ガードレール脇に。。。


 これは私の知人が体験した、嘘のような本当の話です。彼はその当時、本栖湖のブラウントラウトにはまって、毎週のように車で通っていました。湯河原から椿ラインを上り、箱根を越えて御殿場へ抜けるルートを、毎週のように同じ時間に走っていました。そして、その事件は椿ラインを上っている途中に起きたのです。

 椿ラインを走ったことのある方ならご存知でしょうが、湯河原から箱根へ登っていく道路で、上の方まで行くと途中で切り立った崖のすぐ脇を走るようになっています。道路脇には当然ガードレールがあるのですが、あちらこちらで車のぶつかった跡が絶えません。

 そんな道路をいつものように走っていた彼は、早朝のまだ薄暗い時間帯に不思議な光景に出くわしたのです。それは、ガードレールのある道路脇で、周辺には何もない場所です。当然普段だったら人っ気も何も無い場所です。ところがその日は、ある場所に人らしき姿が見えたと言うのです。白っぽい服を着ている女性で、何となく子供を抱きかかえているようだったと彼は言います。その日は特に気にもとめず、本栖湖のスーパーブラウンを夢見ながら通過したそうです。

 そして次の週末、また同じルートで同じ位の時間にそこを通過しようとしたのです。その時も同じ場所に人らしきものが見えたのだそうです。こんな早朝に不思議だし、先週も見かけたような気がして、彼はバックミラーに目をやったそうです。ところがバックミラーには何も映っておらず、気のせいだろうと思って、そのまま走りすぎたそうです。

 そしてまた次の週末も、本栖湖を目指して彼は椿ラインを上ったのです。そしてその日も同じように、白いものを見かけたそうです。そう、今までと同じ場所で・・・。さすがに3回目ともなると何かあるのかなと思い、通りすぎた車を止めて、彼は車をバックさせてその場へ戻ったのだそうです。しかし、そこにはやはり、誰の姿も見えなかったそうです。

 彼は何となく嫌な予感を感じ取り、勇気を出して崖下を覗きこみました。すると、崖下のその場所には1台の車が転落していたのです。まさかとは思ったそうですが、彼は急いで通報したのだそうです。そして、その転落していた車の中からは・・・。母親と、その子供らしき姿が車の中で・・・。既にお亡くなりになっていたそうです。

 事故だったのかどうかまでは聞いてませんが、そこに転落しているのを誰かに知らせるため、霊となって同じ場所に姿を現して訴え続けていたのかも知れません。これは本当にあったお話です。ご冥福をお祈り致します・・・。


お帰りは こちら ですよぉ〜