムを引かないと、ヒラメが反応してこないような状況だと確信した時ぐらいだな…ボクは。

 そんな訳で、ボクがここでお薦めするのはシンキングミノー。911cmくらいの大きさで、プリプリとボディをアピールできるのが、活性の上がっていると思われるヒラメには強い。細身のミノーは、波口で波の影響を受けやすいので、よほどしっかりした泳ぎでなければ避けた方がいいと思う。

 参考までに、ボクが使っているミノーを紹介しておこう。ボクがパイロットルアーとして使うのは、DUELのアイルマグネットS90だ。これにはパールイワシというカラーがあって、なかなか良い仕事をしてくれている。ホログラムイワシもあるんだけど、早朝の実績では何故かパールイワシが一番だ。

 それじゃあ、釣り方の話しをしておこうね。まずは釣り場に立ったらやること。それはポイントの見極めだ。砂浜はご存知の通り、刻一刻と地形が変化している。海の中はヨブと呼ばれるデコボコもあるし、波口には波で作られた独特の地形もあるよね。これらの影になっている部分が、ヒラメの潜みやすい場所だ。

 それらしい場所を見つけたら、そのポイントを様々な角度でキャスト&リトリーブしてみよう。重要なのはここで、最初に立った位置からのキャストで釣れないからといって諦めないことだ。立つ位置をずらし、角度を変えて攻めてみよう。

 最初は着水と同時のリトリーブ開始でいいけど、徐々にカウントダウンして、波口の底にはり付いているヒラメも積極的に狙ってやろう。カウントダウンする時は、ルアーが手前に寄ってこないように、弛め過ぎない程度にフリーフォールで沈めてやるのがコツだ。

 ボクのリトリーブスピードは、普通の人よりもちょっと速めじゃないかなと思う。たしかに引き波を利用して泳がしたりもするけど、ちょっと速めにリトリーブしてやると、リアクションで食ってくるヒラメも多いからだ。やる気のあるヒラメを最初に釣るんだったら、これで十分通用するはずだ。

 アタリはかなり衝撃的に感じ取れるから、ビックリアワセにならないよう、重みを感じてから、引くようにしっかりとロッドをあおってやろう。あおった直後にロッドを戻しちゃうと、ハリの穴が広がってすぐにバラシちゃう。そこに注意して、波を利用しながらキャッチしよう。

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