このページは 週刊テレビから発刊されている Hello Fishing
2001/Winter特別号 に掲載された記事です

冬のライトタックル
 寒い冬だからこそ、夜釣りでライトルアーフィッシングを楽しんでみたい。普通に考えたら、寒い冬って家でジッとしていたいよね。まして夜釣りなんて寒くてやってられないよね。ボクもそう思うよ。

 でもさぁ、そんな事を言ってると、冬の間は陸っぱりのターゲットが減っちゃって面白くないよね。ボクとしては、もっともっと色々な魚をみんなに釣ってもらいたいよ。だって楽しいんだもん。

 みんなは楽しい釣りって好きじゃないかな。そんな事ないよね。それだったらさぁ、寒いの我慢して海に行こうよ。釣りに行こうよ。みんなでワイワイ騒ぎながら釣ったっていいからさ。

 ところで冬のルアーって聞くと、やっぱりみんなはシーバスかな。他にどんなターゲットを知ってるんだろうね。ボクが冬のルアーフィッシングで真っ先に思い浮かぶのは、何と言ってもカサゴだね。暗闇の中で神経を集中しながら、根掛かりさせないようにアタリを取る。

 なるべく風のない夜を選んで、岸壁や堤防のヘチを静かに探ってみよう。ジグヘッドリグを使って、そこにはワームをセットする。伊豆半島だと、意外と面白いのが赤系統のカラーだね。グローに比べると、目立たないけど釣れるんだなぁ。

 アタリがあったらすぐにアワセないで、軽くテンションを掛けてしっかり食い込ませちゃおう。案外吐き出さないものなんだよね。慌ててあわせるとすっぽ抜けちゃうから、ノンビリ釣るのが秘訣だね。

 そうそう、船揚場のスロープの際なんかだと、極端に水深の浅い場所があるでしょ。深くても1mくらいの場所なんだけど、意外なほどにこんな浅場が溜まり場になってることがあるんだ。但し、干潮時に露出しない程度の水深だよ。

 もし釣り場でそんな場所を見つけたら、ちょっとミノーを投げてごらんよ。群れで寄っている時があるから、もしそんな場所に遭遇したら大変な事になるよ。25cmくらいの立派なカサゴ達が、突然入れ掛かりになっちゃったりする。

 次に紹介したいのはカマス。エンピツみたいなヤツじゃなくて、この時期に釣れるカマスは30cm級が普通に姿を見せるんだ。以前は冬のマヅメは細くて水っぽいヤマトカマスが多かったんだけど、ここ数年は太っていて美味しいアカカマスが多くなってきている。

 数年前までは、この時期のアカカマスといったら南伊豆方面に集中していた。ところが、去年アタリからは、高水温の影響なのか、どこにでも出没している。こんなチャンスを逃すことないよね。ボクだったら、情報を聞いたらすぐに飛び出しちゃうよ。

 夕マヅメになると、ベイトフィッシュさえいれば、毎日決まった時間に釣れ始める。少しくらい潮が悪くたって関係ない。バシャバシャとライズが始まって、そこをうまく引いてこれれば、ほとんど間違いなくルアーにヒットしてくるんだ。

 4ポンドくらいの繊細なタックルで釣るんだけど、一般的にはマイクロミノーを使って狙う。たしかに勝負は早いし、ルアーで狙って釣ったという満足感もある。釣ることだけに満足感を期待しているんだったらそれでいい。

 でもさぁ、最近は釣って食べる目的のルアー屋さんって多いよね。それだったら、家族の晩御飯の食卓にカマスを出したいよね。家族4人だったら、やっぱり4尾は釣って帰らないと!

 それだったら、あえてミノーを使わずに、ワームを使って釣ってみたらどうかな。手っ取り早いのは、やぱりジグヘッドリグだね。でも意外とフッキングが悪い。カマスもタチウオみたいに食い遅れることが多いから、フッキング率を高くしようと思ったら、少し後ろにタンデムフックをセットすると効率的だね。

 これを使えば、フッキングが良くなるだけじゃなく、バラシも少なくなるよ。一度試してみれば。でもあんまり渋い時には向かない。どうも余計についてるフックが気になるみたいで、アタリの回数が減っちゃうんだ。適度にアタリがあっても掛かりにくい時に、このリグを試してみるといいね。

 最後に紹介するのはメッキ。メッキと言うと、青空の下でアップテンポに釣るってイメージを持ってる人がほとんだだよね。でもね、メッキって夜でもちゃんと釣れるんだって知ってたかな?

 完全に真っ暗な場所で釣れるのは少ないけど、漁港の明かりの下なんかって、ベイトフィッシュが集まっているでしょ。昼間ほどの派手な追いをする場所は少ないんだけど、意外なほどに大型?のメッキが、かなりの確率で釣れるんだよ。

 例えば数年前の話を例にすると、その年は昼間のメッキが不調だったんだ。だけど試しにやってみた夜釣りだと、昼間全然見かけなかったのに、夜になったら大きな群れが港内に入り込んでいた。時折ベイトフィッシュに反応しているところにキャストすると、意外なほど簡単に釣れちゃった。

 釣り方で特徴的なのは、キビキビ動かす昼間の釣り方に対して、ちょっとスローで食わせの間を与える事を意識するって事かな。動かし続けてると追いきれないみたいで、時々ポーズをとってみるのも有効なテクニックなんだ。

 やっぱりこの時期になると寒さも増し、水温低下で死滅回遊魚のメッキは元気がなくなる。メッキだからって、いつでも同じようにガンガン動かせばいいってもんじゃないんだよね。相手の様子に合わせた釣り方が、どんな釣りでも重要だって事なんだね。

 寒いけど、ちょっとくらいは冬の釣りに行く気になったかな。「えっ?やっぱり寒いからイヤ?」それなら行かなくてもいいよ。あ〜ぁ、もったいないね。それじゃあやる気のある人だけで出かけよぉ〜!

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