●1999年1月号
茨城って凄い!



地域によるターゲットの大きさの基準の話しをしよう

こんな未開の地がまだまだ近場に残っているなんて、やっぱり茨城って凄いよね。

 今回は、地域によるターゲットの大きさの基準の話しをしよう。世間で言われている「その魚は大きい」とか、「そんな小さいのリリースだよ」な〜んて話しって不思議に思ったこと無い?

 凄く単純な疑問なんだけど、ショアでもオフショアでも、決まってヤリ玉に挙げられるのがヒラメ。なるほど、そう言われてみればそうだなぁ・・・って思った人は、いつもしっかり魚を釣っている人だろうね。

 一体どれくらいのサイズに育ってから、ソゲがヒラメに昇格するんだろう。これって考え始めると不思議でしょうがない。えっ?何でそんなに不思議かって?

 だってそうでしょ!同じサイズのヒラメを釣ったって、ショアから釣ったらヒラメで、オフショアで釣ったら同じサイズでもソゲって言われる事ってあるはずだよね。もちろんその逆だって有る。たまたま30cmくらいの小型が釣れたりして、船の上ではソゲだなぁ・・・なんて会話だったのに、次の日のスポーツ新聞にはヒラメになってたり。時にはサイズが大きく化けてる事もあるようだけど。

 初めて釣った人だったら、30cmでもヒラメはヒラメ。ソゲって言われたら、ちょっと悲しいよね。逆に自分でソゲだと思っていても、「小さくたってヒラメはヒラメじゃん」って誰かに言われたら、ちょっぴり嬉しくなっちゃうかも知れない。

 結局30cm程度でも、初めて釣った人にとっては価値ある1尾なんだよね。もちろん大きいのが釣れればその方が嬉しいだろう。ボクだってそう思うよ。まあ、少なくとも放流事業で成り立っているのが現状のヒラメだとは思っている。いくら大きいのが釣れたって、結局は天然物よりも放流した物が育って釣られている事の方が多い。そんな気がするのはボクだけ何だろうか。

 そんなことを考え始めると、放流事業で今でこそ釣りやすくなったヒラメだけど、大きいの釣ったからってどうなんだろうって気にもなってきてしまう。

 そんな事を考えている折り、茨城県のとあるショップへお邪魔したときに興味深い話題が出た。

 一般の陸っぱりルアーマンが、ソゲではなくヒラメと言い切れるサイズとはどれくらいなのかと言う内容の話しなんだ。みんなはどれくらいのサイズが境だと思う?

 ちなみに茨城県はヒラメの放流事業が盛んで、ルアーでたくさん釣られている数々のヒラメ達も、やはりこの放流事業の結果のようだ。しかも素晴らしいことに、「30cm以下は放流しよう!」と言う看板が、漁港などの至る所で目に付く。

 たしかに釣ろうと思えば容易に釣れてしまうサイズだけに、このような徹底した放流事業のアピールは素晴らしいと思う。

 そして何よりも凄いのは、何人か出会った人の口からは、かなり大きなサイズまでをソゲと呼んでいる事実だ。全員がそうとは思えないけれど、かなりの人が同じような反応をしてくれた。

「相模湾や駿河湾で40cm程度のソゲを釣って威張ってるようじゃ、たかが知れているネ。60cm以上のをたくさん狙って釣ってから、オレはヒラメを狙ってるんだって言うんだゾッ!」って話しの具合だ。

 今年もちょっと前までアイルDBで数多く釣られたヒラメ達は、それこそ60cmオーバーのヒラメと呼ぶにふさわしい魚体だった。

 そんなの見せられちゃったら、40〜50cmのヒラメを釣ってても、「オレはヒラメを狙ってます」なんて言えなくなっちゃうよね。

 今一番ルアーマンを含むアングラーにとって大切なことは、あれは釣っていいけど、これはダメなんて話しじゃない。それよりも、リリースするならどれだけ魚にダメージを与えないリリースができるかなんじゃないかって。

 釣りって所詮は魚という生き物を相手に、人間達が好き勝手に遊んでいるだけなんだよね。色々な釣りをやっていると、人それぞれに意見の食い違いもある。

 ここ数年は、ルアーマンにも食べれる分だけ持ち帰ると言う人が増えてきたような気がする。もちろん幼児虐待ゲームを薦めはしないけど、やっぱり「どうせ釣るなら楽しく釣ろう!」って気持ちで釣りを楽しみたいのはみんな同じだと思う。楽しいから釣りをする、釣りを出来ることが嬉しい・・・。そんな気持ちをいつまでも持ち続けてネ!

 今回はもうひとつ、面白い話しをしておこう。これも茨城での話しなんだけど、一応オフレコにしてって言われているので残念だけど場所はあかせません。

 それは、ある場所でシーバスがルアーでたくさん釣れるという話しなんだ。その人の家の庭を通り抜けないと、その超A級ポイントへは入ることができない。しかも今までルアーに興味が無かったので、全くの手つかず状態だったらしい。

 ところが、ある日突然ルアーをキャストしてみたら、自分の家の庭がとんでもない程のシーバス爆釣ポイントであったという訳なんだ。

 聞いた話なんだけど、何たって、40〜50cmの小型は必ず釣れるし、70〜80cm級だってそこそこの確率で釣れるんだって。シーバス好きな人にはたまらない話しでしょ。

 やっぱり茨城って凄いよね。ヒラメに対する考え方といい、こんな未開の地がまだまだ近場に残っているなんて。ボクの茨城通いもまだまだ続きそうだなぁ。

 と言うわけで(何のこっちゃ?!)、「ライトアングラーの放熱98」と言うタイトルで始めたから、今回でこの連載も終わりにしちゃいます。またチャンスがあったら、楽しいコラムで登場しますね。飽きずに読んでくれた皆さん、本当に有難うございました。この後は、AFISのホームページでお会いしましょうネ。


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