1996.04.25号
 
最近ちょっとばかり気になっていることがあるんです


 フィッシング・ホットライン愛読者の皆さん、コンニチワ。ボクの事をどれだけの方がご存じか分かりませんが、最近流行のソルトウォータールアーにのめり込んでいるルアーマンと思って頂ければいいでしょう。これから暫くの間、月に1回だけお目にかかることになると思います。
本来は発売時期に合わせて旬のターゲットなどでも紹介すればいいのでしょうが、今回は皆さんへのご挨拶も兼ねて、最近の海のルアー動向と今後のボクが見据えているモノについて簡単にお話させて頂いちゃおうと考えています。

 さて、ボクがどんな釣りをしているかと言うと…何でもやっちゃうんだなぁ〜。本誌読者の方も釣りならジャンルを問わず何でもござれというアングラーが多いのではないでしょうか。ボクも色々な釣りのジャンルを経験してきたけど、最近では何故かこの海のルアーが中心となってきているのです。
従って、一部に誤解されているようなルアーで釣ったから偉いとかいったような、変な偏見は全く持ち合わせていません。当然ボク自身もエサで釣りをしますからネ。釣りは釣れてナンボのもの。結果的に楽しい思いをしたくて釣りをしているのだから、どんな釣り方でもいいんです。ボクのモットーは、旬の魚を求めてその魚に合った釣り方で過程を楽しむことです。
ちなみにボクはフィールドでどれだけルアーをキャストするか、どれだけ数多くのフィールドで釣りが出来るかでその人の経験による釣果が決まってくると思います。数年前までのルアーマンは南の島や海外へ遠征したりといった具合に、一発大物釣りに燃えているような時期が長く続いていたと思います。

 しかし、ここ2〜3年は明らかに違ってきているのです。ボクも某誌や単行本などで、もっと手軽に海の魚は釣れるんだぞ〜。ルアーを使って釣れる海の魚はた〜くさんいるんだぞ〜、と唱え続けてきました。もちろん多くの著名なアングラーや釣具のメーカーさんなどもうまいタイミングで乗り出すことが出来たのも、ブームに火が付いた大きな理由のひとつでしょう。それが最近よく聞かれるようになってきたライトタックルゲームの事なんですヨ。

 ブラックバスやニジマスをルアーで釣るためのバスロッドやトラウトロッドと小さなルアーやワームを車の中にいつも忍ばせておけば、家族とのドライブの途中にチョチョイのチョイと魚釣りが楽しめちゃう。そんな手軽さがライトタックルルアーのいいところなんです。意地をはらずに気軽にいつでも楽しめる、そんな釣りならやってみようかなと釣りの世界に飛び込んできたアングラーも少なくないでしょう。もちろんエサ釣りからルアー専門にハマッテしまったアングラーも多いようです。
 ファッション性も重要視され始め、若者のハートを掴んでからは女性の進出もめざましくなってきました。そうです、フィールドでルアーをキャストしているカワイイ女性を各地で見掛けるようになってきたのです。例えばドライブのコースに釣りを取り入れているうちに、本格的に海のルアーを始めたカップルもいるくらいです。

 ところが、ボクは最近ちょっとばかり気になっていることがあるんです。それは、ボクが思っていた以上にライトタックルの人気が出てしまったことです。手軽に出来るがゆえに岸からの釣り場はいつも多くのルアーマンやルアーウーマンがあふれています。魚が減ってきている事もあるんだけど、それ以上に人が与えるプレッシャーが多すぎて思ったほど釣れないと感じ始めている人達が増えてきているようなのです。
どうしても普通の人は自分でポイント開拓をしようとは考えずに、
『あの紹介されたポイントに行って釣ってくればいいや』
となってしまい、同じポイントに多くのルアーマンが集中してしまうのです。そうなったら結果はもう分かりますよネ。魚はスレてしまうという訳なんです。

 そこで、最近ボクが思っているのはフィールドの範囲をもっと広げてもらうこと。単純にここが釣れなくなったからあっちに行って釣ってきなさいと言うのではなく、
『もっと魚が釣れる場所はいっぱいあるんだから一か所に集中してたらホントの釣りの楽しみを知らないまま終わっちゃうヨ』
という事なんだ。
 昔は自分で穴場を見つけると人には教えない人もいたようだが、そのポイントを見つける楽しみも釣りなんだよネ。さ〜て、そんなこんなで次回からはもっと視野を広げて、こんなにルアーっていろんなフィールドで使えるんだネ、という情報を紹介していこうと考えているのであります。お楽しみに!