●2001/10 岩地港のアオリイカ●

 このところ、どこへイカを狙いに行っても、アングラーの多さとマナーのひどさに閉口していた。そんな理由から、しばらくは他の種類のイカを取り上げていこうと考えていたんだけど、最近になってアングラーが減ってきた。
 おそらく釣れないという話ばかりが先行して、それまでアオリイカを追っていたアングラーたちが他のターゲットに切り替えたからではないだろうか。自分でエギングを盛り上げておいて言うのもなんだけど、正直言ってちょっとほっとした。

 ところが釣りにくさは変わらないようで、バタバタと釣れたかと思うと、取材に踏み切ったときに思うような釣果が出ない。前の週末には外房まで行ったけど、結果はバツ。その後は毎日近所の海にも通ってみたけど、まったく結果が着いてこない状況だ。
 やっぱり状況分析して、一発大物で勝負をかけようと思い直し、totoで2等を2本、3等を3本当てた勢い(配当は極端に低かった)で、そのまま夜の西伊豆へと車を走らせてみた。

 目的地は、以前から釣りやすさで実績のあった石部だ。いや、石部のはずだった。ところが岩地の見える位置を走っている時に、何となくいつもの直感が働いた。最近この感じがなかったんだけど、久々に何か強い波長を感じたんだ。
 車を止めて道路から岩地を見てみると、堤防には誰もアングラーがいない。こんな事はめったになく、何かに導かれるような気持ちで、岩地へと進路を変更した。

 ナイトスクィッド092にラインを通し、ナイトスクィッド40のオレンジをラインの先に結んだ。ボクの大好きなポジションへ立ち、手こぎボートで以前確認しておいた藻場の位置を頭に思い浮かべた。
 その際に着底するように、エギをキャスト。得意のノジングに迷いはなかった。最初の1シャクリ、ポーズ・・・、そして次のシャクリをやろうとした時、突然ラインを引っ張られた。生命反応を感じてアワセのシャクリを入れてやると、締め気味だったドラグが一気に10mほど引きずり出されていった。

 バットまできれいなベンディングカーブを見せて上がってきたのは、重量感のあるアオリイカだった。慎重に玉網ですくい、久々のグッドサイズに大感激。あとで軽量したら、これが1.8kgのメスだった。
 キープのつもりで写真を撮り始めて、色が変わり始めた頃にホッとひと息。そこで気づいた失態。なんとストロボの感度設定が動いてしまっている、過去に経験のない大チョンボをしてしまった。

 1パイでやめようと決めていたんだけど、写真のために改めてキャストしてみた。この時期のアオリイカは、これくらいのサイズだったらオスも釣れることを信じて・・・。そしてあっさりと決着はついた。
 先ほど狙った藻場の反対側に着底させて、再び1シャクリ。ズシンと手応えが来た。しかし、何にも動かない。全く反応がない。どう考えても根掛かりの反応だった。30秒ほど引っ張ってみたけど、結局動かず状態だった。
 覚悟して、無理やり力で引っ張ってみると、ブワッと浮き上がってきた。タコの大型にしては、全く反応がなかった。ところがゴミだと思い水面付近まで浮かせてきたら、突然の水柱が吹き上がった。数メートルの水柱の主は、紛れもない大型アオリイカだった。

 足元まで寄せて玉網におさめたものの、片手で上げることができなかった。ロッドを堤防において、両手で玉網を縮めた。足元に置いてみて驚いたのはそのサイズだ。久々に見る大型だ。
 写真をご覧の通り、堤防上は吐き出したスミと水で凄い状態になってしまった。キレイに全て吐き終わったあとの計量で、なんと2.5kgのオスだった。狙い通りの結果が出て、大満足の取材釣行なりぃ〜!


戻る