先週の日曜日、まだ夜中と言える時間帯に自宅を車で出発した。目当ての魚を釣るために、眠いのを我慢して釣り場へと車を走らせていた。海岸線へと出るために、車はある峠にさしかかっていた。この峠を越えてしまえば、この日の釣り場は近い。川沿いの道を走りながら、ようやく峠の入口付近まできた。そして道路は少し狭くなり、ワインディングロードが続いている。

　車は他に走っていないので、気持ちいいペースで走ることができた。しばらく進むと直線をノンビリと走行している車がいた。その先はコーナーになっているので、かなり遅いけれど抜くことができない。仕方なく我慢して、その車のノンビリした20km/hほどのペースでついていく。すると右前方に二人の人影が見えた。白っぽい服を着た若そうな女性が、二人で記念写真を撮っているようだ。あたりはまだ暗くて、日の出までは時間がある。しかもこんな真っ暗な場所で、木を背景に記念写真を撮ろうとしている。このときは「変な人もいるもんだな〜」という程度で、あまり気にとめていなかった。普通に考えたら、真っ暗な場所で木を背景に女性が二人で記念写真なんて、ちょっと考えられない。でも早く釣り場に着きたかったので･･･。

　そして、一週間後の日曜日。今日も先週と同じルートで、目的の釣り場へと向かった。先週よりも30分ほど早い時間に、この峠の入口にさしかかった。すると先週と同じ場所に、また同じ姿をした二人の女性がいる。しかも同じ位置で記念撮影をしている。その瞬間、体全体に鳥肌がたった。絶対におかしい。こんなことあるはずがない。今度また通ったときには、ここに二人の女性はいるのだろうか･･･。