1996.05.10号
 
ニューターゲットはオフショアからのホウボウ


 さ〜て、何のターゲットを紹介しようかな〜っと。一部では密かに流行っているんだけど、まだまだ一般的ではない…、そんなターゲットを今回は教えちゃう事にしよう。

 ライトタックルでのルアーは何もショアからだけって訳じゃあないのですヨ。ルアーでボトムを狙って釣るその魚の正体はホ・ウ・ボ・ウなんで〜す。
ホウボウは海の宝石とも呼ばれ、シロギス釣りの高級外道として有名だ。でも、この魚を専門に狙っている人は少なくて、むしろアノ派手でカラフルな風貌を見た途端に、
『なんじゃ〜、こりゃ〜。ド派手で気〜持ちワリィなぁ〜』
『捨てちゃえよ〜、そんな変な魚…』
ホウボウの美味しさを知らないアングラーからはこんん会話が聞こえてきたりして。
 そりゃそうだよネ。あの不気味なツラガマエとド派手なヒレ、オマケに足が生えているとなったら知らない人はきっとビビリまくってしまうに違いない。
しかし、しかしですよ。実は物凄く美味しくて、専門に狙ったら予想以上に簡単に釣れて、その上ヒットしてからの素晴らしいファイトには驚かされること請け合いなのだ。さて、前置きはこの位にしておいて…おっとその前に、基本はあくまでもライトタックルであるという事を忘れずに!
まずはシーズンだけど、ひとことで言ってしまえばホウボウは年中無休なのだ。でも、食べて美味しくヒット率の高いのが冬から春にかけてなんだ。要するに、相模湾ではシロギスの解禁期間中ならホウボウの活性も高くなっていると考えればいいだろう。

 ホウボウを釣るために必要なものは第一に船。当然と言えば当然だが、船が無いとオフショアゲームは決して成り立たないのだ。当たり前の事だけど、このホウボウをルアーで釣らせてくれる船宿を探すのが実は大変なんだ。夏の間にシイラをルアーで釣らせてくれる船宿はあっても、それ以外の時期に船でルアーをやるには基本的に船を仕立てるか自分のボートで出船するしかないのだ。
 ボクのお薦めは小田原・早川港の亀蔵丸さんだ。若船長自らがルアーをキャストし、自分自身の手で新しいフィールドとターゲットの可能性を探し出していく。こんな船長がいるのだから、船の予約が出来れば大船に乗ったつもりでいればいいのではないかな。
最も船のサイズはちょっと小さめの39ftなんだけど、うるさい音を響かせながら大型船で浅場を狙うより、小さめの船で静かに攻められるってのはメリットがとっても大きいんだ。興味のある人は話だけでも聞いてみてはどうだろうか。

 さて、気になるタックルはライトタックルと言えば予想は付くと思うが、皆さんご想像の通り少しだけヘビーなトラウトorバスタックルでOKだ。もちろん東京湾などでボートからシーバスを狙う時に使う7ftくらいのシーバス用ボートロッドでもバッチリだ。
 ラインは新素材ライン(PEライン)の2号位が使いやすいだろう。これを最低でも100mリールに巻いておこう。先端には20〜30ポンドのショックリーダーを付けておくのがベスト。できれば急に100m以上のターゲットを狙いたくなった時の事を考えて、200m巻ければ言う事なしだ。リールサイズはこのラインキャパシティーに見合ったものを選ぶのだ。
 おっと、言い忘れるところだった。この釣りはリトリーブだけがヒットのテクニックではなく、ラインを送り出すのも重要なテクニックなんだ。従って、一般的なスピニングリールでもいいんだけど、ラインリリース性に優れているベイトキャスティングリールの方が断然使いやすいのである。

 次に基本的な釣り方を説明しよう。ルアーはメタルジグ(40gのピンク系統に実績がある)をパイロットルアーとし、フックをシングルにして白系統のグラブなどを付けるのがこの道のツウのやり方だ。これだと少しホウボウの活性が低い時でもかなり高い確率でアタックして来るようだ。
 船長の合図で自分の信じるスペシャルジグをボトムまで沈め、スッとしゃくってヒラヒラっと沈める。5mほどしゃくってきたら再びボトムまで沈めてやる。アタリはしゃくった時にガツンと来るので、その時にしっかりアワセるのがバラシを少なくするコツだ。
 まあ、何はともあれ経験してみるのが一番の上達だ。時にはもっと高級な外道?のヒラメやマゴチがヒットすることもある。試してみる価値はあると思うけど…。

 ちなみに、この時期の釣りはまだ寒いこともある。冷えた体にはやっぱりラーメンが一番だ。最近小田原の上州屋近くにとんこつ味のラーメン屋さんがオープンした。その名も『とんこつや』だ。一日のホットな気分を最後まで暖めてくれるゾ!