本来ならアオリイカは、春のベストシーズン真っ盛りのはず。ところが、今シーズンの関東では、昨年までのような景気のいい話が聞こえてこない。急増するアングラーの影響なのか、それとも自然現象なのだろうか。他の地域からは、それなりの釣果が聞こえてきている。それだけに、ちょっと気がかりだ。
先月号の取材でも苦労したのだけど、あえて釣りにくくなっているアオリイカよりも、他のイカ類にチェンジしてみてはどうかと思った。そこで今回は、ちょっと遠征して、千葉の海までイカを求めてさまよいに出かけてみた。
今回狙ったのは、南房の香(こうやつ)港だ。事前に入手した情報によると、ここで釣れなければ他でもダメと言えるほどに、このエリアでは人気のポイントだ。その証拠に、ポイントは真っ直ぐ伸びた堤防だけなのに、マヅメ以降のアングラーは50人ほどにもなっていた。
情報提供をしてくださったのは、千葉在住のhideさん。エギングにはまって、今では房総のアオリイカを熟知しているアングラーだ。本来なら同行をお願いしたかったけど、急な話だったので、残念ながらご一緒することができなかった。この場をお借りして・・・、どうもありがとうございました。
さて、ファミリー的で小さな堤防でもあるため、ちょっと早めに釣り場へ到着するようにでかけた。現地に着いたのは、午後3時頃。ポイントには既に、投げ釣りなどを楽しむアングラーで賑わっていた。興味深いのは、マゴチ狙いの置き竿に、それらしい魚信のあったことだ。沖が砂地になっているので、チャンスがあったら攻めてみようと思う。
足元には堤防の足回りとなる基礎があり、その周辺は砂地と海藻だけのエリアだ。水深は浅く、着水してラインの弛みを巻き取っている最中には、エギが着底してしまうほどの水深だった。堤防先端の外側だけは水深があるようだけど、残念ながらそこには先客がいた。
今回は、自分でプロデュースしてインターネット販売を始めたボクのオリジナルエギ「ナイトスクィッド35」の取材デビュー戦だ。ロッドもオリジナルロッド「ナイトスクィッド092」で攻めてみた。
まだ明るいので、最初に結んだエギは、ナイトスクィッド35のピンクだ。ボトムを叩いたり、リトリーブしたり、リフト&フォールを駆使してみるが、何の反応も海からは返ってこない。夕日が赤みを帯びてきた頃、周囲はお祭り騒ぎのような混雑で、本当にオマツリ騒ぎの連発になってしまった。
運の悪いときはこんなもので、この騒ぎの最中に、800gほどと思われるカミナリイカが乗ってくれた。水面まで浮かせてから足元まで寄せてきたのだけど、再びラインをまたいでオマツリされてしまった。ラインが引っ掛かっているのにロッドをあおられるから、せっかくのカミナリイカはカンナから外れて逃げていってしまった。
その後は何の反応もなく、無情に時間は過ぎていった。辺りが真っ暗になり、そろそろじれてきた頃、気分転換でナイトスクィッドのレッドにエギをチェンジしてみた。これが良かったのか、夜光虫でギラギラしている海から、久々の反応が返ってきたのだ。それほど大きなサイズではなかったので、今度は水面に浮かせたら、一気に滑らせるように寄せて抜きあげた。
ボトムから反応がなかったので、中層を回遊していると思われるアカイカに絞り、リトリーブ&フォールでの攻め方が正解だったようだ。とりあえずは、何とか結果を出すことができて良かった。しかし、最近の異常なマナーの悪さは、何とかすることができないのだろうか。
写真を撮り終える頃、山の方には稲光が見え始め、ゴロゴロと雷が聞こえてきた。サッと撤収して車へ入ると、突然の雨が空から落ちてきてしまった。疲れたなぁ〜!
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