体が浮いてる。。。


 いつものように、伊豆半島へ出かけた帰り道。お決まりのルートで箱根越え。釣果もそこそこだったし、色々と釣れたので楽しい1日を過ごせた。その帰り道に、その恐ろしいできごとは起こった。渋滞も無く順調に箱根を下っていると、突然の寒気が体を襲った。目の前の道路は大きな左カーブで、川の上に架かった橋になっている。

 寒気は次第に強烈な鳥肌へと変わり、橋の中間点に到達する頃には、かなり嫌な感じを受けるようになっていた。時間にしたら、ほんの数秒のできごとだと思う。そして目に飛び込んできたのは、妙に違和感のある・・・。そう、目の前・・・、正確に言うと、橋の欄干の外側の離れた位置に、60歳くらいと思われる男性らしき姿があった。端の欄干の外側には地面が無く、当然そこに人がいられるはずがないのだ。

 カーブを曲がりながら、目がクギ付けになって視線をそらせない。その男性はフードを被っており、レインウエアを着ているように見えた。しかもこれだけハッキリ見えているにもかかわらず、腰から下が見えないのだ。その男性は真横を向いて、全く動いてない。ただボオ〜っとした面持ちで、横顔が見えているだけだ。幸いにも目と目を合わせることなく、無事に橋を渡りきることができた。

 あとはその後の数分間、鳥肌が消えてくれなかった。冷や汗は出るし、寒気は残っている。あれが何だったのかは、今も分からない。あまりにもリアルだったので、思い出してもぞっとする。あそこまでハッキリしたモノは、今までにも見たことが無い。助手席では娘が寝ていたけど、気づかなくて良かったのかもしれない。おそらく誰に話しても、信じてもらえないのではないかと自分でも思うほど、鮮明な身の毛もよだつできごとだった。


お帰りは こちら ですよぉ〜