このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2001/03/08号 に掲載された記事です

ソフトルアーでマアジにチャレンジ
 一年の間で、何度となくチャンスのあるターゲットとして、マアジが最近注目を浴びている。エサ釣りや船のターゲットとして有名な魚だけど、意外なほどにルアーへ反応してくるターゲットなんだ。

 今回お話するのは、ソフトルアーを使った釣り方だ。でも、メタルジグでも釣ることができるし、まだまだ可能性を持っているターゲットとして見ていきたい。釣れるサイズによって、釣り方を変えていく楽しみもありそうだ。

 夜の漁港では、明かりの下に回遊してくるマアジの群れが見受けられる。サイズはシーズンや地域によって異なるけど、1025cmとまちまちだ。沼津あたりで釣れるのは、15cmくらいが多いかな。いい群れがくれば、20cm級が当たり前のように釣れる。そうなれば大歓迎だ。

 マアジは群れで行動するから、1尾釣れたら後が続く。魚が見えていれば楽だけど、そうでない場合にはガンガン攻めてみよう。表面に見えなくても、深い場所を回遊していることだってあるんだよ。明かりの下に浮いてなかったら、影との境を狙ってみるのがおすすめ!

 タックルは、繊細なウルトラライトタックルがベスト。とにかく柔らかくて食い込みのいいロッドを使って、細いラインで小さなルアーを使う。これがひと言で説明する、マアジのタックルだ。

 ラインは、23ポンドで、ルアーを食った時に悟られにくいよう、ナイロンラインを使う。感度がいいからとフロロやPEを使う必要はないし、逆にアワセが難しくなるのでお薦めできないね。

 ボクのお薦めするラインは、DUELのアイルトラウトで、これの2ポンドか3ポンドを使う。このラインの特徴は、寒い冬でも絡みにくいことなんだ。寒い場所だとラインって硬くなり、リールからブワッと噴出しやすい。これが冬に最も多い、ライントラブルだ。

 小さくて軽いルアーを使うから、ラインのテンションが低い。その状態でリールを巻くから、次にキャストする時にラインが噴出しやすくなる。これがバックラッシュになるんだよね。これを防ぐ方法はテクニックとしてもあるんだけど、やっぱりそうなりにくいラインを使うことが一番だよね。

 アイルトラウトってラインは、万一絡ませてしまったとしても、とてもほどきやすい特徴も持つ。使われている素材に秘密があるんだけど、まずは使ってみて違いを体感して欲しい。ボクが一番おすすめできる、ライトラインの代表格だ。

 さぁ、さっきから何度も話に出てきている小さくて軽いルアーなんだけど、これはスプリットショットリグが最も使いやすいと思う。マアジの捕食は吸い込みなので、ジグヘッドリグを使うより、ショットとフックの間をあけた方がいい。吸い込んだ時に、口先へショットがぶつかるのを防ぐためだ。

 23ポンドのラインだと、ボクが使うのは1gのカミツブシオモリを使う。ハリとショットの距離は、だいたい1cmくらいでやっている。あまり距離を広げすぎると、逆にアタリがあってからのハリ掛かりが悪くなるから、長くても3cmまでにとどめておいた方がいいと思うよ。

 ハリは細軸でフトコロの広いものが刺さりやすく、ボクが好んで使っているのはヤマメバリだ。使うワームは、グラスミノーのSSが多いから、それに合わせてヤマメバリの89号くらいを使う。

 先に書いてしまったけど、グラスミノーのSSで、グローがボクの好きなカラーだ。一般的にはパワーシラスを…って所なんだろうけど、ボクは独特のテールの動きをする、グラスミノーに思い入れがある。パワーシラスだと、テールが長すぎるのか、どうもフッキングがよくないように思える。

 それなら小さくちぎって使ってはどうかと聞かれるのだけど、短くすると思ったほどの動きがでない。そのために、ボクはパワーシラスの出番があまりないんだ。その分だけ活躍してくれるのが、グラスミノーのSSだってわけ。

 さぁ、それじゃあ釣り方にいってみようか。まずは群れが明かりの下に見えている場合だ。これが意外とエキサイティングに楽しませてくれる。やったことのない人は、小さな魚はつまらないという。でも、実際にやってみると、食いそうで食わないマアジの反応に興奮する。

 こういった時には、とにかく水面直下で食わせることを心掛けてみよう。小刻みにグラスミノーのテールだけを振動させる程度に、竿先を使ってアクションを加える。その時はワームが沈まないように、一定の深さで引いてくるのがコツだ。

 興味を持ったマアジは、たいていここで食いついてくる。食わずに戻るやつは、その瞬間にスッとロッドを立てて上に逃がしてみよう。それで食ってくるマアジは多い。この誘い上げの直後に、少し沈めると食ってくるケースが多い。色々と誘いの動きを研究してみよう。

 それから、群れが見えない場合だけど、こういった時はいるかどうか分からないから集中力が低下しがちだ。だからっていい加減い釣っていると、よけいに釣れなくなってしまう。悪循環に陥らないためにも、集中力を持続させよう。

 沈んでいることが多いので、いるという前提でワームをしっかりとカウントダウンしてみよう。目安としては、沈んでいくワームが見えなくなる程度まで。それくらいの深さを泳いでいることが多いからだ。

 もちろんもっと深い場所を、大きな群れで泳いでいることも多い。少し沈めて反応がなかったら、ボトムまで沈めてから、とにかくゆっくりリールを巻いてみよう。

 アタリが来たら、スッとロッドを立てながらリールを巻き続ける。この時にラインを弛めちゃうと、口が切れてバラシてしまう。ソフトに繊細な扱いで、確実に取り込もう。

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