ちょっと気が早いんだけど、今シーズンはなぜかタチウオが好調のようだ。一般的には秋になってから狙っているんだけど、茨城県の日立港へタチウオの数釣りを楽しみに行ってみた。
以前から、タチウオが茨城方面で狙われていないことが気になっていた。そんな折に鹿島港では小型が釣れていると言う話を耳にしていたんだけど、大洗港や日立港周辺では、専門にタチウオを狙っている情報は聞かれていなかったんだ。
でも、鹿島港で小型ながらも釣れるんだったら、なんでタチウオを釣らせてくれる船が出船してないのかが疑問だった。タチウオって、釣具業界でも人気があって、関西ではタチウオだけで一大市場が形成されているほどなんだから。そんなに人気のあるタチウオを狙われてないって事は、本当にいないのかなぁと思い始めていた矢先だった。
大洗港でシリヤケイカを夜釣りで狙っている人が多くなり始め、発電機とライトを持ちこんで水面を照らしている。その明かりの周辺に、小さいながらもタチウオが集まり始めたと言うのだ。
寄り始めた頃の情報では、それこそ体高が指1本程度の超小型サイズだった。それが、シリヤケイカの仕掛に掛かってきてしまうので、うるさがられているほどだった。時には心無いアングラーが、釣り上げては堤防上へ放置するほどだった。
仲間と常磐方面へシリヤケイカを釣りに行った時に、帰りがけに寄った日立港の第5埠頭で、偶然にも地元のアングラーがタチウオをルアーで釣っている場所に遭遇した。シリヤケイカも良いけど、以前から気になっていた常磐方面のタチウオだけに、次回来る時には、絶対にタチウオを釣るんだと心に決めた!
そしてやってきた釣行の日。ボクは娘のはるかを連れて、日立港第5埠頭へと向かったのだった。サイズは指2〜3本の小型なんだけど、トラウト用のタックルで楽しめる手軽さなので、子供にだって手軽に楽しめちゃう。この連載には、最もふさわしいターゲットのひとつだ。
このポイントも、多くのタチウオポイントと例外無く、夜になると水面を照らす照明がある。この明るい場所を中心に、タチウオが集まってきているんだ。もちろん夕マヅメには小さなベイトが集まり、それを使ったエサ釣り師の姿も多い。
夕マヅメにポイントへ入ったボクたちは、後方にある照明が明かりを灯し始めた頃、最初のアタリを感じていた。ところが、何度もアタリはあるのだけど、全くフッキングしてくれない。この時使っていたのは、フローティングミノーだ。横で釣っているルアーマンは、激しくジャークさせながらスレで釣っている。
そこでチェンジしたのは、ジグヘッドリグにグラスミノーM。これでもアタリはあっても、なかなか思うようにフッキングしてくれない。テールが引き裂かれたように歯型が残っているだけだ。こうなると、やっぱり得意の奥の手を出すしかないんだよね。
数年前から、タチウオのフッキング率の悪さに対応するために紹介し続けてきたタチウオリグの出番がやってきた。このリグは、いわゆる孫バリを付けたもので、フックのフトコロの部分にラインを結んで、その先にトレブルフックやアユ用の3本イカリをセットするものだ。
このリグを紹介した後、ダイレクトにフックを引っ掛ける方式も紹介されているようだが、食い遅れるタチウオに対しては、絶対的にフックを後方へズラした方が威力のあることを知っておいてもらいたい。
このリグへチェンジした途端、ちょうど群れが回ってきたようで、キャスト&リトリーブだけでヒットしてくるようになった。なんともあっけないくらいに、娘のはるかにも釣れてくる。この時期に港内へ入り込んでくるタチウオだからサイズ的には小さいけれど、十分にライトタックルを楽しめる釣れっぷりだ。
しばらくすると、単調なリトリーブではアタリが無くなってしまい、激しく動かした直後に止めて食わせる手段をとった。それでも食い渋り始め、周囲のルアーマンが釣れなくて帰り始める頃、ボクたちはメッキと同様の連続トゥイッチングを試してみた。タチウオは水面付近をウロウロしているので、とにかくアピールさせることを考えてみたんだ。
これが正解で、キャスト&ヒットの連続となった。娘のはるかにいたっては、ワンキャストワンヒットが続いている。周囲の視線を浴びながらご満悦の様子だった。とにかくルアーで良く釣り、我が娘ながら末恐ろしい。
こんな感じで、周囲のエサ釣り師たちとも和気藹々の、とっても楽しいタチウオ釣行となった。その後も順調に釣れ続いていることを、付け加えておこう。
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