小さな白い手首はいっぱい。。。


 これは黙っていたことなんですが、氷見の宇波港から七尾に向けて帰る時の話です。この道は海沿いのワインディングロードで、晴れた昼間なんかは海の向こうに立山が見えて美しい道なんですが、夜は真っ黒な海と切り立った壁が両側を塞ぐ、結構ヤな道だったりします。伊豆にもこんな道がありますよね。

 で、宇波で仔ソイをがっぽりと釣った帰り、気持ち良く70とか80出してすっ飛ばしていると、とあるカーブに来たときに起きました。右曲がりで約60度くらいの、結構急なカーブです。
 普通の道幅の右側が、すぐ外側から下5mに海、左側が山を削った壁で、当然のごとく右にハンドルを切るんですが、切って進んでいる最中に頭にふっと浮かんだのが「どうしてハンドルを切ってるんだろう、まっすぐ進まなくちゃ」って考えなんです。

 で、手のほうもそれにしたがってハンドルを左に切ろうとし始めたんですが、私もそれなりにそういった経験がありますので、ヤバイ! という警報がひらめいたんです。で、改めてしっかりと右に切ろうとハンドルを握る手に力をこめた途端でした。
 今度は逆に、右に右に切れていくんです。慌ててブレーキを踏んでスピードを緩めるとハンドルの自由も復帰したんですが、その時、たしかに見ました。次の瞬間には消えていたんですが。白い小さな手首がいっぱい、ハンドルを握っているのを。

 そのカーブが特に事故が多いという話は聞きませんが、もしかしたらこれから事故が起きつづけるのかもしれません。


お帰りは こちら ですよぉ〜