K運河にて。。。


 おととし(99年)は、近場でよいポイントを探そうと、妻と毎日のようにロケハンしました。夏の雨上がりに行った、東京では有名な、とある運河にあるその埠頭公園は、いろいろな釣りものに恵まれ、無料駐車場と公衆トイレもあって言う事なしのポイントです。

 橋桁近くを攻めてみましたが、その日はシーバスの反応が無かった為、台船まわりを攻めてダメだったら移動しようと思っていると、すこし離れたところでキャストしていた妻が私のもとに来て、「落ち着かないから移動しよう」と言います。普段、そんな事は言わない妻を不思議に思いつつ、どうかしたのかと聞いてみると、キャストしていたゴロタの後ろの遊歩道をジョギングしている霊がいて、集中できないと言うのです。

 妻は強い霊感があり、霊もよく見る人なのでした。「悪意はない霊だけど、気になるだけだから」と言われてその埠頭公園を後にし、同じ運河筋の別のポイントに移動しました。移動したポイントは、足場が水面から高く、柵を抱える感じで遊歩道からキャストする形になります。二人でキャストをはじめましたが、珍しく妻はミスキャストばかりしています。強い風が吹いているわけでもないのに、と思いつつ、しばらくそれぞれキャストしていましたが、ここも魚の反応がありません。

 小1時間ほど経ったでしょうか。妻が私のもとに来て、真っ青な顔で撤収を促します。具合でも悪いのかと心配する私に「ここは危ない」と言う妻を見てただならぬものを感じ、問いただすと、遊歩道の後を道沿いにに続く林に大勢の軍人がいて、我々2人を快く思っておらず、「出て行け」と言い続けているというではありませんか。私たちが来てからずっと睨んでおり、妻のミスキャストも実は彼らの仕業だと言います。霊に対してはかなりタフな妻が蒼白になっているのを見た私も顔面蒼白になり、逃げるようにその場を去りました。

 そこにいた大勢の軍人は、自分たちの場所に人間が入って来ることをかなり嫌っていて、あれ以上あの場所にいたら、「出て行け」と言うだけではなく、運河に引きずり込むだろうと言う妻に再び「ゾッ」とした私でした。あの場所になぜ大勢の軍人がいるのかは知るところではありませんが、その運河は東京湾奥ではスーパーメジャーなポイントなので、彼らのメッセージに気付かないで運河に引き込まれるアングラーが出ないことを切に願っています。


お帰りは こちら ですよぉ〜