●2001/06 これからのエギ●

 前回に引き続き、今回も取材抜きの話題で失礼します。次号くらいからは、たぶん取材釣行の結果をお話できるんじゃないかと思います。もうちょっと待ってて下さいね。
 さて、先月号では春のポイント選定についてお話したけど、今月はこれからのエギがどう展開していくのか、ボクの思っていることについて話してみようと思う。

 かなり具体的な話になっちゃうんだけど、エギの性能と言うか能力と言うか、こういったものにしていきたいと言う、ボクの願望みたいなものと受け取ってね。最近は多くのメーカーが参入してきたエギ業界だけど、正直言ってどれも同じに見えちゃう。価格の下落が、それを物語っているんだと思う。
 価格競争になってきてしまい、お店も利益率が下がってしまうと、エギの仕入れを考えるって傾向が一部では出始めている。価格競争になるって事は、多くのユーザーにとって同じに見えてるんじゃないかな。同じものなら、価格が安いほうを選ぶのはみんな同じだと思う。

 だけど、多少高い価格でも、それが明らかに他と違うものを持っていれば、もっと釣りたいと思っている人にとっては、結果として安い買い物になると思う。たしかに激安エギでも釣れるけど、バランスが悪かったり吸水したり、カンナがもげちゃったりと、様々なトラブルの話も耳にする。
 安ければいいならそれでも構わないけど、エギングへ本当にはまっているアングラーにとって、エギはそんなもんじゃないと思いたい。ボク自身がそう思うから、ボクが思っている理想のエギを考えてみた。スペシャルなモノは別においといて、基本的なことをベースに考える。

 まずはエギのボディだ。エギのルーツは知っていると思うけど、最初は木材からのスタートだ。微妙な色の違いによって、漁師さんがエギをこまめに替えるのは分かる。でも、木を材料にした時の問題が、長時間の釣りをする漁師さんにとって気になるらしい。
 つまり、木の吸水だ。吸水の度合いによって、ボディはバランスを極端に崩し、その影響でノリが悪くなることもあるらしい。最近では木材を使った市販品のエギは一部でしかないが、その多くはウレタンや樹脂の成形ボディを採用している。

 ところが、ボクが調べた限りではここにも盲点があった。ナマリや布の固定部分はボディの下にあるのはご存知の通りだけど、成形したボディに後から腹割加工を行っているものがほとんどだと聞く。
 つまり、いくら表面上の処理をしたとしても、長時間の使用で、ここからの吸水によって、最悪の場合はバランスを崩す可能性があるということだ。スキン層からの吸水が起きるため、乾燥させないと本来の動きではないかもしれないのだ。

 しかし一部の漁師さんは、これだけの事でも嫌い、吸水しないでコストを下げる(長時間使えれば数量が少なくて済む)事を望んでいるらしい。昨今のアングラーは、長時間の釣りが多い。同じ要求があってもしかるべきだと思う。
 完全一体成形硬質発泡工法という言葉を、皆さんは耳にしたことがあるだろうか。つまり、前途の腹割加工を行わずに、吸水しないエギが作れると言うわけ。もちろん複雑な生産工程になってしまい、歩留まりも悪くなる。そのために多少のコストアップはするけど、業務用として使っている漁師さんにとっては、強い味方となるらしい。

 以前本誌で書いたけど、表面の気泡がノリに影響するという話を覚えているかな。ひょっとしたら、気泡だけではなく、吸水によるバランス狂いが影響していたかも知れないと思い始めている。
 次に、エギの目玉についてお話したい。以前ボクの運営しているインターネットホームページ「ライトタックルルアーワールド(http://www.roy.hi-ho.ne.jp/twitch/)」のBBS(掲示板)で話題にしてみたんだけど、目玉に夜光は必要かという内容だ。ボク自身は、わずかではあるが、光をあてて目立たせた方がいいと思う。しかし、意見を出して下さった皆さんは、それによって絶対的な効果は出てないという意見であった。

 たしかに絶対そうとは言い切れないだろう。むしろ昼間のエギングも人気が出始めており、それなりに違和感を持たない目玉が、これからは出てきて良いと思い始めた。
 そこで出てくるのが、ルアーでもおなじみのグラスライブアイ。でもできることなら本物に近い、球状のグラスアイの採用だ。もちろん夜光にはしないで、目玉の芯があるリアルフィニシュ。昼間でも、本物っぽく見えるし、わずかな月明かりでも面白いアピールを見せる。

 更に、エギのアクションについても、ちょっと気になっていた。多くのエギのカンナには、ソリッドが採用されているらしい。ロッドでもそうだけど、ソリッドって案外重いんだよね。ロッドだってカーボンが主流になっているんだから、エギのカンナの支持シャフトがカーボンになったっていいよね。
 強度的に問題ないし、軽いことによるメリットは大きいと思う。エギのテール部分が軽くなるって事は、うまく仕上げれば動きの感度が良くなるってことだ。ジョイントエギのようなアクションを、似たようなイメージで出すことも可能なはず。
 他にもたくさん書きたいことがあるんだけど、最後にあと1つだけお話したい。それはボディの下地のカラーだ。俗に赤テープとか言われている部分だ。

 今までは一般的に、赤テープが実績面で上を行っていた。しかし、それはほとんどのメーカーが同じように作っていたからだ。ところが特注で、金テープのボディが今までも密かな人気のあったことを知っている人はどれくらいいるだろう。
 金テープの実績は、ボク自身渋い時に絶大な信頼を寄せている。たしかに赤テープは釣れるけど、金は無くてはならないボディだと思っている。金と赤を並べて、オレンジなどの色を見ると良く分かるけど、発色の差が極端だ。
 派手すぎて嫌う人もいるかもしれないが、表面への塗装色への相性もよく、アオリイカからも好まれていると思っている。これからは絶対的に人気が出て、赤と並ぶ2大勢力になると予測できる。

 いかがでしょう。こんなことを考えながら、今現在は一生懸命エギを作っています。ボクの理想にまた少し近づき、この春には市販できると思います。もちろん、ボクのオリジナル商品として!


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