1996.07.25号 7月のマゴチは産卵前の荒食いをするので釣り過ぎに注意!
そろそろ梅雨明けが近付いてきた。ナントナク今年は梅雨の雨が少なくて、ちょっと拍子抜けした人もいるのではないだろうか。何故って、じっとりジメジメの天気だと良く釣れる魚がいるってことは前号でも書いたと思う。それだけに絞り所がハッキリしなかった…なんて人も少なくないだろう。 それならどうしようって考えると…いるいる、嬉しいターゲットがいますよ。これから梅雨が明けてボクたちをバッチリ楽しませてくれるヤツが。梅雨が明けると待っているのはジリジリと照り付ける夏の陽射しだ。今回紹介するマゴチは照りゴチとも呼ばれ、東京湾などでは昔から夏の風物詩にもなっているんだ。 マゴチはキス釣りなどでも手軽に釣れる大物として人気があり、いい思いをした経験のある人も多いと聞く。ところが、これをルアーで専門に狙うとなったら思ったようにヒットしないのが実情だと思う。何でもそうだと思うけど、普段から外道でイヤと言うほど釣れる魚ほど専門に狙って釣るのは難しいものなんだ。シイラやサバなんかをルアーで狙うのもそうだよね。 ところで、今年は何となく各地でマゴチを専門に狙っているアングラーからの『釣れたよ〜』という情報が多いような気がする。初夏には産卵のため浅場に接岸してくるためショアからでも比較的手軽に釣れる。この時期になるとマゴチを密かに楽しんでいるルアーマンもいるくらいだ。 7月のマゴチは前記のように産卵前の荒喰いをすることがあるので初心者でも釣りやすい。でも、それだけに注意したいのは特に初心者のルアーマンだ。ベテランアングラーは比較的釣り過ぎに注意しているのだが、始めて間もないルアーマンは嬉しくてついつい持ち帰る数が増えてしまう。ポイントさえ見つければ釣り過ぎに注意と言えるくらいに釣れるのがマゴチ釣りなんだ。 ちなみに真鶴の岩港周辺で以前よりヒラメがあまり釣れないのは、ホットラインが誇る竹風が釣り過ぎたからだという噂もある。皆さんも釣り過ぎには十分注意しましょう。 さて、今回は河口部からの狙い方を中心に紹介しようと思う。 水量の豊富な河川の河口部にはビッグサイズのマゴチが入り込むことがよくある。特に潮の干満には非常に敏感で、潮の満ちるのに合わせて徐々に浅場へ近付いてくる。そして満潮が近くなって潮が止まる直前に入れ喰いタイムがやって来るパターンが多いような気がする。 暗くなってからも釣れるワニゴチと違って積極的な捕食をしないようなので、夕方の5〜6時頃に満潮が来て、尚且つ潮がよく動く大潮回りに実績があるようだ。 先日の釣行でも初めてマゴチを狙った仲間がホンノ1時間くらいで各自5〜6尾のマゴチを釣っていた。残念ながらボクは時合に間に合わず、残念な思いをしてきた。しかし、その後の釣行で前記の条件の日に同じポイントを攻めたところ、40〜55cmのマゴチを5尾とソゲを1尾釣ることが出来た。やはりこれも満潮前の1時間の出来事だった。 その後も順調に釣れているようなので、最近は通っているメンバーに『釣り過ぎに注意しろよ』と言っているくらいだ。 何を狙っても言える事だが、魚が釣れるにはそれなりの条件がある。特に潮の動きや天候に左右されやすい魚が相手の時には十分条件を調べておかないと全く釣れない。最もその条件を知っているかどうかでアングラーとしてのウデがハッキリするのも事実だ。エサ釣師にはこれらを把握しているアングラーが非常に多い。ルアーであんまり釣った経験の無い人はもっと海と魚を知ったほうがいいだろう。 以上が河口でマゴチを狙う時の条件だ。ボクの経験では関東ならどこに行ってもほとんど同じような条件で釣れている。実績が有っても無くてもボトムが砂地で潮の影響を受けやすい河口部は要チェックだ。 潮の流れと川の流れがぶつかる場所はベイトフィッシュも集まりやすい。障害物があればそれらの影となる部分にも身を潜めているので、ルアーをリトリーブするコースを頭に描きながら釣るといいだろう。 ちなみに、東伊豆の河津川や西伊豆の那賀川なんかもかなり実績の高いフィールドだという事も付け加えておこう。 タックルなどはイラストを参考にして欲しい。シーバス狙いの外道ではなく、マゴチを専門に狙うのならバスまたはトラウトタックルが使いやすいだろう。キャストをずっと続けても疲れは少ないし、何と言っても軽量のルアーが投げやすいメリットもある。また、ライトタックルなら細いラインで流れの影響をあまり受けること無く釣ることもヒット率をアップさせるテクニックですよ。