●●●これがボクのカワハギへの道ぃ〜(^O^)♪●●●

★2002/11/17 福浦港・まるせ丸

11/17(日)曇 神奈川県福浦港まるせ丸
 大潮 6:00〜16:00 伊豆山沖,真鶴半島横
  強風。アタリ少ない。
 カワハギ 16〜22cm 11枚
 オニカサゴ 10cm 1尾

「カワハギロッドのデビュー」

 今日はいよいよ、待ちに待ったカワハギロッドのデビュー戦だ。できることなら素晴らしい釣果でデビューを飾りたい。気持ちよく釣れればいいとは思っているものの、どうせならたくさん釣れた方が嬉しいからね。しかし現実はそんなに甘くなく、相変わらずの強風と水温低下に悩まされてしまった。それでも新しいロッドの調子は上々で、ボクが思っていたとおりの仕上がりだったのが嬉しかった。

 最初に釣行の様子を紹介しよう。この日はやっぱり朝から強い風が吹いていた。それでも前回ほどの強風じゃなかったんだけどね。まずは潮の速くなっている伊豆山沖だ。ここは定置網の近くなんだけど、いつもの場所であんまりカワハギの反応はない。数日前から水温が不安定で、カワハギのアタリが少なくなっているとの事前情報をもらっていた。朝だけパタパタッとエサをとりにくるから、そのときにどれだけ数を伸ばせるかが決め手だろうとの話だった。たしかにたまにアタリが出たら、しっかりと吸い込んでハリに掛かってくれる。しかしそのインターバルがとっても長い。まるでカワハギがほとんどいなくなって、回遊しているのが時々出会い頭に捕食しているのでは?と思うほど。

 早々に見切りをつけて、今度はちょっと福浦よりのポイントへ移動。ここに来た頃にはさらに風が強まって、相変わらず潮は速く流れている。0.5号の中オモリを付けてみたけれど、これくらいだと仕掛けを這わせることができないのが手元に伝わる感触でよく分かる。ここでもポツポツと姿を見せるが、すぐにまた反応が途絶えてしまった。そこで風裏の場所である、真鶴半島横へ船を移動。ここは半島の山影に入っているから、極端に強い風の影響を受けない。ただしそれほど潮が動いてないようで、ここでは0.5号の中オモリでそのまま沈めると、仕掛けの上に乗っかってしまうような感触が分かる。

「2枚掛かったぞぉ〜!」

 相変わらずアタリは少ないものの、アタリが出ればほぼ確実にハリへ掛けられる状況だ。アタリの数は少ないものの、捕食の仕方は比較的スムーズだと感じたのはボクだけだろうか。やっぱり竿がいいのかな。掛かってくるのは3本針の一番下。そこでもう少し仕掛けを這わすことを考えて、ロッドを寝かせながら中オモリを沈める。仕掛けの上に乗らないように意識して、ボトム近辺へ中オモリが届いた頃を見計らい、ゆっくりとロッドを立てながら誘ってみた。この日はほとんどが、このパターンでアタリを出すことができた。

 何枚か釣り続け、そのうち最初のアタリの後にロッドを立て始めたら、明らかに別の魚と思えるアタリが続いた。通常よりもさらに高く竿を立てるようにすると、普通のカワハギよりはかなり重い手応えがきた。慎重に巻き上げてくると、そこにはなかなかのサイズのカワハギ2枚が抵抗を繰り返していた。今回で5回目のカワハギ釣行になるけれど、2枚同時に釣り上げるのは初めてだ。こりゃあホントに嬉しかったね(^^)

 まあ決して良い状況ではなかったけど、とりあえずじっくりとニューロッドの使い心地を堪能できた1日だった。あとは水温が安定してから、更に数多くのカワハギを相手にして腕を磨きたい。今回は潮の速さによる仕掛けの弛み具合なんかも、このロッドのおかげでハッキリと感じ取ることができた。これからは微妙な感覚の違いを煮詰めながら、徐々に自分のカワハギ釣りスタイルを決めていきたいな。

「市販カワハギロッドとの違い」

 さ〜て、それじゃあ従来の市販カワハギロッドとの違いを、ちょっとだけ話しておこう。ここからは興味のある方が読んで下さればいいと思います。ロッドの長さはちゃんと測ってないんだけど、2m以下でかなり軽く仕上がっている2ピースだ。ティップはグラスファイバーのソリッドで、好みのアクションに削りだされている。通常のカワハギロッドを手にした経験のある人だったら分かると思うけど、普通はかなり極端なティップアクションだ。先端の15cmくらいが極端に柔らかくなっていて、それよりバットに近い部分はまるで棒のよう。

 最初はそういった専用ロッドを使ってみたんだけど、これだと一定以上の負荷を加えるような積極的かつ大胆な誘いで、柔らかい部分が曲がりきってしまう。そのためにアタリを感じ取ってアワセの動作へ移行するときに、ロッドの硬い部分に負荷が掛かり始めてしまうんだ。つまりせっかくアサリを吸い込んでくれたカワハギに対して違和感を与えてしまうのか、ハリ掛けるのがかなり難しいと感じられていた。通常はラインを弛ませ気味で、オモリは海底から持ち上げないのが基本だと聞いたことがあるけれど、そんなのはカワハギ次第だと思う。たしかにボクもたるませての釣り方はやるけれど、浮かせ気味からの展開でアタリを出しやすいときもあるのが現実だと感じている。

 つまりボクが欲しかったロッドの基本アクションとは、食い込ませるためのティップエリアをもう少し長くすること。それだけの繊細さを持たせたカワハギロッドは、ボクの知る限り市販品には無かった。さらにそこからバットにかけては、スムーズなベンディングカーブを必要とする。市販ロッドのように棒のような硬さだと、カワハギ独特のカンカンッと叩くような引き込みで、バラシやハリ折れなどを経験していた。鞭のようにしなやかなベンディング、そして適度な張りで強すぎないトルクが欲しかった。それでいて軽量な仕上がりが必要だったんだ。


「ジョイントによる効果」

 ここでひとつ問題となるのが、前記のようなアクションを出したとき、どうしても起きてしまいがちな重量増しと胴ブレだ。ボクの好みのアクションを出そうと普通の素材で仕上げようとすると、ロッドの中央部分から手元にかけて、どうしても柔らかくなりすぎて胴ブレが起きやすくなる。リーリング中に胴ブレが起きるのは、実際に釣っていて嫌なものだ。そうかといってブランクにテーパーをつけすぎると、結局は硬い棒のようなロッドになってしまう。これを解決する手法として、本来はジョイントのない部分にジョイントを持ってくることで解決している。

 このジョイントによって、ロッド自体を軽く仕上げることが可能となり、しかもブレの起きやすい部分の張りを出せるので問題を解決しているのだ。基本的にこのブランクは3本をつなげていると考えて欲しい。つまりグリップのついているバット、そしてジョイントのあるリーリングでのバラシ低減を意識した中央、そしてアタリを誘い感じ取りながらハリ掛かりさせるためのティップに分けられる。ティップだけにグラスファイバーのソリッドを使っている。これだけのことをロッド全体に持たせている訳だけど、それでいてなんともいえない美しいベンディングカーブを見せているのは、なんといっても作って下さったビルダーの職人芸だと思う。

 今回の話の目的はこのロッドの意図する部分を紹介だったので、だいたいイメージは分かってもらえたかな。この海の状態で25号のオモリを背負わせて釣るならば、今のボクのスタイルが変わらない限り、ずっと使い続けられるカワハギロッドがここに誕生したんだ。これからはこのロッドを使って、バリバリとカワハギを釣りまくるぞぉ〜!


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